ゴルフの「握り」とは、仲間内でスコアやパットの結果を点数にして競うゲームのことです。定番はナッソー、スキンズ、オリンピック、ラスベガス、ピンポンパンの5つで、ほかにヘビや竿イチなどパット・寄せを対象にした小さなゲームがあります。
ゲームごとに「何を競うか」が違うので、組の人数や実力差に合わせて選ぶと、最終ホールまで全員が楽しめます。このページでは8種類のルールを順に紹介し、組に合ったゲームの選び方をまとめます。
握りゲーム8種類の早見表
| ゲーム | 人数 | 競うもの | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ナッソー | 2〜4人 | 前半・後半・18ホールのスコア | 勝負が3つあり、前半で負けても取り返せる |
| スキンズ | 3〜4人 | 各ホールの単独トップ | 引き分けは次のホールへ持ち越し |
| タテ・ヨコ | 2〜4人 | 合計打数と、勝ったホールの数 | ルールが単純で初めてでもわかりやすい |
| オリンピック | 2〜4人 | グリーン上の1パット | スコアに関係なく誰でも点を取れる |
| ラスベガス | 4人 | ペアの打数を並べた2桁の数字 | ペア戦。点数が大きく動く |
| ピンポンパン | 3〜4人 | 最初のオン・最も近い人・最初のカップイン | 初心者にも勝ち目がある |
| ヘビ | 3〜4人 | 3パット | 最後に3パットした人が負け |
| 竿イチ | 2〜4人 | ピン1本分以内への寄せ | ショットの精度を競う |
お金を賭けるのは法律違反です。金銭を賭けると、少額でも、仲間内でも、刑法の賭博罪にあたります。例外として認められているのは、その場で消費する食事や飲み物など「一時の娯楽に供する物」を賭けた場合だけです。このページのゲームは点数で勝ち負けを楽しむもの、または負けた人がドリンクを用意する程度の遊びとして紹介しています。
ナッソー:3つの勝負を同時に進める
ナッソーは、18ホールを前半9ホール・後半9ホール・18ホール合計の3つに分け、それぞれで勝敗を決めるゲームです。勝負が3つあるので、前半で大きく負けても、後半と合計の2つを取り返すチャンスが残ります。
勝敗の決め方は2通りあります。
- ストローク方式:それぞれの区間の合計打数が少ない人の勝ち。計算が簡単です。
- マッチ方式:ホールごとに勝ち負けを付け、区間内で勝ったホールが多い人の勝ち。1ホールの大叩きが響きにくくなります。
3つの勝負に1点ずつ付ければ、1ラウンドで動くのは最大3点です。負けている側が途中で新しい勝負を追加する「プレス」というルールもあり、残りホールだけを対象にもう1点を争います。
実力差がある組では、ハンデを前半と後半に半分ずつ振り分けます。ハンデ10なら前半5打、後半5打です。ハンデの考え方はハンディキャップの計算方法を参考にしてください。
スキンズ:単独トップだけが点を取る
スキンズは、ホールごとに1人だけ最も少ない打数で上がった人が、そのホールの1点(スキン)を取るゲームです。トップが2人以上並んだら誰も取れず、点は次のホールに持ち越されます。
持ち越しが続くと、1ホールに3点、4点と積み上がります。それまで1点も取れていない人が、たった1ホールの単独トップで逆転できるのがスキンズの面白さです。18番ホールで決着がつかなかった場合の扱い(引き分けにするか、パット勝負で決めるか)は、スタート前に決めておきましょう。
詳しい進め方はスキンズマッチの解説でも紹介しています。
タテ・ヨコ:いちばん単純な握り
タテとヨコは、スコアカードの見方から来た呼び名です。
- タテ:18ホールの合計打数の差を点数にします。90と95なら5点差です。
- ヨコ:ホールごとに勝ち・負け・引き分けを付け、勝ったホールの数の差を点数にします。
両方を同時に行うのが一般的です。タテは安定してスコアをまとめる人が強く、ヨコは波があってもバーディやパーを多く取る人が強くなります。ハンデを付ける場合は、タテは合計打数から引き、ヨコは難しいホールから順に1打ずつ振り分けます。
オリンピック:1パットでメダルを取る
オリンピックは、グリーン上のパットだけで競うゲームです。全員がグリーンに乗った時点で、カップから遠い順に金・銀・銅・鉄と色を決め、1打目のパットを沈めた人が金4点・銀3点・銅2点・鉄1点を取ります。グリーンの外から直接入れるとダイヤモンドで5点です。
スコアが悪いホールでも、長いパットを1本決めれば高得点になります。腕前に差がある組でも全員にチャンスがあるため、最も広く遊ばれている握りのひとつです。
点数の数え方と計算ツールはオリンピックのルールと点数計算にまとめています。
ラスベガス:ペアで2桁の数字を作る
ラスベガスは4人が2人ずつに分かれるペア戦です。ホールごとに、ペア2人の打数を小さい順に並べて2桁の数字を作り、相手ペアとの差を点数にします。4打と5打のペアは45、5打と6打のペアは56で、45のペアに11点が入ります。
