要約
本レッスンでは、ゴルフの低スピンピッチショットの打ち方を指導します。講師のアンドリュー・ライスが、ジェームズ・ウィリスに対し、適切なロフトの調整やスイングの方向を工夫することで、理想的な打球軌道とスピン量を実現する方法を説明します。具体的なデータとともに、ボールの打ち出し角度やスピン軸の調整方法についても詳しく解説しています。
本編
基本のショット計測
こんにちは、アンドリュー・ライスです。ここはバークレーホールのショートゲーム施設です。今日は私の生徒であるジェームズ・ウィリスと一緒に、低スピンのピッチショットを打てるようにトレーニングします。
ジェームズ、さっそく何球か打ってみましょう。まずは基準となるデータを取ります。ここでは約53ヤードのショットを想定し、50ヤードほどキャリーさせるのが目標です。
ショットの分析
ジェームズ、こっちへ来て一緒に確認してみましょう。今のショットは非常に良かったですね。実際にピンに当たるほどの素晴らしいショットでした。
トッププレイヤーのピッチショットを分析すると、トラックマン(TrackMan)でのデータを見る限り、ほとんどディボットを取らず、低い弾道でしっかりとスピンをかけていることがわかります。
短いショットの場合、トラックマンはクラブデータを必ずしも正確に測定できるわけではありません。ですが、ジェームズのショットを見ると、クラブが地面と強く接触しているのがわかります。これを少し浅くしていきましょう。
ダイナミックロフトを見てみると、46.4度になっています。つまり、60度のウェッジを使っていても、インパクト時には46.4度までロフトが減少しているということです。
理想のショット条件
・打ち出し角: 37.2度 ・スピン量: 約5000回転 ・キャリー距離: 54.6ヤード ・スピン軸: プラス方向(右に曲がるフェード傾向)
このスピン軸を改善することで、より安定したショットが打てるようになります。
改善点と調整
理想的なピッチショットを打つためには、以下の調整が必要です。
- クラブと地面の接触を減らし、浅い入射角にする
- ダイナミックロフトを40度程度に抑える
- 打ち出し角を30度未満にする
- スピン量を6000回転以上に増やす
- スピン軸をやや左傾させる(ドロー傾向にする)
クラブ変更による調整
一つの簡単な解決策として、クラブを変更する方法があります。60度のウェッジではなく、56度のウェッジを試してみましょう。
56度にすることで、スピン軸が自然と改善され、より適切な軌道が得られます。実際に試してみると、
- ダイナミックロフト: 41.2度(理想に近い)
- 打ち出し角: 27.2度(30度以下に抑えられた)
- スピン量: 大幅に増加
- ボールの軌道: 安定したドロー傾向
スイングの意識改革
スイングの方向を意識することも重要です。フェードではなくドローを打つ感覚を身につけるために、クラブヘッドを外側(右方向)に振り抜くイメージを持ちましょう。
例えば、卓球やテニスのフォアハンドトップスピンを打つような感覚で、スイングしてみてください。さらに、クラブを地面に置き、それを引きずるようにスイングすることで、浅い入射角を体感できます。
まとめ
今回のレッスンで目指すポイントは以下の通りです。
- クラブの選択: 60度ではなく56度を使用
- スイングの方向: フェードではなくドローを意識
- スイングの角度: 浅い入射角を維持
- 打ち出し角: 30度未満
- スピン量: 6000回転以上
実際に試してみると、ボールが狙い通りの低い弾道で安定したスピンを生み出し、見事にピンに当たりました。これこそが求めていた理想のショットです。
この調整を意識しながら、さらなる安定したショットを目指して練習を続けましょう!