
番手を上げる勇気:オーバークラビングのススメ
競技で良い成績を収めるには、その時の状況に合った最適な道具を選ぶことが大切です。飛距離を出したいあまり、実力よりも短い道具を選んでしまうと、うまく当てられずに飛ばないばかりか、狙った方向にも飛ばなくなってしまいます。そこで、あえて長めの道具を選ぶ方法が有効になる場合があります。これを「オーバークラビング」と言います。オーバークラビングの目的は、ゆったりとした振り方で、狙った方向へ正確に球を飛ばすことです。飛ばそうと力むのではなく、道具の角度を活かして自然な飛び方で球を運ぶことで、飛距離と正確性を両立させることが出来ます。
例えば、150ヤード先の旗を狙う場面を考えてみましょう。普段なら7番の道具を使うところを、あえて6番の道具を選んでみます。こうすることで、7番の道具で全力で振るよりも、6番の道具でゆったりと振る方が、ミート率が上がり、結果的に飛距離が伸びる場合があります。また、スイングが安定するため、方向性も良くなります。さらに、球が上がりやすくなるため、グリーンで球が止まりやすくなるという利点もあります。
ただし、オーバークラビングは万能ではありません。風向きやコースの状況、そして何よりも自分の技術を考慮して行う必要があります。自分の技術レベルを正しく理解し、状況に合わせた適切な道具選びが大切です。練習場で様々な道具を使って、それぞれの飛距離や球筋を把握しておくことが重要です。そして、実際の競技で、オーバークラビングを試してみるかどうかを判断しましょう。状況によっては、無理に飛距離を狙わず、短い道具で確実に刻む方が良い場合もあります。状況判断も競技のうちです。最適な戦略を選び、目標とするスコア達成を目指しましょう。