ゴルフにおける救済:処置とルール
ゴルフ初心者
先生、「り」っていうゴルフの言葉、よく聞くんですけど、どういう意味ですか?
ゴルフ博士
いい質問だね。「り」は「リリーフ」の略で、本来打つべき場所から、罰打を加えて別の場所に打ち直すことを言うんだよ。
ゴルフ初心者
なるほど。例えばどんな時にリリーフするんですか?
ゴルフ博士
例えば、ボールが木に引っかかってしまって打てない時や、池に入ってしまった時などにリリーフすることができるよ。状況によってリリーフの方法はいくつか決まっているんだ。
りとは。
ゴルフで使われる「り」(リリーフ)という言葉について説明します。
救済とは
ゴルフでは、うまく打てない場所にあるボールを、ルールにのっとって別の場所に動かせることを救済といいます。例えば、ボールが舗装された通路の上にあったり、木の根っこが邪魔でクラブを振りにくかったり、水たまりにボールが入ってしまったりした場合に、救済を受けられます。救済を受けると、罰なしで、あるいは決められた罰を加えられることで、もっと打ちやすい場所からプレーを再開できます。
救済には、決められた手順があります。まず、救済を受けられるかどうかを考えなければなりません。次に、どのような手順で救済を受ければよいかを状況に合わせて判断します。そして、その手順に従って正しくボールを動かさなければなりません。間違った救済は罰の対象となるので、注意が必要です。
救済を受けるのは、プレーヤーの権利です。しかし、スポーツマンとして誠実な判断も求められます。救済が必要かどうか、自分自身で正直に判断しなければなりません。ズルをして救済を受けたり、救済が必要ないのに受けたりすることは、スポーツマンシップに反します。
適切な救済を受けることで、思わぬ出来事にも落ち着いて対応し、公平なプレーを続けられます。例えば、深いラフにボールが入ってしまった場合、そこから打つのは難しいでしょう。しかし、救済を受ければ、もっと打ちやすい場所からプレーを再開できます。
また、救済に関するルールは、ゴルフ場の保護にもつながっています。例えば、環境保護区域からの救済は、ゴルフ場の自然を守るために大切なルールです。この区域は、コースの景観を保つため、あるいは動植物を守るために設けられています。むやみにこの区域に立ち入ってプレーすると、環境を壊してしまうかもしれません。そこで、救済によって、プレーヤーはこの区域に入らずにプレーを続けられるのです。このように、救済のルールを正しく理解することは、ゴルフをもっと楽しむ上で、とても重要なことと言えるでしょう。
救済とは | 救済の種類 | 救済の手順 | 救済の目的 |
---|---|---|---|
うまく打てない場所にあるボールを、ルールにのっとって別の場所に動かせること。 |
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例:舗装された通路、木の根、水たまり | ※ 間違った救済は罰の対象 | 例:深いラフからの救済 |
救済の種類
ゴルフのルールにおいて、コース上の困難な状況からボールを移動できる救済という処置は、大きく分けて二つの種類があります。一つは罰打なしの救済、もう一つは罰打ありの救済です。
罰打なしの救済は、プレーヤーの責任ではない状況で認められます。例えば、整備された通路や、地面に固定された人工物、散水用の装置などからの救済が該当します。このような場合、プレーヤーは罰打を加えることなく、決められた方法でボールを移動できます。移動できる範囲は基準点からクラブの長さの範囲内で、かつホールに近づかない場所です。元のボールがあった場所よりもホールに近い場所にドロップすることはできません。地面の状態が悪い場所からの救済も罰打なしですが、この場合は元の場所にできるだけ近い、地面の状態の良い場所にプレースします。いずれの場合も、正しい手順で救済を受けないとペナルティが課されるので注意が必要です。
一方、罰打ありの救済は、プレーヤーの責任が伴う状況で適用されます。例えば、池や川などの水のある区域からの救済や、ボールを見失った場合、コースの外に出た場合などが該当します。このような場合、プレーヤーは一打罰を加えた上で、決められた方法でボールを移動しなければなりません。水のある区域からの救済では、元の場所の反対側の同じ縁からの救済や、二打罰を加えてホールとボールを結んだ線上でホールに近づかない任意の場所にドロップするなどの選択肢があります。ボールを見失った場合や、コースの外に出た場合は、元の場所から打ち直すか、二打罰を加えて所定の位置にドロップする必要があります。状況によって救済の選択肢が複数ある場合は、状況に応じて最も有利な方法を選ぶことが重要です。
