ドロップとは、ボールを拾い上げて膝の高さから落として再開するゴルフルール上の手続きです。OB・ペナルティエリア・カート道・修理地——ドロップが必要な場面は1ラウンドで何度も訪れるにもかかわらず、正しい手順を知らないゴルファーが少なくありません。結論として覚えるべきは、①膝の高さから真下に落とす、②救済エリア内に止まればOK、③エリア外に出たら再ドロップの3点です。
この記事では、ドロップの正しい手順、ドロップが必要な各場面のルール、2019年改正のポイント、よくある間違いまで解説します。
ドロップの正しい手順(2019年改正後)
- 基点を決める:救済の基点(ニヤレストポイントなど)を特定し、マークする
- 救済エリアを確認する:基点から1クラブレングスまたは2クラブレングス以内(状況による)がドロップ範囲
- 膝の高さからドロップ:直立した状態で膝の高さからボールを真下に落とす。投げる・転がす・置くのはすべて違反
- エリア内に止まれば完了:ドロップしたボールが救済エリア内に止まればインプレー
- エリア外に出たら再ドロップ:2回ドロップしてもエリア内に止まらなければ、2回目に最初に地面に触れた地点にプレースする
2019年の重要な変更点:以前は「肩の高さ」からドロップでしたが、現在は「膝の高さ」に変更されています。肩の高さからドロップすると再ドロップの対象になるので注意してください。
ドロップが必要な場面と救済エリア
| 場面 | 罰打 | 救済エリア |
|---|---|---|
| カート道・排水溝(異常なコース状態) | 無罰 | ニヤレストポイントから1クラブレングス以内 |
| 修理地(GUR) | 無罰 | ニヤレストポイントから1クラブレングス以内 |
| 動かせない障害物(スプリンクラーなど) | 無罰 | ニヤレストポイントから1クラブレングス以内 |
| ペナルティエリア(赤杭/赤線) | 1罰打 | 最後に横切った地点から2クラブレングス以内 |
| ペナルティエリア(黄杭/黄線) | 1罰打 | 後方線上にドロップ(距離制限なし) |
| アンプレヤブル | 1罰打 | 3つの選択肢あり(後述) |
| OB・紛失球(ストロークと距離の罰) | 1罰打 | 前回の打った場所にドロップ |
カート道からの救済(無罰)
最も頻度の高いドロップ場面です。ボールがカート道に止まった場合、ニヤレストポイント(ボール・スタンス・スイングがカート道にかからない最も近い地点)を決め、そこから1クラブレングス以内にドロップします。詳しい手順はカート道からの救済処置で解説しています。
ペナルティエリアからの救済(1罰打)
赤杭エリア(ラテラル)は最後に横切った地点から2クラブレングス以内にドロップ。黄杭エリアはピンと最後に横切った地点を結んだ後方線上の任意の地点にドロップします。ペナルティエリアの詳しいルールはOBルール完全ガイドを参照してください。
アンプレヤブルの3つの選択肢
- 後方線上:ピンとボール位置を結んだ後方線上の任意の地点から1クラブレングス以内にドロップ
- 2クラブレングス以内:ボール位置から2クラブレングス以内でピンに近づかない場所にドロップ
- 前の場所から打ち直し:最後に打った場所にドロップして打ち直し
アンプレヤブルの詳細はアンプレヤブルの正しいルールと救済処置で解説しています。
よくある間違い
- 「置く」のはドロップではない:膝の高さから落とさずに地面に置くのは「プレース」であり、ドロップが求められる場面では違反(2罰打)。ただし2回ドロップしてもエリア内に止まらない場合のプレースは正当です
- 1クラブレングスの測り方:バッグの中で最も長いクラブ(パター除く=通常ドライバー)で測ります。アイアンで測ると範囲が狭くなり損をします
- ニヤレストポイントの誤解:「最も近い地点」は「最も都合の良い地点」ではありません。ニヤレストポイントがラフの中や木の後ろでも、そこが正しい基点です
- ホールに近づけてはいけない:ドロップ後のボール位置が元より ホール(ピン)に近づいた場合は救済エリア外とみなされ、再ドロップが必要です(無罰救済の場合)
よくある質問
ドロップしたボールが足に当たったらどうなりますか?
2019年のルール改正で、ドロップしたボールが自分の体や用具に偶然当たっても罰はありません。ボールが救済エリア内に止まればそのままプレー、エリア外に出たら再ドロップします。
プライベートラウンドで「前進4打」のドロップは正式ルールですか?
正式ルールではありません。「前進4打(プレーイング4)」はプレーファストのためのローカルルールで、特設ティーからの打ち直しを認めるゴルフ場独自の取り決めです。競技では通常使用できません。
膝の高さがわかりにくいのですが、正確に測るコツは?
厳密な高さの精度は求められていません。直立した状態で膝頭の横あたりから手を離すのが目安です。ルールの意図は「高いところから落として転がりすぎるのを防ぐ」ことなので、膝の高さを大幅に超えなければ問題になることはまずありません。
