低く飛ぶ弾道、スティンガー
風の影響を受けにくい低い弾道のショット、通称『スティンガー』は、熟練した技術を要するものの、習得すれば大きな武器となります。風の強い日や、林間コースのような狭い場所で大いに役立つでしょう。一見すると、ただ低いだけの球筋に見えますが、飛距離を抑えつつ、狙った場所へ正確に運ぶには、緻密な技術と入念な練習が必要です。
まず、構え方から見ていきましょう。クラブフェースは、通常よりも少し閉じ気味に構え、ボールの位置は右足寄りにセットします。この時点で、すでに通常のスイングとは異なる準備が必要です。そして、最も重要なのがスイングです。通常よりもコンパクトに、そしてフォローを低く抑えるのが、低い弾道で飛ばすコツです。
コンパクトなスイングとは、具体的に言うと、バックスイングを小さくし、手首の余計な動きを極力抑えることを指します。フォローを低く抑えるには、インパクト後、クラブヘッドを地面すれすれに振り抜くイメージを持つと良いでしょう。これによりバックスピン量が減少し、まるで糸を引くように低い弾道が生まれるのです。
スティンガーは、風の抵抗を減らすだけでなく、正確な距離のコントロールを可能にするため、戦略の幅を広げます。特に、アゲンストの風や、木々の合間を抜く必要がある場面で、その真価を発揮します。アマチュアゴルファーにとっては、確かに難易度が高いショットではありますが、練習を重ねることで、確実にスコアアップに繋がる強力な武器となるでしょう。焦らず、一つ一つの動作を丁寧に確認しながら、練習に取り組むことが大切です。