いずれの救済の場合も、ルールを正しく理解して適用することが重要です。競技によっては特別なルールが定められている場合もありますので、疑問がある場合は、競技を管理する人に確認することをお勧めします。これにより、不必要な罰打を避けるだけでなく、スムーズなプレー進行にも繋がります。
救済の種類 | 罰打 | 適用状況 | 移動方法・範囲 | 例 |
---|---|---|---|---|
罰打なし | なし | プレーヤーの責任ではない状況 | 基準点からクラブの長さの範囲内で、かつホールに近づかない場所 地面の状態が悪い場合は、元の場所にできるだけ近い、地面の状態の良い場所 |
整備された通路、地面に固定された人工物、散水用の装置、地面の状態が悪い場所 |
罰打あり | 1打または2打 | プレーヤーの責任が伴う状況 | 状況により異なる (元の場所から打ち直し、所定の位置にドロップ、元の場所の反対側の縁、ホールとボールを結んだ線上でホールに近づかない任意の場所など) | 水のある区域、ボールを見失った場合、コースの外に出た場合 |
救済の手順
まず、ゴルフ規則に基づき、救済を受けられる状況なのかを確認することが大切です。自分の状況が本当に救済の対象となるのか、誤解がないようにしましょう。規則書をよく読むか、競技委員に尋ねるのが確実です。
救済が認められると判断したら、次に基準点を定めます。この基準点は、救済の種類によって決め方が変わります。例えば、動かせない障害物から救済を受ける場合は、障害物に最も近づき、かつカップに近づかない地点が基準点となります。水たまりからの救済の場合は、水たまりに入った地点の反対側のコースの縁を基準点とします。いずれの場合も、基準点は正確に定める必要があるので、注意深く確認しましょう。
基準点を決めたら、そこからクラブの長さ1本分もしくは2本分以内(状況によります)で、かつカップに近づかない範囲でリリーフエリアを探します。クラブの長さは、自分が普段使っているクラブの中で一番長いクラブを基準とします。リリーフエリアは、必ずしも基準点からまっすぐ後ろにあるとは限りません。状況に応じて、基準点を中心とした半円状の範囲をよく見て、適切な場所を選びましょう。
リリーフエリアが決まったら、膝の高さからボールを落とします。このとき、ボールを投げるのではなく、自然に落とすことが重要です。もし落としたボールがリリーフエリアからはみ出てしまった場合は、もう一度同じ手順で落とします。それでもリリーフエリア内に収まらない場合は、ボールが最初に地面に触れた地点に置くことになります。
最後に、リリーフエリア内に正しく止まったボールからプレーを再開します。救済を受けることで、難しい状況から脱することができ、スムーズなプレーの流れを維持することに繋がります。これらの手順は状況によって変わることもあるので、日頃から規則を学び、練習ラウンドなどで救済の手順を確認しておくことが大切です。競技委員に質問することもためらわないようにしましょう。
救済に関するよくある誤解
ゴルフのルールにおいて、救済を受ける場面は少なくありません。しかし、そのルールは複雑で、誤解を生みやすい部分も多いものです。今回は、よくある誤解をいくつか取り上げて、正しく理解するためのポイントを解説します。
まず、「救済を受ければ必ず有利になる」という誤解があります。確かに、救済はプレーヤーにとって良い状況を作るためのものですが、常に有利になるとは限りません。例えば、木からの救済で、近くの傾斜地にドロップした結果、ボールが止まりにくい場所に落ちてしまうこともあります。平らな場所を確保できると思い込んで救済を受けると、かえって難しい状況に陥る可能性もあるのです。ですから、救済を受ける前に、ドロップゾーン周辺の状況をよく確認し、本当に有利になるのかを慎重に見極めることが大切です。
次に、「救済はいつでも受けられる」という誤解もよく見られます。ゴルフコースでプレーしていると、地面の状態が悪かったり、障害物があったりと、打ちにくい状況に遭遇することがあります。しかし、自分の都合で勝手に救済を受けることはできません。救済は、ルールで明確に定められた場合にのみ認められます。例えば、動かせる障害物や異常な地面の状態からの救済など、ルールブックに記載されている特定の状況に限られます。ですから、救済を受けたい場合は、まずルールブックを確認し、その状況が救済の対象となるのかどうかを判断しなければなりません。
