グリーン上のボールマーク(ピッチマーク)とは何か?正しい直し方とルールの全知識
ゴルフのラウンド中にグリーンに到達したボールが作る小さなへこみ「ボールマーク」(ピッチマーク)。このわずかなダメージが修復されないと、グリーンは数週間にわたって回復できず、コース全体のコンディションに大きな悪影響を与えます。一方、正しい方法で修復すれば24時間以内に元通りになるというのは、多くのゴルファーが知らない事実です。本記事では、ボールマークの正体、2019年ルール改正による変化、そして修復技術をプロの実例を交えて徹底解説します。これを読めば、グリーン上のマナーと技術が完全に身につきます。
ディボット跡(ボールマーク)とは何か?

ゴルフレッスンプロ
グリーン上で見かける「ディボット跡」は、正式にはボールマークやピッチマークと呼ばれます。これはボールが空中からグリーンに落下した際にできるへこみのことで、特にロフトの大きいウェッジやショートアイアンで高い弾道のショットを打つと、大きなへこみができやすくなります。ボールマークの大きさは使用クラブやグリーンの硬さによって異なりますが、直径2〜5cm程度のものが一般的です。

ゴルフ競技審判
ルールの観点から補足しますと、ゴルフ規則の中では「グリーン上の損傷」として扱われます。ボールマーク以外にも、スパイクマーク(靴底でできた傷)、古いホールの埋め跡、芝の継ぎ目なども同じカテゴリーに入ります。2019年のルール改正以前はスパイクマークの修復が認められていませんでしたが、現在はグリーン上のほぼすべての損傷を修復できるようになりました。

専門ライター
つまり、フェアウェイで芝ごと削り取ってしまう「ディボット」とグリーン上の「ボールマーク」は全く別物なんですね。名称が混同されがちですが、フェアウェイのディボットは芝が剥がれた跡、グリーンのボールマークはボール落下によるへこみという違いがあるということですか。

ゴルフレッスンプロ
そのとおりです。ラウンド中にグリーンに乗った際は、まず自分のボールマークを確認して修復する習慣をつけましょう。できれば、自分のマーク以外にも近くに見つけた未修復のマークを直すことで、コース全体のグリーンコンディションが保たれます。プロの試合を見ていると、グリーンに上がったらまず自分のボールマークを直すのが当たり前の光景になっていますよ。
ボールマーク(ピッチマーク)とは
ゴルフボールがグリーンに着地した際にできるくぼみ。修復しないと芝が枯れて回復に数週間かかることがあります。正しく修復すれば24時間以内に元に戻ります。
グリーン上の損傷の種類を整理しよう

専門ライター
グリーン上にはボールマーク以外にもいろいろな跡がありますよね。それぞれどういうものなのか、まとめて教えていただけますか?

ゴルフ競技審判
主なものを整理しましょう。ボールマークはボールの着弾でできるへこみ、スパイクマークはゴルフシューズのスパイクで芝が引っかかれた傷、ホールの埋め跡はカップの位置を変更した際に残る跡です。また、クラブヘッドが地面に当たってできたダメージや、メンテナンス機器の跡なども含まれます。これらはすべて「グリーン上の損傷」として修復が認められています。
| 損傷の種類 | 原因 | 修復可否(現行ルール) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ボールマーク | ボールの着弾 | 修復可能 | 直径2〜5cmの丸いへこみ |
| スパイクマーク | ゴルフシューズ | 修復可能(2019年〜) | 線状の芝の引っかき傷 |
| ホール埋め跡 | カップの移動 | 修復可能 | 円形の盛り上がりや凹み |
| クラブの傷 | パターなどの打ち損じ | 修復可能 | 芝が削れた小さな跡 |
| 自然損耗 | 芝の成長ムラ等 | 修復不可(自然の状態) | 芝のバラつき |
正しいボールマークの直し方:プロが実践する技術

ゴルフレッスンプロ
ボールマークの修復には正しい手順があります。まずグリーンフォーク(ディボットツール)を用意してください。最近はマグネット式でキャップに付けられるタイプやマーカー一体型のものなど、携帯しやすいものが多く出ています。修復の基本は「周囲から中心に向かって寄せる」です。へこみの周りに45度の角度でフォークを刺し、中心に向かって押し込むように芝を寄せます。

専門ライター
よく見かけるのが、中央にフォークを突き刺して下から持ち上げるやり方ですが、あれは間違いなのでしょうか?

