
長尺パター:メリットとデメリット
長い柄を持つパターのことを、長尺パターと言います。通常のクラブよりも長い柄を持ち、具体的には46インチ(約117センチメートル)を超える長さのものを指します。中には50インチ(約127センチメートル)を超えるものもあり、体格や好みに合わせて選ぶことができます。
長尺パターを使う一番の利点は、パッティングの安定性が増すことです。長い柄によってストロークの軌道を安定させやすくなり、距離感や方向性を一定に保ちやすいため、特に長い距離のパットや、緊張しやすい場面で効果を発揮します。また、腰への負担を軽減できるという利点もあります。通常のクラブでは前かがみの姿勢になりがちですが、長尺パターを用いると、より直立に近い姿勢で構えることができるため、腰痛持ちの方に適していると言えます。
一方で、長尺パターは独特の打ち方を覚える必要があります。長い柄をどのように動かすか、慣れるまでにはある程度の練習が必要です。短いパターに慣れている人は、長尺パター特有のストロークの感覚を掴むまで時間を要するかもしれません。具体的には、手首の動きを固定し、肩を支点とした振り子のようなストロークが基本となります。
長尺パターの歴史は、1980年代後半に始まりました。登場当時は、その斬新な見た目から注目を集め、多くの競技者が使用しました。しかし、その後、2016年に施行された新ルールで、パターを体に固定してストロークすることが禁止され、長尺パターの使用は制限されました。固定することで、さらに安定性を高めることができたため、このルール改正は長尺パターにとって逆風となりました。しかし、現在でも体に固定しない方法で使用することは認められています。近年、再び注目を集めるようになり、様々な改良が加えられたモデルが登場しています。競技志向のプレーヤーから、初心者まで、幅広い層に使用されています。