さらに、「救済の基準点は常にボールの位置」という誤解もあります。救済を受ける際の基準点は、状況によって異なります。ボールの位置が基準点となる場合もあれば、そうでない場合もあるのです。例えば、カート道路からの救済では、カート道路の端に最も近い、コース内の地点が基準点となります。このように、救済の種類によって基準点は変わるため、安易にボールの位置を基準点と考えてはいけません。必ずルールブックで正しい基準点を確認する必要があります。
これらの誤解を避けるためにも、日頃からルールブックをよく読んで、理解を深めておくことが重要です。また、どうしても判断に迷う場合は、競技委員に確認しましょう。ルールを正しく理解し、適切に救済を受けることで、フェアプレーにつながります。そして、スムーズなプレーを楽しむことができるのです。
よくある誤解 | 正しい理解 | ポイント |
---|---|---|
救済を受ければ必ず有利になる | 必ずしも有利になるとは限らない。傾斜地など、かえって難しい状況になる可能性もある。 | ドロップゾーン周辺の状況をよく確認し、本当に有利になるのかを慎重に見極める。 |
救済はいつでも受けられる | ルールで明確に定められた場合(動かせる障害物、異常な地面の状態など)にのみ認められる。 | ルールブックを確認し、救済の対象となるのかどうかを判断する。 |
救済の基準点は常にボールの位置 | 状況によって異なる。カート道路からの救済では、カート道路の端に最も近いコース内の地点が基準点となる。 | ルールブックで正しい基準点を確認する。 |
まとめ
ゴルフは自然の中で行う競技であるため、様々な状況に遭遇します。スムーズな進行と公平性を保つために、『救済』というルールが設けられています。これは、コース上の障害物や異常な状態によって不利益が生じた場合に、特別な処置を認めるものです。大きく分けて『罰なしの救済』と『罰ありの救済』の二種類があります。
罰なしの救済とは、文字通り罰打を加えることなく救済を受けられる処置です。例えば、カート道路や散水用の装置などが、プレーの妨げになっている場合などが該当します。このような場合、元のボールの位置から最も近い、プレーの支障にならない地点に基準点を定めます。そして、基準点からクラブ1本分の範囲内、かつ元のボールの位置よりもホールに近づかない場所にボールをドロップします。ドロップしたボールが範囲外に出た場合は、再度ドロップする必要があります。
一方、罰ありの救済は、救済を受ける際に1打罰を加える必要があります。紛失球やウォーターハザードなどが代表的な例です。紛失球の場合は、最後にプレーした地点から打ち直すか、元のボールの位置とホールを結んだ後方線上に、元のボールがあった地点と同じ距離の地点にドロップすることができます。ウォーターハザードの場合は、ウォーターハザードに入った地点とホールを結んだ後方線上にドロップするなどの選択肢があります。いずれの場合も、救済を受けるための適切な処置を理解しておくことが重要です。
救済を受ける際の具体的な手順や適用条件は状況によって異なるため、公式ルールブックで確認することを強くお勧めします。また、競技中に判断に迷う場合は、ためらうことなく競技委員に質問しましょう。競技委員はルールに精通しており、適切なアドバイスをしてくれます。ルールを正しく理解し、状況に応じた適切な救済を受けることは、プレーヤーとしての責任です。ルールを学ぶことで、落ち着いてプレーに集中でき、ゴルフをより深く楽しめるようになるでしょう。そして、ルールを尊重する姿勢は、真のスポーツマンシップを示すものでもあります。
救済の種類 | 罰 | 状況 | 処置 |
---|---|---|---|
罰なしの救済 | なし | カート道路、散水装置など | 基準点(元のボールの位置から最も近い、プレーの支障にならない地点)からクラブ1本分の範囲内、かつ元のボールの位置よりもホールに近づかない場所にドロップ |
罰ありの救済 | 1打罰 | 紛失球、ウォーターハザード |
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