不動産ニュース考察:大手でも安心ではない、という現実から(15.11.01)

先月中頃に表面化(世間的に)した「横浜市の杭工事データ改ざん事件」。データ改ざんが、横浜市のマンションだけにとどまらず各地に広がり、さらに、一個人の問題ではないことから、事件の深刻化が進んでいます。

現在は、横浜市の傾斜マンションで杭工事を担当した「旭化成建材」のみで過去の実績が表に出てきており、およそ10件に1件の割合でデータ改ざんなどの不正な工事を行っていた模様です。

内容を見てみると、組織的に不正・隠蔽工作をしたというものではなく、そういうずさんな作業が許されていたゆるい風土だった。その企業文化というか、組織の運営に問題があったようです。

なぜ、そのような企業文化になったのか。これは、元請け(発注企業)へなにも言えない(良かれと思うことでも言えない)、体育会系のような業界全体のドロドロとした重い空気が流れる中、旭化成というブランドがある会社でも、立ち向かうことができなかった。

仕事を請けていく以上、その中に馴染むしかなかったということでしょうか。まるで、中学生のような、一緒に悪さをしないと仲間外れにするぞ、という感じです。

また、今回のように分譲マンションの建築では、販売金額から逆算して「建築予算」を算出し、その予算で建てられる「建築」をするように上から厳命が下ります。

さらに、売りやすいように「消費者の目に触れるような設備」に予算を投下し、杭工事のような目に見えない部分をケチることになります。

三井不動産という(規模だけは)トップブランドのマンションにも関わらず「既製杭」を利用したことがその証しです。

横浜市のマンション現場のような難しい地盤なら、継ぎ足しが効く「鋼管杭」か、現場で臨機応変に作れる「現場打ちの杭」にしていれば、今回のようなことはなかったかもしれません。ただし、工事費用が高くなるため「既製杭」を採用したのだと思われます。

「見えないところお金をかけるのがトップブランドの三井不動産です(だから信用できる)」とうたわれたマンションのパンフレットは、何の根拠もない印象だけのきれいごとだったということになります。

最近でも、三菱地所の分譲マンションが設計施工ミスで建て直しになり、住友不動産のマンションでも今回同様の傾斜問題が発生しました。

特定の会社がどうこうではないですが、三大財閥系の不動産会社でこのような状況ですから、大手だから安心というは根拠のないものであるということが判明しました。

正直なところ、今回のようなデータ改ざんが行われたら建築のプロでも見抜くことはできません。今回は旭化成建材ですが、他の会社では問題ないということでもありませんし、現場で施工する(施工した)下請け会社の内容(名前すら)を確認する手立てもありません。

三菱地所のケースでは内部告発があったから発覚したもので、それがなかったら竣工して引き渡され居住が開始されていたと思われます。

会社の規模や実績でも信用できなくなった今日、欠陥マンションであるか否かは、5年、10年と時が過ぎて、欠陥がなかったという結果を見るしかありません。時間が経過したマンションを建物調査をして買う、というのがリスクが小さくなるケースとなります。

それでも新しい建物を買うなら、当たり外れの賭けの要素があるということを念頭に、一点買いの集中投資ではなく、資産を分散しておくことが大事になります。なお、戸建てでも同じことが言えます。



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