
かまぼこパター:特徴と利点
かまぼこ型パターは、その名の通り、かまぼこのような半円形の断面を持つ形状が最大の特徴です。この個性的な形状は、昔からある平たい板状のパターとは異なる特性を生み出します。まず、重心の位置がフェース面からやや後方に設計されている場合が多く、このことがパターの挙動に大きな影響を与えます。芯を外して打ってしまった場合でも、ヘッドの回転が抑えられ、狙った方向へ打ち出しやすくなります。これは、特にショートパットで重要です。微妙な距離感や方向のずれがスコアに直結する場面で、この安定性は大きな武器となります。
次に、半円形の形状は、ヘッドの重さを適切に配分することを可能にします。これにより、スイートスポットと呼ばれる、芯に当たった時に最も良い結果が得られる部分が、平たいパターに比べて広くなります。そのため、多少芯を外しても距離感が安定し、思った通りの強さでボールを転がせる可能性が高まります。ロングパットでは距離感が重要になるため、この恩恵は特に大きいです。
さらに、かまぼこ型パターのフェース面には、細かな溝や模様が刻まれているものもあります。これはミーリングや溝加工と呼ばれ、ボールの表面に適切な回転を与え、順回転でスムーズに転がるように工夫されています。芝の影響を受けにくく、狙ったところに正確にボールを届ける助けとなります。
このように、かまぼこ型パターは、方向性と距離感の両方を重視する人にとって、非常に魅力的な選択肢となります。特に、ショートパットの安定性を求める人や、距離感のずれに悩んでいる人にとって、試してみる価値のあるパターと言えるでしょう。