住宅購入アドバイザー雑記:二世帯同居実例(06.09.24)

ここ最近、二世帯住宅と二世帯同居住宅の住まい探しをお手伝いするケースが増えてきました。 二世帯住宅とは、玄関から水周りまですべて各々の世帯で独立して所有する形態で、 二戸の共同住宅と同じ。アパートと違うのは、画一的な間取りではなく、 それぞれの希望を取り入れた間取りになっていること。

それに対し、二世帯同居住宅は、大きな一戸の住宅で二世帯が共同生活をする形態で、 単世帯の建物をより部屋数を多くしたり、面積を大きくした建物になる。

この他に、一部共同、一部独立という形態の準二世帯住宅(?)もあります。 どこまで独立させるか、何を共同利用するかは、世帯間での話し合いになりますが、 玄関か玄関と浴室は共同で、キッチンやリビングは独立というパターンが多いように思います。

それぞれに良さ悪さはあると思いますが、どのタイプが適しているかは、 各世帯の状況や考えなどにより異なります。

私の家は、二世帯同居住宅+少し離れた別居住宅という変則な形で生活を送っています。 この実体験から、こうした方が良い!ということではなく、ご参考程度にと書いてみます。

・家族:夫婦に小学生の男子2人と私の母の5人家族

・地域:郊外の住宅地(ニュータウン)にある庭付き一戸建て

・敷地:私が小学校の時に親が購入したので、当時の地価は安く、平均的な敷地よりや広めになっています。

・建物:4LDK・築27年の木造で30坪弱

最近リフォームをしましたが、リフォーム前は雨漏りがしており、 今でも完全に閉まりきらない窓が数ヶ所あり、隙間風が入ってきます。 当時の建物ですから断熱性も悪く、この夏は外気の熱気をたくさん 建物内に取り込んでしまい、寝苦しい夜が続きました。 冬は冷気を取り込んでしまうので、寒くて厳しい生活になります。 このため光熱費も通常の建物より余計に掛かってしまいます。

この二世帯が玄関も浴室もキッチンも何もかも共同利用する 完全な同居型の二世帯同居住宅です。

・建物の大きさ

30坪に満たない4LDKの建物で家族5人が暮らしており、 現時点では建物の大きさに不足はありません。 しかし、小学生の子供が大きくなってくると、狭くなるかもしれません。 狭くなるのが先か、建物が使えなくなるのが先か、 どちらかのタイミングで建て替えか住み替えなどを考える必要がある。 しかし、完全な同居タイプなら35坪~40坪程度で良いのかなと。 現自宅に5~10坪増えるとずいぶん違うと思われます。

・建物の設備

嫁と姑という女性が他人のパターンになる同居のため、家事の分担や 水周りの使い分けなどで小さな衝突がどうしても生じます。 これは仲が悪いとかの問題ではなく、考えや生活パターンの違いで 止むを得ないところかもしれません。

それ以上に悩ましいのが、トイレや洗面です。これは二世帯だから どうこうではなく、単純に生活人数と設備数の問題です。 もともと単世帯住宅ですから、それぞれひとつしかないためです。

一般的な二世帯同居では、各世帯で生活のリズムや時間帯が、 うまくかみ合わない(時間帯が重なる)ことも想定されますので、 トイレや洗面などは、よく考えた方が良い。

私も帰宅が遅くなった時など、深夜にトイレや洗面などを利用するのに 実の親とはいえ、気を使います。動線とか音の考慮が必要です。

洗濯機も、置くスペースや経済的な問題からひとつしかありません。 共同利用に懸念を感じるなら、ふたつ必要になります。 どちらにしても、使用する頻度は多く、時間帯を気にしない 静音タイプにすることをお勧めします。

玄関も二世帯同居の場合、たくさんの靴や荷物になります。 私の家では、ひとつの下駄箱では収まりきらずに、あふれ出ており、 収納や玄関スペースは広くとっても広すぎることはありません。

・建物の利用

今年の春までは、子供世帯が1階、母親が2階を利用していましたが、 次男の小学校入学に伴い、広さの問題から入れ替えました。 母が夜にトイレにいくことが多いのも理由です。

現在は、1階の和室8帖を母、1階のLDKは共同利用、 2階の洋室を子世帯ファミリールーム(子供の遊びと勉強部屋?)、 2階の二部屋を親子二人一組の寝室兼収納部屋で利用しています。

母の部屋は別ですが、同居しているので、各部屋の独立性は ほとんどなく、荷物も使い方も入り組んでおり、この部屋は どういう部屋という役割は決めず、全体最適を考えた使い方です。

同居していて一番感じたのは、同居でも二世帯住宅でも、 防音・遮音性能が大事だなということです。 床鳴りがするような私の家は特別にしても、ある程度の音は出ます。 この音は、とても厄介なもので、すごく気を使うか、迷惑をかけます。 どちらで建てるにしても、1階2階の防音性能には力を入れて下さい。

