ゴルフ場における『り』とは?
ゴルフ初心者
先生、「り」っていうゴルフ用語、どういう意味ですか?
ゴルフ博士
「り」は漢字で書くと「救済区域」だよ。コースの状況が悪い場所から、一定の手順と罰打でボールを動かせる場所のことだね。
ゴルフ初心者
たとえば、どんな場所から動かせるんですか?
ゴルフ博士
例えば、工事中だったり、水たまりがあったり、修理地などだね。そういう場所から救済を受けるために、ルールに従ってボールを「救済区域」に動かせるんだ。
りとは。
ゴルフで使う『り』という言葉(救済区域)について説明します。
『り』の定義
競技の場において、『り』とは、通常の競技に適さない区域のことを指します。つまり、何らかの理由で競技を行うのが難しい、または不可能な場所です。このような場所に入った競技者は、罰を受けることなく球を動かすことができます。これは、不運にも困難な場所に球が入ってしまった競技者が不当に不利にならないようにするための規則です。
では、どのような場所が『り』とみなされるのでしょうか?理由は様々ですが、大きく分けて以下の3つの種類が考えられます。一つ目は、コースの状態が悪い場合です。例えば、大雨で地面が水浸しになっていたり、地面の補修工事が行われている最中である場合などが該当します。二つ目は、人工物が設置されている場合です。散水用の管や、コース内の建物の工事現場、カート道路などがこれにあたります。三つ目は、保護されるべき区域の場合です。例えば、希少な植物が植えられている場所や、鳥の巣がある場所などは、保護のために『り』として指定されることがあります。
『り』に入った球を動かす際には、定められた手続きに従う必要があります。この手続きは、『り』の種類によって異なります。例えば、動かせない人工物による『り』の場合、人工物から1本のクラブの長さ以内で、かつ球がもともとあった場所よりも旗竿に近づかない場所に球を拾い上げて置き直すことができます。また、地面の状態が悪いことによる『り』の場合は、『り』の範囲外で、かつ球がもともとあった場所よりも旗竿に近づかない場所に球を拾い上げて置き直すことができます。このように、『り』の種類によって球の動かし方が異なるため、競技者は規則を正しく理解しておく必要があります。適切な手続きを踏むことで、公平に競技を進めることができるのです。
種類 | 状況 | 例 |
---|---|---|
コースの状態が悪い場合 | 大雨で地面が水浸し、地面の補修工事中 | 水たまり、工事現場 |
人工物が設置されている場合 | 競技の妨げになる人工物 | 散水用の管、工事現場、カート道路 |
保護されるべき区域の場合 | 動植物の保護が必要な区域 | 希少な植物、鳥の巣 |
種類と適用規則
ゴルフの競技において、『り』は避けることが難しい状況の一つです。大きく分けて二つの種類があり、それぞれ異なる規則が適用されます。一つは罰打なしで処理できる『り』、もう一つは罰打を伴う『り』です。
罰打なしで処理できる『り』は、プレーヤーの技量とは無関係に発生する、不運な状況に対する救済措置です。例えば、コース管理が行き届いていないためにできた水たまりや、動物などが掘った穴、工事中の箇所などがこれに当たります。このような『り』に入った場合、プレーヤーは元の場所からホールに近づかないように、かつ『り』の端から2クラブレングス以内の範囲で、元の場所とホールを結んだ線を後方に伸ばした線上にボールを落とすことができます。この際、罰打は加算されません。
一方、罰打を伴う『り』は、プレーヤーの責任でボールが『り』に入った場合に適用されます。例えば、本来はコース外とみなされるカート道路や、池や小川などのペナルティーエリアにボールが入ってしまった場合です。このような『り』に入った場合、プレーヤーはいくつかの選択肢の中から一つを選びます。一つ目は、元の場所に戻ってもう一度打つ方法です。二つ目は、罰打を加えて所定の場所にボールを落とす方法です。ペナルティーエリアの場合、エリアの境界線とボールが入った地点を結ぶ後方線上に、そのエリアの外にボールを落とすことができます。カート道路の場合は、道路の端から2クラブレングス以内で、ボールが道路に入った地点に近づかない場所に落とせます。いずれの場合も、罰打が一つ加算されます。これらの規則を正しく理解することは、競技を円滑に進める上で非常に重要です。また、他のプレーヤーとの公平性を保つためにも、競技前にしっかりと規則を確認しておくことが望ましいです。
種類のり | 罰打 | 状況 | 処理方法 |
---|---|---|---|
罰打なしのり | なし |
|
元の場所からホールに近づかないように、かつ『り』の端から2クラブレングス以内の範囲で、元の場所とホールを結んだ線を後方に伸ばした線上にボールを落とす。 |
