
アドレス時の小さな動き:わ
『わ』とは、構えを終え、振り始めるまさに直前に、クラブの頭を小さく動かす動作のことを指します。一見すると単純なこの動きには、実はスイングにとって大切な役割が幾つかあります。一つ目は、体全体の緊張をほぐし、滑らかな振り出しを促すことです。構えに入ると、どうしても体に力が入って硬くなってしまいがちです。そこで『わ』によって軽く筋肉を動かすことで、余分な力を抜き、落ち着いた状態でスイングを始められるのです。二つ目は、スイング全体の調子を整える効果です。クラブを小さく動かすことで、振り始めの動き出しを滑らかにし、一定の調子でスイングすることが可能になります。まるで音楽の指揮者がタクトを振るように、スイングのテンポを計る役割を果たしていると言えるでしょう。三つ目は、狙いを定めたり、地面の状態を確認するためです。わずかな動きによって、地面の硬さや傾斜、芝の状態といった周辺環境を最終確認し、その状況に合わせた最適なスイングに繋げることができるのです。また、『わ』を行う際に、クラブを目標方向に軽く動かすことで、狙いを再確認することもできます。これは、特に方向性が重要なパッティングにおいて、正確なストロークへと導く上で大きな役割を果たします。このように、『わ』は、単なる準備運動ではなく、スイング全体の質を高めるための大切な要素なのです。一見小さな動きですが、上手な人は必ずと言っていいほどこの『わ』を取り入れています。ぜひ皆さんも練習に取り入れて、その効果を実感してみてください。