住宅購入アドバイザー雑記:待機児童と高層マンション(12.11.24)

潜在的な待機児童は300万人超。先日、日本経済新聞に掲載された記事によると、保育所の数は増えているものの、リーマンショック以後、家計を補うために働き出た主婦が増え、待機児童の解消は遠くなっている。

働きたい親のニーズから試算した潜在的な待機児童も加えると364万人にものぼる。TVで報道されたインタビューでも、認可外に預けた場合の保育料は、毎月稼ぐ収入と変わらず、家計を補うことができないことから見送っているという方がいた。

その一方で、幼稚園や保育園で、受け入れに余力を残している施設もある。待機児童の増加、解消に進まない背景には、施設数だけではなく、さまざまな社会的要因、生活の変化がある。

核家族化により、祖父祖母が面倒をみることができなくなったことによる需要増。毎日、朝から夕方まで面倒を見るのは、祖父祖母の体力や時間から厳しいかもしれないが、幼稚園へのお迎え、一時的な対応程度であれば対応できることも多い。

不景気、雇用構造の変化などにより、収入が減少し、共働き世帯が増加したことによる需要増。働きすぎの過労死がある一方、働き口がない、働いていも生活が苦しいワーキングプアの増加など、雇用、収入面の厳しい環境の改善。

景気の好不調は政治に委ねられないかもしれないが、働き方の調整なら、多少できるのでは。求める人材(スキル)と求める職種(待遇)のミスマッチは、根深い問題であり、休日に賑わう外食産業を見ていると、当面続いていくのか。

都心に集中する人口動態による需要と供給のアンバランス。時は金なり、通勤時間の短縮傾向が強くなった今、利便性が高いエリアへの居住が増加している。戸建てなら人口の増加も緩やかだが、1棟に何百戸という高層マンションが建てられると、地域の児童数が一気に上昇し、その需要増に供給(施設)が追いつかない。

利便性が高い地域への流れは、利にかなっているものであり、これを止めることはできない。利便性が高い地域から追い出すのではなく、他に利便性が高い地域を作り、分散させること。政治であれば地方分権、東京一極集中が解消されなければならない。

千葉県のとある市では、駅前の大きな工場が廃止され、跡地に大型マンション群が一気にできあがったことから、待機児童の問題以外にも、小中学校の定員オーバーが発生し、毎年のように通学区域の変更を余儀なくされている。

高層マンション、大規模マンションには、待機児童や小中学校の教育環境の問題以外にも、さまざまな問題が発生している。日本経済新聞では、「超高層の虚実」として、数日にわたり、特集記事を組んだ。

ホテル並みの施設やサービスが伴うことによる運営費と高額な修繕費用の負担増。マンション運営に支障をきたす未払い金の問題。小さな市町村並みの居住人口。

マンションを分譲する業者は、パンフレットに華やかなイメージと甘い言葉を載せ、担当者は利点ばかりを強調する営業トークにより、夢のような生活を描かせ、購入を迫る。

この甘言を、素直に信じることなく、自分自身で客観的に、良さ悪さ、プラスマイナスを考えて、判断しなければならない。同紙では業者のモラル向上に期待しているが、業者や現場の担当者の心理思惑を考えれば、期待できるものではない。

毎日、新築してから数年で売り出される中古マンション情報を見るたびに、こんな早くに売り出すのは、何があったのだろうと考える。個人的な事情であれば仕方ない。購入判断の誤り、マンションの見極め不足でなければ。



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