住宅購入アドバイザー雑記:税務署員は持ち家率が90%以上?(15.12.15)

「税務署員がこっそり教えるお金の裏ワザ・サラリーマン最強の蓄財術(大村大次郎著、中公新書)」にて、税務署員は持ち家率が高いこと、なぜ持ち家率が高いのか、詳細に紹介されております。

住宅にまつわる長年の論争に「買った方が得か、借りた方が得か」というものがあります。

同書では「家は借りるより買ったほうが絶対に安い」と、過去に例がないほどの強さで断言しております。お金のプロである税務署員の90%以上が持ち家を取得していること、それがその証しであると。

前提条件の「税務署員はお金(蓄財)のプロであり、財産形成(家計)については間違いない」という点について、確かにその通りだと思われる方は信じていい。

逆に、税務と財産形成は、関連性は高いが、前提条件のようになるかは確実ではない、というなら話半分程度で聞き流してください。

持ち家と賃貸住居を比較するに際し、まず、同じ場所、同じ建物、同じ設備の住居で比較がなされていないと、今まで検証されてきた結果について問題点を指摘しております。

そして、持ち家の方が優位とする基本的な考え方は、大家さんの利益や賃貸物件の保有コスト(税金やメンテナンスなど)が不動産価格に家賃として上乗せされている。その分だけ、賃貸物件の方が不利である。

さらに、大雑把な条件だけで、持ち家と賃貸住居の住居費を比較した場合、住まいの内容や暮らしの満足度が加味されていない。賃貸物件のクオリティが持ち家よりも数段落ちてしまう住宅事情まで考えてみると、賃貸物件はさらに不利になる。

この他にも、老後生活の支えとなる、資産形成となる、住宅ローン返済中は生命保険の代わりとなる、相続税対策になる、などの持ち家優位の利点を挙げております。

ここまで、よし持ち家だと思ってしまうと落とし穴があります。それは住宅ローンの返済(利息)についての検証が済まされていないこと。

本書では、現在の低金利下で利息は住宅ローン減税と相殺されると言い切ってはおりませんが、住宅ローン控除があるので持ち家の方が優位としております。

金利が1%以下で、控除期間の10年間で返しきるなら、利息は減税効果で相殺され負担がなくなります。ただし、その利息以上の税金を支払っていての還付であり、税額がそこまで届いていなければ、これだけをもって持ち家の方が優位とは言い切れなくなります。

持ち家の場合、不動産価格の下落リスクについても考えなければなりません。その点は、税務署員は「地価が下がりづらい地域」で買っているから大丈夫としています。その地域とは「駅から近い」、さらに、路線価などのデータで地価変動を分析しているとのこと。

本書では、持ち家の方が優位と断言しておりますが、公務員(税務署員)だからこそなのかなと感じました。

著者が仰っていることそのものは間違っておりません。持ち家の方が優位な部分も多い。ただし、住宅ローンの返済、住まいの条件、不動産市場(地域)の推移など、検証は必要で、何でも誰でも、持ち家の方が優位と決まり切るものではありません。

■ご興味がある方、住宅を購入するかどうか迷われている方は、ぜひ一度、ご一読されることをお勧めします。



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