ウェッジのバウンス角は、クラブの性能と使いやすさを大きく左右する重要な要素です。本記事では、バウンス角の基本から選び方、実際の使い分け方まで、初心者から上級者まで役立つ完全ガイドを提供します。自分のスイングタイプや利用するコース環境に合わせた最適なバウンス角を選ぶことで、スコアアップにつながる確実なショットが実現できます。ハイバウンスとローバウンスの違いを理解し、各ウェッジの役割分担を明確にすることが、短いゲームの精度向上の鍵となるのです。
ウェッジのバウンス角とは何か
バウンス角は、ウェッジの底面(ソール)がグラウンドに接する角度を示す数値です。具体的には、ソールの最低点がグラウンドに対して何度の角度で接地するか、これをバウンス角と呼びます。
バウンス角は通常、4度から16度の範囲で設定されており、この数値が大きいほど「ハイバウンス」、小さいほど「ローバウンス」と分類されます。例えば、ピッチングウェッジ(PW)が45度前後のロフト角を持つ場合、そのバウンス角は通常6~8度程度です。一方、サンドウェッジ(SW)は56度前後のロフト角に対して、8~14度のバウンス角を持つことが一般的です。
バウンス角が存在する理由は、クラブヘッドがグラウンドに接触する際、ソール全体が地面に接することで、リーディングエッジ(前縁)がグラウンドに刺さるのを防ぐためです。バウンスがなければ、クラブが地面に刺さりやすくなり、ダフリやダックフックなどのミスショットが増加します。
ハイバウンスとローバウンスの違い
ハイバウンスの特性と利点
ハイバウンス(10度以上)は、ソール全体がグラウンドに広く接触するため、様々な状況で安定したショットが可能です。
ハイバウンスの主な利点は以下の通りです:
- ダフリに強い:クラブが地面に接する際、ソール全体で支えられるため、若干のダフリミスを許容できます。初心者や中級者にとって非常に重要な性質です。
- 軟らかいライでの安定性:芝が厚いラフやフェアウェイでも、ソール全体が滑りやすいため、ボールの下をすくい上げるようなショットが容易です。
- バンカーでの使いやすさ:砂が柔らかいバンカーでは、ソール全体が砂に接することで、エクスプロージョンショットが実行しやすくなります。
- 心理的安定性:ソール全体が大きく見えるため、視覚的に安心感が生まれやすいです。
ハイバウンスは、米国PGAツアーの多くの選手によって選択されています。特にタイガー・ウッズやローリー・マキロイなどの一流選手も、一般的には10~12度程度のハイバウンスウェッジを使用していることが知られています。
ローバウンスの特性と利点
ローバウンス(6度以下)は、リーディングエッジが地面に近い位置に設定されているため、より精密なショットコントロールが可能です。
ローバウンスの主な利点は以下の通りです:
- 精密なアプローチショット:リーディングエッジが鋭いため、厚めの芝からでもボールを正確にコンタクトできます。
- 硬いライでの適応性:カチカチに硬い地面や、短く刈られたフェアウェイでは、ローバウンスが活躍します。リーディングエッジが地面に接しやすく、安定したストライクが可能です。
- より低い軌道のボール:バウンス角が小さいため、ロフト角に対してより直接的にボールに作用し、低めの軌道でボールを操作できます。
- マルチアングルの使用:リーディングエッジを有効に使い、様々なライから多くのショットパターンを実行できます。
ローバウンスは、より技術的なプレイヤーに好まれる傾向があります。テクニカルショットを多用するショートゲーム専門家や、ツアープロの中でも、よりクリエイティブなプレイを目指す選手が採用することが多いです。
ハイバウンスとローバウンスの選択基準
| 要素 | ハイバウンス(10度以上) | ローバウンス(6度以下) |
|---|---|---|
| スキルレベル | 初級~中級向け | 中級~上級向け |
| ダフリへの耐性 | 高い | 低い |
| 軟らかいライでの使いやすさ | 優れている | 難しい場合がある |
| 硬いライでの適応性 | やや劣る | 優れている |
| ショットの精密さ | 中程度 | 高い |
| バンカーでの使いやすさ | 高い(特に軟らかい砂) | 中程度(テクニック要求) |
| 推奨ハンディキャップ | 18以上 | 10以下 |
バウンス角選びの具体的なポイント
自分のスイングタイプの把握
