不動産・住宅・住まいの探し方:収益還元法(08.10.12)

近年流行りの不動産投資。
リーマンショック後、この流れがどのように進むのか不透明ですが、 投資という一般的な概念では「みんなが売っている時こそ買い」なのかと思います。

不動産投資物件を購入する際に価格の指標となるのが、収益還元法による不動産評価です。 不動産を評価する際には、収益還元法の他に、原価法、取引事例比較法があります。

収益還元法は、不動産を評価するとき、その不動産から得られる利益から 期待利回りで割り返した手法。 または、将来得られる一年あたりの利益と投下資本回収年数を掛け合わした手法。 これで計算された価格を収益価格と言います。

例:年120万円の利益÷期待利回り10%=1,200万円
 :年120万円の利益×投下資本回収年数=1,200万円
   ↓
  100%÷投下資本回収年数=期待利回り
  100%÷10年=10%

ちなみに原価法は、同じものを作るときにどれだけの費用が掛かるか(原価)を出し、 経過年数分を減価して不動産価格を評価する手法。 計算上の性質から主に建物評価時に使用する。 これで計算された価格を積算価格と言います。

取引事例比較法は、市場の取引事例と比較し物件の特性で調整して求める手法。 主に土地評価時に使用するが、不動産は市場性が強いため、 中古住宅や中古マンションでも原価法と併せて用いられる。 これで計算された価格を比準価格と言います。

収益還元法に話を戻しますと、この収益還元法にも二つの手法があります。

一つは、上記の例に出した「毎年の利益を期待利回りのみで求める手法」で基本となる部分です。 不動産の転売価格は気にせず、投下資本と期待する利益を回収できれば、 その後の転売価格(資産価格)は儲けものと考えれば、この計算式で構いません。

例:期待利回り10%であれば、10年で回収が終わり、その後の利益と転売価格分は儲けとなる。

もう一つは、将来の転売価値とそこまでの間に得られる利益から求める手法です。 これはDCF法と呼ばれます。 毎年の収益と転売価格(現在価値に換算する必要有)を合計して評価額を求める手法。

例えば、毎年100万円の利益がある、10年後に1,000万円で転売できる物件の場合、 100万円×10年+1,000万円=2,000万円となるわけです。(回収資金)

しかし、2,000万円投資して2,000万円回収するのでは無利息で預金するようなものであり、 リスクや諸費用などを考慮すると、このような投資をする人はいない。

そこで、投資による収入を期待する分、評価を落とさなければなりません。 仮に10年間で500万円のプラスを得たいのであれば、1,500万円の投資で納めることになり、 これが収益還元価格となります。

また、利回りから計算する場合は、利益×(“1+期待利回り”のn乗”)を毎年求め、 その和と転売価格を足したものが収益還元価格となります。 ※n乗のnは経過年数。上記例を計算すると約1,772万円となります。

これらの計算で自分の希望を取り入れた場合の価値は算出できます。 しかし、不動産は市場であるため、自分の希望で利益額や利回りを想定しても、 そこまでは多くなくてもいいという方がいれば、そこに誘導され、 数多くの人が妥当と思われる利益額や利回りに落ち着きます。

不動産投資も広く一般の投資の一部であり、利回りは他の金融商品や金利動向などに影響されます。 不動産投資の場合、長期投資が基本で、かつ、価格上昇によるキャピタルゲインよりも 毎年の利益(配当)を求めることから、株よりも債権市場や預貯金との関係が深くなります。

換金するのに費用と時間がかかることや将来の価格変動リスクなどもあり、 他の金融商品よりも高い利回りが期待されます。 債券市場での利回りが落ちれば、不動産投資での期待利回りも落ちるというように比例して動く。 さらに、不動産の市場動向の部分も加味して、不動産投資の期待利回りは変動します。

数学が苦手な私が計算したものであり、専門の不動産鑑定士が計算する手法は、 もっと緻密であるが、考え方を理解するということでは、この程度でよろしいかと思います。

収益還元法で不動産価値を算出するときに気をつけたいのは、 利益の基になる部分とリスクとの兼ね合いです。

利益をどこに設定するかには、単純な収入(例:家賃)だけのものと 収入から経費を除いた手取りの二つに分かれます。 単純な収入から計算したものを表面利回り、手取りから計算したものを純利回り(?)といいます。 不動産会社や売主は高く売りたいわけで、高く評価される表面利回りで表示することが多い。 購入側の場合、純利回りで計算しなおすことが必要。 ただし、純利回りを市場一般の表面利回りじゃないとと欲張ると買えなくなる。 (買いたいのはやまやまですが)

また、不動産投資の場合、空室リスク、修繕リスク、市場価値の変動リスクを考慮しなければならず、 さらに、借入金で購入する場合、金利の負担やリスクも考慮しなければならない。

借入金で不動産投資をする場合の大原則として、純利益(手取り)が借入金の返済額を上回ること。 さらに、空室リスクも加味することができればなお良い。

将来の収益や数年後の転売価格を予測することは非常に難しく(これができるのは神様のみぞ知る)、 どのように考えるか、想定するかで、評価額に大きく変わる。 この点も十分検討することが重要である。

この収益還元法での不動産評価は、不動産投資物件の際に利用されることが多いが、 一般の住宅を購入する場合にも応用できる。

例えば、マンションの購入を検討する際、同じマンションでの賃料相場が年間120万円だとすると、 120万÷期待利回り5%=2,400万円となる。 販売価格が3,000万円であれば、この物件は割高となり、逆に2,000万円なら割安となる。

自宅の購入の場合、生活の状況や条件などもあることや、 夢、希望などお金には代えられないものあって、 収益還元法での算出結果だけで判断することはできないが、 ひとつの参考にしてみると良いのではないでしょうか。



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