・家計

親世帯、子世帯で家計は独立しており、それぞれの相手方の内情は 分かりません。母は無職であることから、生活費の大半は子世帯負担。 親所有の住まいを提供しているので、この他の食費、光熱費、維持費、 固定資産税、火災保険など生活費を子世帯が負担して折半になります。 しかし、母自身の遊興費などは自己負担です。

家計のことではありませんが、大人数(特に子供がいるので)のため、 冷蔵庫は二つあります。やはり、ひとつでは入りきりません。 これからの方は、大きなひとつにするか、分けるのか、分ける場合は、 冷蔵庫を置くスペースも考えておかなければなりません。

・生活

妻は平日9時~5時勤務で働いており、土日は子供のサッカーで 留守にすることが多いため、一日中べったり家に共存する時間帯は 少なく、毎日の夜6時以降と土日の午前か午後半日。

基本的に、母は子供(孫)の面倒をみないという暗黙の了解事項があり、 学童保育(前は保育園)のお迎えなどは子世帯でやります。

母は、スポーツクラブやダンス、図書館など自由気ままに出かけたり しておりますが、家に居る時間は、何かと家事をしています。 やらなくても良いのですが、どうしても目に付くのでしょう。 同居当初は、このあたりのバランスが難しく、過ぎたりしなかったり、 気を使いすぎたりとかみ合いが悪かったですが、時間が経つとともに、 ちょうど良い落ち着きどころとお互いの考えやパターンが分かりました。

・同居のきっかけ

次男の誕生が分かったとき、2DKのアパートでは狭いから引っ越そう、 じゃ家を買うかと思い、動き出しました。 その時はすでに不動産のプロですから、誰に相談することもなく、 ここにしようと決まりかけた時、一応関係者に言っておかないと、 後からグズグズ言われても嫌だなと思い、母にも購入を通知したところ、 お互いの経済的なメリットから同居を提案されました。

母親側から見れば、同居することにより、生活費は子世帯で 見てもらえる。子世帯から見れば、光熱費などの生活費はどちらに しても掛かるし、いざと言う時、離れた場所からの世話も大変。 それと実家の地域は子育てに適した環境であることから、 同居することになりました。

・同居のメリット

◇重複する家計負担が軽減できる。 ◇実家の建て替えなら、敷地の手当てが出来ている。→この場合、建物は子世帯負担で。それでも土地からよりは安い。
◇新規購入なら、敷地もひとつで済み、建物も基礎や屋根や設備など少なく済むので、総費用は安くなる。例:親の住宅+子供の住宅>大きな同居住宅
◇いざという時でも、ちょっとした時でも助け合えることも多い→助け合いと安心感

どの不動産でも、必ずメリット・デメリットはあります。 同居にも上記のメリットとは逆にデメリットもあり、 別居のメリット・デメリットもあることでしょう。 それぞれの方に、考えもあれば、置かれている状況も違うと思います。

私の家は、最近の傾向とは逆で、嫁姑同居タイプですが、お手伝いしている数は、 母娘同居タイプ(マスオさんタイプ?)の方が多いように思います。 母娘タイプの同居なら、家事の分担でぶつかっても肉親だから、融通しやすく、 もともと同じ生活スタイルや考えで暮らしてきた実績があるので、 家事や生活の分担もスムーズにいくのでしょう。

しかし、肉親同士であることから、気兼ねなく頼みやすくて、 どちらかにしわ寄せが気安いのも事実です。特に娘側から母親への ちょっとした頼みごとがしやすくなり、母親の負担が重くなるのではと思われます。

どちらが良いかは分かりませんが、嫁姑の場合は、多少ぶつかっても同居している 家族なんだからと踏み込めるか、母娘の場合は、肉親だからという甘えを減らし、 けじめをつけられるかがうまくいくポイントかなと思います。

どの同居パターンでも、必ず他人が一人(婿か嫁か)が入った 共同生活になるわけですから、この“他人”がどういう立場になるか、 どういう関係を持てるかが大事な要素です。

「うちにはうちのしきたりがあるんだから、従ってもらわないと困るのよね」 という姑がドラマで言いそうな台詞のように、肉親で繋がる側の生活や考えを 中心にすえてしまうと、他人として入ってきた人には辛くなってしまいます。

相手のことを尊重する気持ちが大切で、特に他人を迎える側は 気をつかってあげた方が良いと思います。

最後に「+少し離れた別居住宅」の部分についてですが、私の両親は離婚しております。 とは言っても、私からみればどちらも親ですから、知らないよともいえないので、 まだ元気ですが、何かの時には面倒が見れる範囲にいてもらった方が良いことから、 同じ町内(徒歩5分程度)の団地に父親が一人暮らしをしています。

同じ敷地内でもなく、同じ建物でもないので、完全に分離した 二世帯住宅よりも離れた関係ですが、これもひとつの考えではと思います。 二世帯住宅でも、敷地が同じで、同じ屋根の下では、やはり少しは生活や関係が重なり、 気遣いをすることもあります。もうちょっと距離を取った方が、お互い干渉せずに 気ままに暮らせるということなら、同じ町内ですぐに駆けつけられる 範囲程度で分けるのも良いかもしれません。

だらだらと書いてしまいましたが、ご参考程度に。



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