バウンス角選びの第一歩は、自分のスイングタイプを正確に理解することです。
シャローアングルのスイング:このタイプのスイングは、ダウンスイングでクラブが比較的浅い角度で地面に接近します。このスイングタイプの人は、バウンス角が小さいと、リーディングエッジが地面に刺さりやすくなり、ダフリやチャックリのリスクが高まります。したがって、8~12度のミッドバウンスからハイバウンス寄りの設定が適切です。
スティープアングルのスイング:ダウンスイングでクラブが急峻な角度で地面に接近するスイングです。このタイプの人は、クラブヘッドが地面に深く刺さる傾向があるため、バウンス角が大きめ(12度以上)のハイバウンスが有効です。
ニュートラルなスイング:スイング軌道が最適に保たれている場合、6~10度程度のミッドレンジのバウンス角が万能です。このバランスの取れた設定により、様々なライから安定したショットが可能になります。
利用するゴルフコースの特性
ゴルフコースの環境はバウンス角選びに大きな影響を与えます。
湿度が高く、軟らかいコース:日本のほとんどのゴルフコースは、降雨後に地面が軟らかくなります。このような環境では、ハイバウンス(10~14度)を選択することで、ソール全体がグラウンドに滑りやすく接触し、安定したアプローチが実現できます。
乾燥していて硬いコース:アメリカの西部やオーストラリアなど、降雨が少なく地面が硬いコースでは、ローバウンス(4~7度)が活躍します。リーディングエッジが鋭いため、硬い地面との相性が良好です。
海岸線近くのコース:塩分を含んだ空気の影響で地面が硬化しやすい海岸近くのコースでは、ローバウンスが適しています。
ラフが長めのコース:芝が厚いラフが多いコース設計では、ハイバウンスのウェッジが活躍します。ソール全体が芝の上に滑りやすいため、ラフからのショットが容易になります。
ハンディキャップと技術レベル
ゴルフのハンディキャップは、選手の技術レベルと経験値を示す指標として機能します。
ハンディキャップ20以上(初級者):このレベルのプレイヤーは、ショットの一貫性がまだ発展途上です。ハイバウンス(12~16度)を選択することで、ダフリなどのミスショットを軽減し、ショートゲームの成功率向上につながります。
ハンディキャップ10~20(中級者):ある程度のスイング安定性を持つこのレベルは、ミッドレンジのバウンス角(8~11度)が最適です。様々なライに対応でき、スコアメイクの幅が広がります。
ハンディキャップ10以下(上級者):このレベルのプレイヤーは、高度なテクニックを習得しています。ローバウンス(4~8度)でも安定したショットが実行でき、より精密なショットコントロールが可能になります。
シングルハンディキャップ者・プロ:このレベルでは、複数のバウンス角を使い分けることで、あらゆる状況に対応します。例えば、52度は6度、56度は14度というように、同じロフト角帯でもバウンス角を変えて、複数本を所持することが珍しくありません。
各ウェッジの最適なバウンス角設定
ピッチングウェッジ(PW)のバウンス角
ピッチングウェッジは、ロフト角が45度前後で、100ヤード前後の距離を打つことが多いクラブです。バウンス角の標準的な範囲は6~8度です。
フルスイングでの使用が多い場合:6~7度のローバウンス寄りが適しています。地面の硬さに対応でき、より正確なストライクが可能になります。
短いアプローチショットでも多用する場合:7~9度のミッドレンジが最適です。様々なライから安定したアプローチが実行できます。
軟らかいコースでのプレイが多い場合:8度以上のハイバウンス寄りを選択し、軟らかい地面での安定性を確保します。
ギャップウェッジ(GW)のバウンス角
ギャップウェッジはロフト角が50度前後で、70~80ヤード程度の距離を主に打つクラブです。バウンス角の標準範囲は7~10度です。
ギャップウェッジは、ピッチングウェッジとサンドウェッジの中間的な役割を担うため、バウンス角も中間的な設定が一般的です。
全ラウンド汎用型を求める場合:8~9度のミッドレンジが最適です。フルスイングからハーフスイング、アプローチまで様々なシーンで活躍します。
特定の距離特化型を求める場合:セットの構成によって調整します。例えば、ピッチングウェッジが6度ならギャップウェッジは10度、ピッチングウェッジが8度ならギャップウェッジは9度というように、バランスを取ります。
ロブウェッジ(LW)のバウンス角