バーディを取ると、相手ペアの数字を逆に並べ替えさせる「ひっくり返し」ができます。45が54になるので、1ホールで点差が大きく開きます。
ペアの決め方や10打以上を叩いたときの扱いは、ラスベガスのルールと計算方法で説明しています。
ピンポンパン:先に乗せる・寄せる・入れる
ピンポンパンは、1ホールで3つの点を取り合うゲームです。
- ピン:最初にグリーンに乗せた人
- ポン:全員が乗った時点でカップに最も近い人
- パン:最初にカップインした人
カップから遠い人が先に打つので、飛距離の出ない人ほど先に乗せるチャンスがあります。打数の多さが不利にならない、初心者向きのゲームです。
迷いやすい場面の決め方はピンポンパンのルールと点数の数え方をご覧ください。
ヘビ:3パットした人に回ってくる
ヘビは3パットを対象にしたゲームです。誰かが3パットをすると、その人が「ヘビ」を持ちます。次に別の人が3パットをしたら、ヘビはその人に移ります。18番ホールを終えた時点でヘビを持っていた人の負けです。
3パットが出るたびにヘビの点数を1点ずつ増やしていくルールが一般的で、終盤になるほど短いパットに緊張感が出ます。4パットは2回分として数える組もあります。パットの集中力を保つ練習にもなるゲームです。
竿イチ:ピン1本分以内に寄せる
竿イチ(サオイチ)は、グリーンを狙ったショットがピンフラッグ(竿)1本分の長さ以内に止まったら1点、というゲームです。ピンの長さはおよそ2メートル強なので、ワンピン以内に寄せられるかどうかを競います。
対象にするショットは仲間内で決めます。パー3のティーショットだけにする、グリーンの外からのアプローチも含める、などの決め方があります。判定はピンを抜いて地面に寝かせればすぐにできます。
ショットの飛距離や精度を競うゲームには、コンペでおなじみのドラコンとニアピンもあります。
組に合ったゲームの選び方
| 組の状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 初心者がいる | オリンピック、ピンポンパン | 打数が多くても点を取れる |
| 実力が近い4人 | ナッソー、スキンズ、ラスベガス | スコアの勝負がそのまま楽しめる |
| 実力差が大きい4人 | ラスベガス(ペア入れ替え)、オリンピック | ペアやパットで差が埋まる |
| 2人で回る | ナッソー、タテ・ヨコ | 1対1で成立する |
| 3人で回る | スキンズ、ピンポンパン、オリンピック | 個人戦なので人数を選ばない |
スコアで競うゲーム(ナッソー、スキンズ、ラスベガス)と、パットや寄せで競うゲーム(オリンピック、ピンポンパン、ヘビ)は対象が重ならないので、1つずつ組み合わせるとラウンド全体に見どころができます。ただし3つ以上を同時に進めると記録が追いつかなくなるので、慣れるまでは2つまでにしておきましょう。
スタート前に決めておくこと
握りのトラブルは、ほとんどがルールの思い違いから起こります。1番ホールのティーイングエリアで、次の点を全員で確認しておきましょう。
- どのゲームをするか、点数の配分はどうするか
- ハンデを付けるか、付けるなら何打か
- 引き分けや同点のときの扱い(持ち越すか、流すか)
- OKパット(コンシード)を認めるか、認めるなら距離の目安
- 誰が記録を付けるか
- 雨などで途中終了した場合の扱い
とくにOKパットの扱いは、オリンピックやヘビの結果に直接影響します。パットを対象にするゲームをする日は、すべてカップインするまで打つと決めておくと公平です。
ゲームに気を取られてプレーが遅くなるのは避けたいところです。記録は次のホールへ移動してから付け、前の組と間が空いたら距離の計測などは省略しましょう。
よくある質問
ゴルフの握りは違法ですか?
金銭を賭けると、少額でも刑法の賭博罪にあたります。食事や飲み物など、その場で消費する物を賭けた場合は例外として処罰の対象になりません。点数で勝ち負けを競うだけであれば問題はありません。
初心者がいる組にはどのゲームが向いていますか?
オリンピックとピンポンパンです。どちらもスコアの良し悪しではなく、パットが入ったか、先に乗せたかで点が決まるので、打数の多い人にも勝つチャンスがあります。
3人でもできるゲームはどれですか?
ナッソー、スキンズ、オリンピック、ピンポンパン、ヘビは3人でそのまま遊べます。ラスベガスは2人1組のペア戦なので、基本は4人で行います。
ハンデはどう付ければよいですか?
お互いの平均スコアの差を目安にします。平均90の人と100の人なら10打です。ナッソーでは前半と後半に半分ずつ、ホールごとに勝敗を付けるゲームでは難しいホールから順に1打ずつ振り分けます。オリンピックやピンポンパンはハンデなしで遊べます。