ゴルフレッスンプロ
残念ながらそれは最もやってはいけない修復方法です。中心を持ち上げると芝の根が切れてしまい、修復に2〜3週間もかかることがあります。正しく「周囲から寄せる」方法で直せば、わずか24時間程度でほぼ元通りになります。手順としては、へこみの周囲4〜5箇所にフォークを斜めに刺して中心へ押し込み、最後にパターの底で軽く押さえて表面を平らにします。

ゴルフ競技審判
競技の観点からも補足しますと、修復の際に注意すべきなのは「過度な修復」をしないことです。ボールマークの修復は認められていますが、例えば芝を盛り上げてパットのラインを有利にするような修復は規則13.1cに違反する可能性があります。あくまで「損傷を元に戻す」ことが目的であり、グリーン面を改善することが目的ではありません。
正しい修復手順を5ステップで解説

ゴルフレッスンプロ
改めて正しい修復手順をステップごとに整理しましょう。この手順をしっかり覚えて、毎回のラウンドで実践してください。正しい方法は一度覚えれば簡単ですし、慣れれば10秒程度で完了しますよ。
| ステップ | 動作 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | ボールマークの周囲を確認 | へこみの大きさと形状を把握する |
| 2 | フォークを斜め(45度)に差し込む | へこみの外周に4〜5箇所刺す |
| 3 | 中心に向かって押し込む | 持ち上げず、あくまで「寄せる」動作 |
| 4 | 周囲から均等に寄せる | 一方向だけでなく全方向から行う |
| 5 | パターの底で軽く押さえる | 表面を平らにして仕上げる |
2019年ルール改正で何が変わった?スパイクマーク修復の解禁

ゴルフ競技審判
2019年のゴルフ規則改正は、グリーン上の修復に関して大きな変更がありました。それ以前はスパイクマークの修復は禁止されており、自分のパッティングラインにスパイクマークがあっても直すことができませんでした。この改正により、グリーン上の「ほぼすべての損傷」を修復できるようになり、プレーの公平性が大きく向上しました。

専門ライター
以前のルールでは、自分のパッティングライン上にスパイクマークがあっても直せなかったのですか?それはかなりストレスが溜まりそうですね。

ゴルフ競技審判
その通りです。旧ルールではボールマークのみ修復可能で、スパイクマークを直すと2打罰が科せられていました。競技ゴルフの現場では非常に不評でしたので、改正は歓迎されました。ただし、現行ルールでも注意点があります。「自然の凸凹」や「芝の自然な状態」は修復対象外です。また、エアレーションの穴なども「コースの通常の管理」として修復できません。

ゴルフレッスンプロ
実際のラウンドでは、ルール改正後はパッティング前にラインをチェックして気になるスパイクマークやボールマークをすべて修復できるようになったので、パッティングに集中しやすくなりましたね。特にアマチュアゴルファーにとっては、スパイクマークでパットが弾かれるストレスが無くなったのは大きな変化です。
| 項目 | 旧ルール(2018年以前) | 新ルール(2019年以降) |
|---|---|---|
| ボールマーク修復 | 可能 | 可能 |
| スパイクマーク修復 | 不可(2打罰) | 可能 |
| ホール埋め跡修復 | 可能 | 可能 |
| クラブによる傷の修復 | 条件付き可能 | 可能 |
| 自然の凸凹の修復 | 不可 | 不可 |
ボールマークがパッティングに与える影響

ゴルフレッスンプロ
ボールマークがパッティングに与える影響は、多くのゴルファーが思っている以上に大きいものです。わずか5mm程度のへこみでも、2メートル先では数センチのズレを生む可能性があります。特にショートパットの距離では致命的です。USGAの調査によると、未修復のボールマークが10個あるグリーンでは、パッティングの精度が約15%低下するというデータもあります。

専門ライター
上りのパットと下りのパットでは、ボールマークの影響に違いはありますか?