ロブウェッジはロフト角が60度以上で、30~50ヤード前後の距離を打つ、非常に高い軌道のショットに特化したクラブです。バウンス角の標準範囲は6~12度と幅広いのが特徴です。
ロブウェッジは使用目的が限定的(高いロブショット、グリーン周りの短いアプローチ)であるため、バウンス角の選択も目的指向的になります。
高いロブショットを多用する場合:6~8度のローバウンスが適しています。リーディングエッジが鋭く、ボールの下を正確にコンタクトでき、高い軌道と柔らかいタッチが実現します。
グリーン周りの困難なライからのショットを多用する場合:10~12度のハイバウンスが活躍します。厚めの芝やバンカー、ザクザクとしたラフなど、様々なライから確実にボールを脱出させられます。
サンドウェッジ(SW)のバウンス角
サンドウェッジはロフト角が56度前後で、バンカー脱出と短いアプローチに特化したクラブです。バウンス角の標準範囲は8~14度と非常に幅広いです。
バンカーショットが主目的の場合:12~14度のハイバウンスが最適です。軟らかい砂の中で、ソール全体が滑りやすく接触し、エクスプロージョンショットが容易になります。特に日本の多くのゴルフコースは、きめ細かい砂が使用されているため、ハイバウンスの恩恵が大きいです。
フェアウェイからのフルショットも多用する場合:10~11度のミッドレンジが適しています。バンカーでの安定性とフェアウェイでの汎用性が両立します。
硬いコースで精密性を重視する場合:8~9度のローバウンス寄りを選択し、様々なライからの精密なショットコントロールを実現します。
| クラブ | ロフト角 | 推奨バウンス角 | 用途 |
|---|---|---|---|
| ピッチングウェッジ(PW) | 45度前後 | 6~8度 | フルショット&短いアプローチ |
| ギャップウェッジ(GW) | 50度前後 | 7~10度 | 中距離アプローチ&フルショット |
| サンドウェッジ(SW) | 56度前後 | 8~14度 | バンカー脱出&短いアプローチ |
| ロブウェッジ(LW) | 60度以上 | 6~12度 | 高いロブショット&グリーン周りのアプローチ |
バウンス角と実践的な使い分け方法
バウンス角による距離感の調整
同じロフト角のウェッジでも、バウンス角の違いによって、飛距離や軌道が微妙に変わります。このことを理解して活用することで、ショートゲームの精度が飛躍的に向上します。
ハイバウンスでの飛距離:ハイバウンスウェッジは、ソール全体が地面に接することで、クラブフェースとボールのコンタクトが若干遅れぎみになる傾向があります。その結果、同じスイングでもボールが若干短めに飛ぶ傾向があります。例えば、56度のハイバウンスサンドウェッジでフルスイングした場合、飛距離は約85~95ヤードが目安です。
ローバウンスでの飛距離:ローバウンスウェッジは、リーディングエッジが鋭いため、より直接的にボールに作用します。その結果、同じスイングでも、ハイバウンスと比べて飛距離が5~10ヤード長くなる傾向があります。
この特性を理解することで、ラウンド中の距離選択に活用できます。例えば、グリーンまであと85ヤードで、強い風が順風の場合、ローバウンスの56度サンドウェッジでハーフスイングするより、ハイバウンスの56度でフルスイング気味にする方が、より確実なスイング感覚で距離を合わせられます。
ライの状況に応じたバウンス角の選択
実際のゴルフコースでは、ボールが様々なライに置かれます。バウンス角の特性を理解することで、各ライに最適なクラブ選択が可能になります。
ラフからのショット:芝が長く厚いラフからのショットでは、クラブヘッドが芝に絡みやすくなります。この場合、ハイバウンス(12度以上)が活躍します。ソール全体が芝の上を滑りやすく、ボールを確実にコンタクトできます。特に、フェアウェイラフで次のショットを寄せたい場合、ハイバウンスウェッジのハーフスイングが非常に有効です。
バンカーからのショット:バンカーの砂の質によって、最適なバウンス角が変わります。日本の一般的なゴルフコースで使用されている、きめ細かく湿った砂のバンカーでは、ハイバウンス(12~14度)が最適です。一方、ドライで粗い砂のバンカー(アメリカの砂漠地帯のコースなど)では、ローバウンス(8~10度)が機能します。
固く短いフェアウェイからのショット:フェアウェイがカチカチに硬く刈られている場合、ローバウンス(6~8度)が活躍します。リーディングエッジが地面に接しやすく、安定したストライクが可能です。
