番手選びの落とし穴:オーバースペッククラブ
誰しもゴルフではより遠くへ飛ばしたいと願うものです。その結果、自分の実力よりも飛ばせる性能を持つ、いわゆる番手の大きいクラブを選んでしまいがちです。確かに、うまく当たれば気持ちの良い飛距離が出ますが、常にそのような理想的なショットを打てる保証はありません。むしろ、番手の大きいクラブは、様々な弊害をもたらし、スコアを悪化させる可能性が高いのです。
まず、最も大きな問題は、芯で捉える確率、いわゆるミート率が下がることです。クラブが長くなればなるほど、スイング中のヘッドの動きを制御するのが難しくなります。そのため、芯を外した当たりが増え、飛距離が安定しなくなります。芯を外すと、ボールに十分な力が伝わらず、思ったよりも飛ばないばかりか、左右に大きく曲がるミスショットにも繋がります。
次に、スイングのリズムが崩れることも大きな問題です。飛ばそうという意識が強くなり、無意識に力んでスイングしてしまいがちです。すると、クラブ本来の性能を引き出すことができず、かえって飛距離が落ちたり、方向性が乱れたりします。また、力んだスイングは体の軸を安定させることを難しくし、ショット全体の精度を低下させます。
さらに、番手の大きいクラブは、一般的に重く、硬く作られています。そのため、非力な人が扱うと、スイングスピードが落ちてしまい、飛距離が出ないばかりか、手首や肘を痛める可能性も出てきます。適切な番手を選ぶことは、飛距離だけでなく、体の健康を守る上でも大切です。
自分に合った番手のクラブを使うことは、安定したショットを生み出し、ひいてはスコアメイクに繋がります。焦らず、自分の実力に合ったクラブを選び、ゴルフ本来の楽しさを味わうことが、上達への近道と言えるでしょう。