不動産と住宅ローンのQ&A:短期固定を利用することの危険性をどのようにお考えですか。

短期固定は低金利になり返済額は抑えられますが、金利上昇時の危険性があります。
逆に長期固定は、安定しているものの金利が高く返済総額が増えます。
確かに短期固定の危険性は教科書通りの定石ですが、実際の試算例を見て確認してみましょう。 
今回の試算は、平成16年9月現在の金利を基に計算しました。 
比較内容は、20年固定と3年固定です。

まず、大手3行(東京三菱・みずほ・三井住友)を比較させて頂きました。
三井住友は、長期固定は20年返済(固定期間ではなく返済期間です)が
10年固定までしかないため、検討外となります。

みずほと東京三菱を比較しますと、金利(特に優遇後)において、東京三菱が優れております。

よって、以下の試算を東京三菱銀行の住宅ローンを例として計算します。

東京三菱銀行住宅ローン紹介のページ

・共通事項
 当初返済期間35年設定、金利は3年ごとに0.5%上昇、21年目以降は金利4%

1)当初20年は固定パターン

  1年目(4.95%→優遇後3.95%) 月々131,934円
   ↓
  21年目以降(4%)      月々132,382円

  総返済額 55,492,998円

2)3年固定を21年目まで、以後は1のパターンと同じのパターン

  1年目(2.25%→優遇後1%)  月々84,686円
   ↓
  4年目(2.75%→優遇後2.55%) 月々106,054円
   ↓
  7年目(3.25%→優遇後2.85%) 月々110,154円
   ↓
  10年目(3.75%→優遇後3.15%) 月々113,967円
   ↓
  13年目(4.25%→優遇後3.45%) 月々117,464円
   ↓
  16年目(4.75%→優遇後3.75%) 月々120,616円
   ↓
  19年目(5.25%→優遇後4.25%) 月々125,264円
   ↓
  22年目以降(4%)       月々123,291円

  総返済額 48,728,180円

3)2のパターンで1のパターン時との返済額の差額を
  3年ごと繰り上げ返済にまわすと、

  4年目170万、7年目93万、10年目78万、13年目64万、16年目52万、
  19年目40万、22年目24万が繰り上げ返済にまわせ、

  総返済額 36,704,254円になり、323回(約27年)で返済が完了します。
  (繰り上げ返済手数料7回合計で36,750円が掛かりますが、
   保証料が返金されますので、負担は軽減されます)

参考)当初10年固定、その後は2のパターンと同じのパターン

  当初10年(3.7%→優遇後2.7%)月々110,491円
  総返済額49,871,408円

参考)当初7年固定 その後は2のパターンと同じのパターン

  当初7年(3.4%→優遇後2.4%)月々105,647円
  総返済額48,581,627円

参考)当初5年固定 その後は2のパターンと同じのパターン

  当初5年(2.9%→優遇後1.9%)月々97,846円
  総返済額48,510,912円
  3のパターンのように繰り上げ返済を活用すると、
  総返済額37,210,332円、328回(約27年)で返済完了

 ※7年固定・10年固定は、繰上げ返済額が少ないため、
  5年固定を逆転することは難しいです。

以上の試算結果から、短期固定の低金利のメリットを享受し、
更に長期固定との返済差額を繰り上げ返済にまわすことが一番有利と考えます。

また、金利上昇への不安が拭いきれない場合は、
1と3のパターンの併用での返済がお薦めです。

※東京三菱銀行では、住宅ローンを二本立てで対応することにより、
 複数の金利パターンを選ぶことが出来ます。(諸費用約5万円増)

これは、ファイナンシャルプランナーとしても
不動産営業としても私個人としても同じ考えです。

基本的に金利上昇は、好景気・物価上昇に伴ってくるものですが、
日本経済が、高度成長期やバブル期のようなことが起こるとは考えづらく、
金利上昇したとしても、5%程度までだと思われます。

確かに安定(リスク回避)も大切なことだと思います。
しかし、私は長期固定で経費増を確定させることでリスク回避するよりも、
低金利で経費が少なくするように最大限努力され、早期返済を目指し、
繰り上げ返済などで借入残高を減少された方が良いと考えております。

この考えは、現在主流となっている考えとは逆で異端かもしれません。
しかし、物事には必ず裏表がありますので、
一方の良さだけを見てそれに走ることはどうかと思います。

参考)公庫買取型を利用したハイブリット型

・みずほ銀行の住宅金融公庫買取型ローン(全期間固定3.2%)1,500万円
・みずほ銀行の住宅ローン(5年固定2.2%)1,500万円 
  ※5年毎に0.5%金利上昇

月々返済 110,658円(当初5年)~124,211円(最大金利上昇時)

返済総額 49,891,341円

メリットとして、買取型のローンについては保証料不要(約30万円節約)、
繰上返済手数料が不要です。デメリットとして、毎年保険料が掛かります。
約6万円(残高減少に伴い軽減されます)。繰上返済は最低100万円からです。
また、建物検査料が掛かります。

※建物が公庫の基準に適合している必要がございます。

※買取型ローンは、みずほ銀行が一番金利が低く、通常の住宅ローンも
 同じ銀行に合わせる必要があるため、みずほ銀行になりました。

参考)買取型住宅ローンの金利(9月分)

・東京三菱3.6% ・UFJ4.3% ・三井住友3.81% ・りそな3.41%

このプランですと、長期安定のメリットと低金利をミックスした感じで、
返済総額では短期固定パターンに敵わないものの、
安定性を考慮すれば充分検討できると思います。
これに繰上返済などを活用すれば、返済総額を更に抑えることも出来ます。

【注意】
・この返済額試算は、金利動向(設定)により変わります。
・返済総額が有利になるだけで判断してはいけません。
・不動産評価や収入、年齢などにより、選ぶ基準は変わります。




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