軟らかいフェアウェイからのショット:降雨後など、フェアウェイが軟らかい場合、ハイバウンス(10度以上)が活躍します。ソール全体が地面に滑りやすく接触し、ダフリのリスクが軽減されます。
ベアグラウンド(地が出ている状態)からのショット:冬場に地が出ている場合、ローバウンスが活躍します。リーディングエッジが鋭く、正確にボールをコンタクトできます。
風と湿度によるバウンス角の活用
天候要因もバウンス角選択に影響します。
強い順風の場合:順風が強い場合、ボールの浮遊時間を短縮したいシーンが多くなります。この場合、ハイバウンスウェッジを選択することで、若干低い軌道でボールが飛び出すため、風の影響を最小限に抑えられます。
強い逆風の場合:逆風が強い場合、より高い軌道でボールを打つ必要があります。ローバウンスウェッジを選択し、ロフト角を最大限に活用することで、より高い軌道でボールを打ち出せます。
湿度が高い場合:降雨後や早朝など湿度が高い場合、地面が柔らかくなります。このような環境ではハイバウンスが活躍し、安定したショットが実行できます。
湿度が低い場合:乾燥した環境では、地面が硬くなります。ローバウンスが機能し、より正確なストライクが可能になります。
バウンス角選びの実践手順
自分に最適なバウンス角を見つけるプロセスを、段階的に解説します。
ステップ1:現在のウェッジをチェック
自分が現在使用しているウェッジのバウンス角を確認しましょう。クラブのソール部分に、通常、バウンス角が刻印されています。例えば「56-12」と記載されていれば、56度のロフト角に12度のバウンス角という意味です。
刻印が見つからない場合は、クラブのメーカーの公式ウェブサイトで、モデル名からスペック情報を検索できます。このステップにより、自分の使用経験があるバウンス角が確認でき、基準点となります。
ステップ2:スイングタイプの分析
自分のスイングがシャロー気味か、スティープ気味か、ニュートラルかを理解することが重要です。
以下の方法で分析できます:
- ビデオ撮影による分析:スマートフォンで自分のスイングを横からビデオ撮影し、ダウンスイング時のクラブの角度を確認します。水平に対して、クラブシャフトが45度以下ならシャロー気味、50度以上ならスティープ気味です。
- ダイボット(芝のえぐられた箇所)の形状確認:ラウンド中に自分が打った箇所を観察します。ダイボットが浅く広めならシャロー気味、深く狭めならスティープ気味です。
- プロの診断:ゴルフレッスンプロやゴルフショップの専門家に、スイング撮影による分析を依頼するのが最も正確です。多くのゴルフショップでは無料でこのサービスを提供しています。
ステップ3:試打による比較検証
バウンス角の異なる複数のウェッジで試打を行い、実際の使用感を比較することが重要です。
ゴルフショップでのバウンス角別試打の手順:
- 現在使用しているウェッジと同じロフト角で、バウンス角が異なる複数のモデルを用意します。例えば、56度のウェッジなら、8度、10度、12度、14度のモデルを用意します。
- ショップの練習エリアで、各モデル最低10球程度打ちます。
- 以下の点を評価します:
- ダフリやトップのミスの出易さ
- ボールの飛距離のばらつき
- 打感(心理的な安心感)
- 様々なライでの安定性(可能であれば、バンカーやラフも試す)
- 評価結果を記録し、比較分析します。
ステップ4:自分のコース環境の確認
ラウンドを重ねるホームコースの環境特性を確認します。
- 土壌の質(粘土質か砂質か)
- 降雨後の乾きやすさ
- バンカーの砂の質と硬さ
- ラフの長さと密度
- 季節による地面の変化
これらの情報をもとに、ホームコースに最適なバウンス角を決定します。
ステップ5:セット構成の最適化
ウェッジセット全体のバウンス角構成を決定します。多くのプレイヤーは、3本~4本のウェッジを使用します。
3本ウェッジセットの例(初心者~中級者向け):
- ピッチングウェッジ:8度(ロフト45度)
- サンドウェッジ:12度(ロフト56度)
- ロブウェッジ:8度(ロフト60度)
4本ウェッジセットの例(中級者~上級者向け):
- ピッチングウェッジ:7度(ロフト45度)
- ギャップウェッジ:9度(ロフト50度)
- サンドウェッジ:12度(ロフト56度)
- ロブウェッジ:8度(ロフト60度)