罰打ありのり | 1打 |
|
|
『り』の判断基準
『り』とは、ゴルフ規則において、コースの状態や状況によりプレーすることが不適切、または不可能な区域のことです。それぞれのゴルフ場が、そのコースの特有の事情や、安全確保、プレーの公平性などを考慮して、ローカルルールで『り』を定めています。
『り』には、一時的なものと恒久的なものがあります。一時的な『り』は、例えば、大雨でできた大きな水たまりや、強風で倒れた木、落雷による被害、動物が掘った穴などです。これらは、天候や自然現象によって発生し、その状況が改善されれば『り』の指定が解除される場合もあります。また、散水作業中や芝生の養生など、コース管理のために一時的に『り』となる区域もあります。
一方、恒久的な『り』は、コース設計上、もともとプレーが意図されていない区域です。例えば、コース内の池や深い谷、保護が必要な植物が生えている場所、危険な崖、工事区域などです。これらは、通常の場合、恒久的に『り』として指定されます。
『り』の区域は、杭やロープ、白線などで明確に示されていることが一般的です。また、スコアカードやクラブハウス内の掲示、ゴルフ場の公式ホームページなどでも確認できます。プレー前にこれらの情報をよく確認し、『り』の場所と、その区域に入った場合に適用される救済方法を把握しておくことは、スムーズなプレーのために非常に大切です。知らないまま『り』の区域でプレーしてしまうと、罰則が科せられる場合もあります。それぞれのゴルフ場のローカルルールをよく理解し、正しくプレーしましょう。
区別 | り の種類 | 例 | 備考 |
---|---|---|---|
一時的なり | 自然現象によるもの | 大雨でできた水たまり、倒木、落雷被害、動物が掘った穴 | 状況改善で解除される場合あり |
コース管理によるもの | 散水作業中、芝生の養生 | 一時的なもの | |
競技上のもの | ギャラリースタンド、カート道路、仮設テントなど | トーナメントなどにより設置されるもの | |
恒久的なり | コース設計上のもの | 池、深い谷、崖 | 通常、恒久的に指定 |
環境保護等によるもの | 保護植物の生息地、工事区域 | 通常、恒久的に指定 |
『り』における処置
競技中にボールが『り』に入った場合の対処法を詳しく説明します。まず、どの種類の『り』に入ったのかを確認することが重要です。『り』には大きく分けて、罰打のない『り』(無料の『り』)と罰打のある『り』の二種類があります。それぞれの場合で処置が異なるため、注意が必要です。
無料の『り』に入った場合は、まず元のボールの位置を正確に確認します。それから、その位置からホールに近づかない場所にボールを落とします。これを『ドロップ』と言います。ドロップする位置は、『り』の種類によって異なります。例えば、赤い杭で囲まれた『り』と黄色い杭で囲まれた『り』では、ドロップできる範囲が異なります。競技規則を熟知し、正しい位置にドロップすることが大切です。ドロップは肩の高さから行います。ドロップしたボールが『り』の外に出た場合、または再び同じ『り』に入った場合は、再度ドロップする必要があります。
罰打のある『り』に入った場合は、二つの選択肢があります。一つは、元の位置に戻ってプレーを続ける方法です。もう一つは、罰打を加えて所定の場所にドロップする方法です。状況に応じて有利な方を選びましょう。例えば、元の位置に戻ってプレーするのが難しい場合は、罰打を受けてでもドロップした方が良い結果につながる可能性があります。こちらもドロップは肩の高さから行い、ドロップしたボールが『り』の外に出た場合、または再び同じ『り』に入った場合は、再度ドロップする必要があります。
これらの手続きを正しく理解し、実行することで、不要な罰打を避け、円滑な競技進行に繋がります。日頃から競技規則を学び、様々な状況を想定した練習を行うことで、『り』に入った場合でも落ち着いて対処できるようになるでしょう。
競技における重要性
競技ゴルフでは、定められた規則を理解し、遵守することが大変重要です。規則を無視したり、誤って解釈したりすると、罰則が課され、スコアに悪影響を及ぼします。これは競技の勝敗を左右するだけでなく、他の競技者にも迷惑をかけることになります。そのため、競技に参加する際には、事前に規則書をよく読み、内容を完全に理解しておく必要があります。
