知られざるゴルフ用語「ろ」
試合の決まり事の中には、「ろ」と呼ばれるあまり耳にしない言葉があります。これは「15センチ置き直し」という意味で、特別な場合に認められる救済方法の一つです。
ボールが動かせない障害物や、通常とは異なる地面の状態、ボールが地面にめり込んだ状態など、本来のスイングを邪魔する状況になった時、罰なしでボールを動かすことができます。この時、「ろ」の範囲内でボールを拾い上げ、汚れを拭き取って、元の場所から15センチ以内で、カップに近づかない場所に置き直すことが認められています。
この15センチは、元のボールがあった場所から測り、その範囲はボールを拾い上げた場所を中心とした半径15センチの円になります。拾い上げたボールは拭いてきれいにしても構いません。ただし、芝を刈ったり、地面を平らにしたりすることはできません。
この救済方法は、正々堂々とした試合を行うために、思いがけない出来事で不利にならないようにするためのものです。例えば、ボールが木の根元に止まってしまい、まともに打てないといった場合に利用できます。また、大雨の後などでボールが地面にめり込んでしまった場合にも適用されます。
一見、小さな決まり事のように思えますが、試合の公平さを保つ上で大切な役割を果たしています。競技ゴルファーはもちろん、週末に仲間と楽しむゴルファーも、このルールを正しく理解しておくことで、スムーズなプレーとフェアな競争を楽しむことができるでしょう。