各ウェッジのバウンス角を決定する際は、距離感が重複しないよう、かつ様々なライに対応できるバランスを取ることが重要です。
バウンス角選びの失敗例と対策
バウンス角が高すぎる場合の問題
ハイバウンス(14度以上)を選択した場合、以下の問題が発生する可能性があります。
ダウンスイングでの引っかかり:バウンス角が高すぎると、ダウンスイング時にソール全体が地面に接しやすくなり、スイング軌道によっては、クラブヘッドが地面に引っかかる感覚を感じることがあります。これにより、スイングテンポが乱れやすくなります。
飛距離の低下:極端なハイバウンスは、ボールとのコンタクトが遅れぎみになり、飛距離が著しく低下することがあります。
硬いライでの違和感:硬いフェアウェイやバンカーなど、ソール全体が地面に接しにくいライでは、クラブが不安定になりやすいです。
対策:このような問題が生じた場合、バウンス角を1~2度下げることで解決することが多いです。例えば、14度で問題が生じていれば、12度に変更することで、多くの場合、問題が解決します。
バウンス角が低すぎる場合の問題
ローバウンス(4度以下)を選択した場合、以下の問題が発生する可能性があります。
ダフリリスクの増加:バウンス角が低いと、リーディングエッジが鋭いため、ダウンスイングでわずかな誤差があるだけで、リーディングエッジが地面に刺さり、ダフリが発生しやすくなります。
軟らかいライでの不安定性:ラフやバンカーなど、軟らかいライでは、リーディングエッジが地面に刺さりやすく、ショットが不安定になります。
心理的な不安感:ローバウンスのソールは見た目が華奢に見えるため、心理的に不安感を感じやすく、スイングに悪影響を与える可能性があります。
対策:バウンス角を1~2度上げることで、安定性が向上します。特に、自分のスイングタイプがシャロー気味の場合、ローバウンスは選択肢から外し、ミッドレンジ以上を選択することが重要です。
セット構成のバランスの失敗
複数のウェッジを使用する際、バウンス角のバランスが悪いと、距離感に大きな隙間が生じることがあります。
例:失敗例
- ピッチングウェッジ:6度(ロフト45度)→フルショット:100ヤード
- サンドウェッジ:14度(ロフト56度)→フルショット:85ヤード
この組み合わせの場合、85~100ヤードの距離で対応するクラブが存在せず、スイング調整(フルスイングではなくハーフスイングにするなど)を余儀なくされます。
対策:セット構成の際は、各ウェッジのフルショット飛距離が、5~10ヤードずつ短くなるよう調整します。前の例なら、ギャップウェッジ(ロフト50度、バウンス角8度)をセットに加え、以下のように構成することで、距離感がスムーズになります。
- ピッチングウェッジ:7度(ロフト45度)→100ヤード
- ギャップウェッジ:8度(ロフト50度)→92ヤード
- サンドウェッジ:12度(ロフト56度)→85ヤード
バウンス角に関する最新情報とトレンド
プロツアーでの流行
PGAツアーの一流プレイヤーたちは、近年、複数のバウンス角を使い分けるトレンドが強まっています。
例えば、ジョン・ラームは以下のウェッジセットを使用しています(2023年現在):
- 48度:3度(ロフト48度、バウンス角3度)
- 52度:7度(ロフト52度、バウンス角7度)
- 56度:14度(ロフト56度、バウンス角14度)
- 62度:6度(ロフト62度、バウンス角6度)
このセット構成により、ラームは、あらゆるライと距離からの精密なショットを実行できます。同じロフト角でもバウンス角を変えることで、より多くのショットオプションを持つ戦略的なアプローチが、トッププロ間では一般的になっています。
クラブメーカーのイノベーション
近年、クラブメーカーは、バウンス角の可変機構を導入したウェッジを発売しています。
例:クロウフット・テクノロジー:一部のウェッジは、ソール部分にクロウフット形状を採用し、複数のバウンス角を同時に備える設計になっています。これにより、単一のクラブで異なるバウンス特性を発揮できるようになりました。
例:調整可能なウェッジ:一部の高級ウェッジは、ホーゼル部分に調整機構を持ち、バウンス角を1~2度の範囲で調整できる機能を備えています。これにより、購入後、自分の環境に合わせて最適なバウンス角に調整することが可能です。
よくある質問
バウンス角8度と12度では、実際に何が違うのでしょうか?