ゴルフレッスンプロ
下りのパットの方がはるかに影響を受けやすいです。下りのパットはボールスピードが遅いため、わずかなへこみにも弾かれやすくなります。上りのパットはある程度の勢いで打てるので、小さなへこみは乗り越えられることもあります。ですから、下りのパットのラインは特に入念にチェックしてボールマークを修復してから打つことをおすすめします。

ゴルフ競技審判
競技の場面では、パッティングラインの確認と修復は非常に重要な作業です。ただし、プレーの進行を遅らせないことも大切です。自分の順番が来る前にラインを確認し、効率よく修復を行いましょう。同伴者のラインに影響するボールマークも、声をかけてから修復するのがマナーです。
グリーンフォークの種類と選び方

ゴルフレッスンプロ
グリーンフォークにはいくつかの種類があります。大きく分けると、2本刃のフォーク型と1本刃のスティック型があります。フォーク型は最も一般的で、芝を均等に寄せやすいのが特長です。スティック型は細かい修復に向いていて、最近ではマグネット付きでキャップのツバに取り付けられるタイプが人気です。材質はステンレス、アルミ、プラスチックなど様々ですが、耐久性を考えるとステンレス製がおすすめです。

専門ライター
ゴルフ場でもらえるプラスチック製のものと、自分で購入するしっかりしたものでは、修復のしやすさに違いはありますか?

ゴルフレッスンプロ
正直なところ、かなり違います。プラスチック製は軽くて携帯しやすいですが、硬いグリーンでは刺さりにくいことがあります。金属製のしっかりしたものは力を入れやすく、深いボールマークもしっかり修復できます。プロゴルファーの多くは金属製のフォークを愛用していますよ。価格も500円〜2000円程度で購入できるので、一つ持っておくことをおすすめします。
| タイプ | 特長 | 価格帯 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| フォーク型(2本刃) | 最も一般的。均等に修復しやすい | 500〜1,500円 | すべてのゴルファー |
| スティック型(1本刃) | コンパクト。細かい修復向き | 300〜1,000円 | 持ち運び重視の方 |
| マグネット付き | キャップに装着可能。紛失しにくい | 1,000〜2,000円 | 携帯性重視の方 |
| マーカー一体型 | マーカーとフォークが一つに | 800〜2,500円 | 荷物を減らしたい方 |
グリーン上でのマナーと心得

ゴルフ競技審判
グリーン上のマナーとして最も大切なのは、自分が作ったボールマークは必ず修復すること、そして見つけた他のボールマークもできるだけ修復することです。「自分のマーク+もう一つ」を修復する習慣をつけると、コース全体のグリーンコンディションが劇的に改善されます。名門コースほどこのマナーが徹底されています。

ゴルフレッスンプロ
それ以外にもグリーン上で注意すべきマナーはたくさんあります。他のプレーヤーのパッティングラインを踏まない、走らない、カートバッグを引きずらないなど、グリーンはコースの中で最もデリケートな場所です。ソフトスパイクが主流になった今でも、足を引きずるような歩き方はスパイクマークの原因になります。足を持ち上げて丁寧に歩くことを心がけましょう。

