交通利便性の落とし穴(12.07.31)

青春18きっぷ11,500円。「JR全線普通列車に限り乗り放題」になる一日券が5枚つづりで、春、夏、冬の学校の長期休暇にあわせて発売。

時間にゆとりある学生が長期休みを利用し、鉄道を利用してきままな旅を楽しんでもらう趣旨で企画された。寝台列車や在来線の優等列車の廃止が相次ぐなか、国鉄時代(昭和)の匂いが残る切符。

新幹線全盛時代に逆行したこの青春18きっぷが、旅鉄に支持され、長距離夜行バスやLCCに負けず、いつまでも継続されることを望む。

▼都市圏の鉄道網も、スピード化、乗車利便性の向上が目覚ましい。そのひとつに、複数路線、複数会社の相互乗り入れがある。

JR路線内の相互乗り入れで有名なのは、都心を通り、北関東と神奈川を結ぶ湘南新宿ライン。宇都宮・高崎から大宮、池袋、新宿、渋谷、横浜を経由し、横須賀、小田原までを繋ぐ。

JRでは、悲願とも言われる「東北縦貫線」の工事が進んでいる。開通後は、東海道本線と東北本線、常磐線が繋がり、上野~東京間の混雑緩和、利便性向上が期待される。

▼複数会社の相互乗り入れは、京成電鉄と都営浅草線から始まった。現在、都営浅草線には京成電鉄(芝山鉄道)のほか、北総鉄道(成田スカイアクセス)、京浜急行も乗り入れ、成田空港から、船橋、千葉NTを経由し、都心、羽田空港、横浜、久里浜を繋ぐ。

今、注目を浴びているのが東横線。現在、日比谷線を経由し東武伊勢崎線と乗り入れているが、これを廃止し、今後、副都心線と乗り入れ、東武東上線、西武池袋線(有楽町線)と相互乗り入れを行う。さらに、相鉄線とも乗り入れ予定だ。

▼相互乗り入れ(直通運転)がされることによる直接のメリットは、乗り換え減少による時間短縮、駅の混雑緩和がある。間接的には、通勤時間の短縮による郊外の発展にもつながる。

計画が発表されたときは、バラ色のような効果がイメージされたが、神奈川の運行障害により、群馬、栃木まで影響するという、運転見合わせとダイヤの乱れの恒常化というデメリットが生まれた。

▼勤務地までの所要時間、乗り換えロス、さらに、混み具合から終電時間まで、通勤にともなう交通利便性が、住宅購入をしようとするときの地域選定に占める割合は大きい。

さらに、交通利便性が高い地域は、当然、地価や不動産価格は高いが、値下がりしづらいという特徴も備え、資産性からも選ばれることが多い。

建物の性能や設備のように、利便性を高めれば高めるほど、価格に反映される。利便性が高いことに越したことはないが、返済で生活が苦しくなってしまっては、本末転倒な話である。

ちょっとした工夫、発想の切り替えで、ぐんと割安になる地域選びというものがある。価格と利便性、それぞれの高低を比べ、ベストな地域を選びたい。



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