バウンス角8度と12度の差は、4度の角度差です。この4度の差により、実際のショットでは、複数の違いが生じます。
まず、ダフリに対する許容度が大きく異なります。12度のハイバウンスは、ダウンスイングでわずかにダフってしまった場合でも、ソール全体が地面に滑りやすく接触するため、ショットが成功することが多いです。一方、8度のミッドレンジは、ダフりに対する許容度が低く、わずかなダフりでも、リーディングエッジが地面に刺さる可能性が高まります。
次に、軟らかいライでの安定性が異なります。ラフやバンカーなど、軟らかいライでは、12度のハイバウンスが大きなアドバンテージを持ちます。ソール全体が芝や砂に滑りやすく接触し、ボールを確実にコンタクトできます。8度では、このアドバンテージが限定的です。
さらに、硬いライでの対応性も異なります。硬いフェアウェイやベアグラウンドでは、8度がより活躍します。リーディングエッジが鋭いため、硬い地面との相性が良好です。
実際の飛距離も若干異なり、8度の方が5~8ヤード程度、より遠く飛ぶ傾向があります。これは、ソール全体が地面に接する時間が短いため、クラブとボールのコンタクトがより直接的になるためです。
初心者がハイバウンスウェッジを使うと、技術が向上しにくいという話は本当でしょうか?
これは部分的に真実ですが、完全には正確ではありません。
ハイバウンスウェッジの利点は、ダフリなどのミスに強いことです。このため、初心者は、テクニック的に完璧なスイングを習得する前でも、ある程度のショットを成功させることができます。短期的には、スコアが改善しやすいです。
しかし、この「許容性の高さ」が、長期的には技術向上を阻害する可能性があります。なぜなら、ダフりによる失敗が少なくなるため、正確なスイング軌道の習得が遅れる傾向があるからです。
推奨されるアプローチは、以下の通りです:初心者は、ハイバウンス(10~12度)のウェッジを使用してスコアを伸ばし、ある程度の技術レベルに達した後(ハンディキャップ15以下程度)、バウンス角を徐々に下げながら、より精密なテクニックを習得するという段階的なアプローチです。このアプローチにより、初心者でもスコアアップを実現しながら、同時に技術向上も促進できます。
バウンス角は、パターやアイアンにも存在するのでしょうか?
理論的には、すべてのクラブに「バウンス」という概念が存在します。しかし、パターとアイアンでは、バウンス角の重要性がウェッジと大きく異なります。
パターの場合、バウンス角の概念はほぼ無視されます。なぜなら、パターのストロークは、グリーン上での短い距離で、かつ地面とのコンタクトが最小限であるため、バウンス角が実際のパフォーマンスに大きな影響を与えないからです。
アイアンの場合、バウンス角はウェッジほど明示的には表示されることはありませんが、設計上、存在します。アイアンのバウンス角は、通常、4~8度程度の範囲で設定されており、ウェッジほど大きな役割は果たしません。アイアンは、ウェッジよりも距離を打つことが主目的であり、精密なバウンス角調整よりも、飛距離と弾道の一貫性が優先されるためです。
中古のウェッジを購入する際、バウンス角の情報がない場合はどうすればよいでしょうか?
中古のウェッジを購入する際、バウンス角の情報が提供されていない場合があります。このような場合の対処法をいくつかご紹介します。
まず、メーカーの公式ウェブサイトを確認することが有効です。クラブのモデル名、製造年度、ロフト角がわかれば、ほとんどの場合、メーカーのスペック情報から、バウンス角を特定できます。
次に、ゴルフショップに問い合わせる方法があります。専門のショップなら、クラブの外観や重量、センターオブグラビティの位置などから、バウンス角を推測することができます。無料で診断してくれるショップが多いです。
さらに、クラブ計測機器を備えたゴルフスタジオに持ち込む方法もあります。スイングバイオメカニクス分析などを行う施設では、クラブの詳細なスペック測定も可能です。測定費用は、通常500~2,000円程度です。
最後の手段として、試打して判断する方法があります。バウンス角が高いウェッジは、柔らかい芝での滑りやすさが顕著です。逆に低いウェッジは、硬い地面での引っかかりが少ないです。ラウンド前に何度か試打することで、バウンス角をある程度推測することができます。