特に『救済』に関する規則は、状況によって判断が複雑になる場合があり、理解が難しいことがあります。例えば、ボールが木の根元や、修理地といった障害物に止まってしまった場合、どのような救済措置が取れるのか、規則に基づいて正しく判断しなければなりません。また、救済を受ける際の正しい手続きや、ドロップの方法なども、規則で細かく定められています。もし規則に不明な点があれば、遠慮なく競技委員に質問し、確認することが大切です。自己流の解釈でプレーを進めてしまうと、意図せず規則違反を犯してしまう可能性があるからです。
競技ゴルフだけでなく、普段の仲間内のプレーでも、公式の規則を理解し、それに基づいてプレーすることで、スムーズな進行と、他のプレーヤーへの配慮につながります。例えば、前の組との間隔を適切に保つことや、ボールを探しに行く時間を制限することは、規則で定められているだけでなく、マナーとしても大切なことです。また、バンカーレーキの使い方や、グリーン上でのボールマークの直し方なども、規則を理解していれば、自然と適切な行動をとることができます。
ゴルフは紳士淑女のスポーツと言われます。これは、規則を尊重し、正しくプレーすることによって、スポーツマンシップにのっとったフェアプレーを実現できるからです。『救済』の規則に限らず、ゴルフの全ての規則を理解し、尊重することは、真のゴルファーとなるために欠かせない要素と言えるでしょう。
重要性 | 内容 | 例 |
---|---|---|
規則の理解と遵守 | 競技ゴルフでは、規則の理解と遵守は必須。誤解や無視は罰則やスコアへの悪影響、他者への迷惑につながる。競技前に規則書をよく読み、内容を完全に理解する必要がある。 | |
救済の規則 | 状況によって判断が複雑になり難解。正しい救済措置の判断、正しい手続きとドロップの方法の理解が必要。不明な点は競技委員に確認。 | 木の根元や修理地など |
仲間内のプレーでも規則を | 公式規則の理解と遵守はスムーズな進行と他者への配慮につながる。 | 前の組との間隔、ボール探しの時間制限、バンカーレーキの使い方、グリーン上でのボールマークの直し方 |
ゴルフは紳士淑女のスポーツ | 規則を尊重し、正しくプレーすることで、スポーツマンシップにのっとったフェアプレーを実現。すべての規則の理解と尊重は真のゴルファーになるために不可欠。 |
よくある誤解
ゴルフの規則書には様々な救助方法が定められていますが、その中でも『救済』を受ける際のルールは、しばしば誤解を生みやすい部分となっています。特に、『救済』を受ければ必ず有利になるという考えは、大きな間違いです。 確かに『救済』は、木の根元や水たまりといった困難な場所からボールを移動させることができますが、必ずしも打ちやすい場所に落とせるわけではありません。
例えば、無料で救済を受けられる場合でも、元のボールの位置とカップを結んだ線よりも後ろに、その線を基準とした1打罰の範囲か2打罰の範囲にボールを落とす必要があります。このため、必ずしも平らな場所や芝の状態が良い場所に落とせるとは限らず、場合によっては元の場所よりも難しいライにボールが止まる可能性もあるのです。 木の後ろにボールがあり、その後ろが崖になっている場合などは、救済を受けた後も崖からの難しいショットを強いられるかもしれません。
また、『救済』の種類によっては、ボールを拾い上げて拭くことができない場合もあります。例えば、動かせる障害物からの救済の場合、救済を受ける前にボールに触れることはできません。仮に触れてしまうと罰打が加算されてしまうため注意が必要です。 一方、動かせない障害物からの救済や危険な動物の穴からの救済であれば、拾い上げて拭くことができます。このように、『救済』のルールは状況によって異なるため、一つ一つを丁寧に確認することが大切です。
これらの誤解を避けるためには、ゴルフ規則書をよく読み、理解を深めることが重要です。 規則書は複雑で難解な部分もありますが、競技をスムーズに進めるためにも、基本的なルールはしっかりと把握しておきましょう。もし規則に不明な点があれば、ゴルフ場の競技委員やゴルフ規則に詳しい人に確認することをお勧めします。正しい知識を身につけることで、安心してプレーに集中でき、他の競技者とのトラブルも未然に防ぐことができます。ルールを正しく理解することは、ゴルフを楽しむ上で非常に大切な要素なのです。
救済の種類 | 利点 | 欠点 | ボールを拾えるか |
---|---|---|---|
無料の救済 (例: 木の根元、水たまり) | 困難な場所からボールを移動できる |
|
不明 |
動かせる障害物からの救済 | 障害物から離れた場所に落とせる | 不明 | 救済を受ける前に触れると罰打 |
動かせない障害物からの救済 | 障害物から離れた場所に落とせる | 不明 | 拾い上げて拭くことができる |
危険な動物の穴からの救済 | 危険な場所からボールを移動できる | 不明 | 拾い上げて拭くことができる |