不動産・住宅・住まいの探し方:希少性(08.04.12)

人は、限定や特別というものに対して過敏に反応してしまう。 いついつまでという期間限定、選ばれたあなた様だけ特別に、 残り1区画の数量限定などなど。

いつもの旅行なら寺社仏閣に立ち寄らない人でも、百年に一度のご開帳、 一般人が立ち入ることが許されない特別な部屋を期間限定で 一般公開などと聞くとつい行ってしまう。

また、外部要因だけが希少性を生むわけではなく、 自らも希少性を作ることもある。

旅行で出費が増えてしまうのは、次にいつ来るか分からない、 もしからしら、もう二度と来ないかもしれないという心理から、 行っとけばよかったと後悔しないようにと行動してしまうため。

先日、東京と大阪を結んでいた夜行寝台急行の“銀河”が引退したときも、 いま見に行かなければ、いま乗らなければ、という心理が働き、 鉄道ファンや銀河に思い出がある人が集まった。

これらのことは、旅行以外の日常でも同じように働く。 当然、住まい探し、不動産購入の場面でも。

不動産や住宅の営業マンは、このあたりの心理を(業界の)常識のように使って営業する。 そう、無意識で営業に折り込むくらいに育てられている。 営業マンが、このようなお客様の心理を知らなければ、 上席から知識ないダメな営業マンと叱責されるくらいに言われる。

先日、ハウスメーカーの店長とこんな話がありました。 その方が担当するお客様が、不動産屋から “お客様にだけしかお知らせしていない特別な情報、売り出されていない極秘情報” と聞かされて物件情報の提供を受けた。

そのお客様は私が知らない方ですので、店長は私に特別なにをという話ではなく、 その物件を不動産のプロとしてどう思うかというだけの世間話程度。

物件の概要を聞いていくと、あれ、それってこういう物件じゃないですか? と聞き返してみると、店長は、そうそうそれです、なんで知っているんですかと不思議顔。

だって、その物件は何ヶ月も前から売り出され、 複数の不動産会社から情報は公開されていますよと返事。 その返事を聞いて、店長は目がテン。

物件としては、物件そのものに特段と問題なく、条件面も適正でしたので、 買われても問題ないのではという話で終わりましたが、 希少性の営業を受けたことで、お客様は適正以上に、 良い物件だと高い価値を感じ、熱く盛り上がっているのではと思いました。

不動産や住宅の販売の現場で、希少性や機会損失などの話や場面があると思います。 多少の誇張があることも多いのですが、すべてが販売手法や営業トークではなく、 不動産は同じものがないという特徴から、早い者勝ち、限定一名様という 希少性や機会損失とは切り離されることはありません。

この時、(広い意味で)希少性の現実やトークに接すると、熱くなったり、 同じ情報でもより価値ある物と考えたりしがちですが、 購入しようとしている住まいは、自分たちの希望や状況にマッチしているのか、 もう一度見極めてみることが大事です。

ただし、希少性や機会損失などの話に誘導されないぞと、警戒しすぎると、 不動産は、限定一名、早い者勝ちという特性のため、買えなくなってしまうか、 良い物件を取り逃がすことにもなるので、ご注意を。

冷静に、客観的に、何でもダメと否定するわけでもなく、何でもいいと押すだけでもなく、 バランス良くアドバイスしてもらえる人がいると良い。 このアドバイザーを身近な親族が務めることも多いが、 やはり一般の方の場合、限界があるのは否めない。

その方が業界にいれば良いアドバイザーになるという素養があったとしても、 不動産の情報や知識の広さや深さは片手間に身に付くものではないので。 いくら頭の良い医師でも、弁護士の代わりに法律のアドバイスをできない。 医学部ではなく法学部に進学すれば弁護士になれたかもしれないが。



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