専門ライター
初心者の方に向けて、グリーン上で覚えておくべきマナーを優先順位で教えていただけますか?まず何から意識すれば良いでしょうか。

ゴルフレッスンプロ
まず第一に、自分のボールマークは必ず直すこと。第二に、他のプレーヤーのパッティングラインを踏まないこと。第三に、パッティング中の人の視界に入らないこと。この3つを守れれば、初心者としては十分なマナーです。慣れてきたら、旗を持つ役割や、打つ順番の確認なども意識していきましょう。
未修復のボールマークがグリーンに与えるダメージ

ゴルフレッスンプロ
未修復のボールマークがグリーンに与えるダメージは、想像以上に深刻です。放置されたボールマークは、へこんだ部分の芝の根が潰れて枯れてしまいます。完全に回復するまで2〜3週間かかり、その間はパッティングの妨げになります。一方、正しく修復されたボールマークは24時間でほぼ元通りになるのですから、修復の重要性がわかりますね。

ゴルフ競技審判
グリーンキーパー(コース管理者)の立場からも、未修復のボールマークは大きな問題です。一日の営業で数百個のボールマークが発生するコースもあり、すべてをスタッフが修復するのは現実的ではありません。ゴルファー一人ひとりが自分のボールマークを修復する意識を持つことが、コースの品質維持に直結します。

専門ライター
グリーンフィーを払っている以上、良い状態のグリーンでプレーしたいのは全ゴルファーの共通の願いですよね。自分が修復することで、後続のプレーヤーや翌日のプレーヤーにも良いコンディションを提供できるというのは、ゴルフならではの素晴らしい精神だと思います。
よくある質問
ボールマークが治らない場合はどうすればいい?
修復後もボールマークが完全に平らにならない場合は、その場所が既に傷んでいた可能性があります。グリーンキーパーに報告することが最善です。ただし、修復を何度も繰り返すと芝を傷めるので、最初の修復で平らにならなければ、軽く1回のタッチで十分です。また、修復の翌日には自然に沈み込んで目立たなくなることがほとんどです。
他のプレーヤーのボールマークを勝手に修復してもいい?
ルール的には問題ありませんが、マナーの面では一声かけてから修復することをお勧めします。特に競技ゴルフでは、自分のボールマークは自分で修復するのが原則です。アマチュアの場合でも、「このマーク直しましょうか?」と声をかけてから修復すると、同伴者に好印象を与えられます。
グリーンフォークを忘れた場合はどうする?
緊急時はティーペッグやマーカーの端を使う方法がありますが、推奨されません。グリーンフォークは軽く安価なので、ゴルフバッグに常に携帯することが最善です。複数個の購入を検討し、バッグ、キャディバッグ、ポケットに分散させておくと、紛失時のリスクを軽減できます。
深いボールマークの正しい修復方法は?
深いボールマーク(1cm以上)でも基本的な手順は同じです。ただし、より多くの箇所(6〜8箇所)からフォークを刺して、慎重に押し込む必要があります。無理に一度で平らにしようとせず、2〜3回に分けて少しずつ修復するのがコツです。完全に平らにならなくても、最初の修復で土台ができれば、翌日には自然に沈み込みます。
まとめ:グリーン上のディボット跡修復のポイント

ゴルフレッスンプロ
最後にまとめましょう。グリーン上のボールマーク修復は、ゴルファーとして最も基本的なマナーの一つです。正しい方法で修復すれば24時間で回復しますが、間違った方法や放置すると2〜3週間もかかります。グリーンフォークは常に携帯し、「自分のマーク+見つけたマーク」を修復する習慣をつけましょう。2019年のルール改正でスパイクマークの修復も可能になりましたので、パッティングライン上の損傷は積極的に修復してください。

ゴルフ競技審判
ルールの観点からは、グリーン上のほぼすべての損傷を修復できるようになったことは大きな進歩です。ただし「過度な修復」には注意が必要です。あくまで「元に戻す」ことが目的であり、自分に有利になるように芝を操作するのは規則違反です。正しいマナーとルールの理解で、快適なゴルフを楽しんでいただきたいと思います。
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