アリソンバンカー

アリソンバンカーとは、ゴルフコースにおいて特に難所として知られる砂地の落とし穴です。その名前は、２０世紀初頭に活躍したスコットランド出身のゴルフコース設計家、アリソン氏に由来します。彼は、全英オープンで有名なカーヌスティゴルフリンクスをはじめ、数々の名門コースを手掛けました。アリソン氏の設計思想は、戦略性を重視したところにあります。そのため、フェアウェイやグリーンのすぐ近くに、深く急な傾斜を持つバンカーを配置することで、ゴルファーにプレッシャーを与え、コースマネジメントの重要性を際立たせました。これが、今日「アリソンバンカー」と呼ばれるようになった所以です。 アリソンバンカーの特徴は、深い砂と急な傾斜です。一度ボールが捕まってしまうと、脱出に苦労することは必至です。深い砂からは、ボールを高く上げるのが難しく、傾斜が急なため、脱出するにも大きな力が必要です。そのため、グリーンを狙うはずが、大たたきになってしまうことも珍しくありません。アリソンバンカーは、ゴルファーの技術と精神力を試す難関と言えるでしょう。 アリソンバンカーのもう一つの特徴は、その巧妙な配置にあります。ただ深いだけでなく、グリーンを狙う際の心理的なプレッシャーを高めるように配置されています。安全なルートを選ぼうとすればするほど、アリソンバンカーの罠にはまりやすくなるように設計されているのです。そのため、アリソンバンカーを攻略するには、事前のコースマネジメントが欠かせません。バンカーの位置と深さ、グリーンまでの距離、風向きなどを考慮し、どの程度の危険を冒すか、どのような戦略で攻めるかを綿密に計画する必要があります。さらに、状況に適したクラブ選びも重要です。アリソンバンカーは、ゴルファーにとって大きな試練ですが、同時にゴルフの面白さを味わえる場所でもあります。攻略できた時の達成感は、何ものにも代えがたいでしょう。まさに、挑戦しがいのある、戦略的なバンカーと言えるでしょう。