不動産ニュース考察:空き家問題は自己防衛しかない(14.09.26)

今年の流行語候補には暗い世相を反映する言葉が多い。世間を騒がせた度数から言えば、STAP細胞、号泣県議、ブラック企業、日本人劣化などが考えられるが、生活に一番影響があったのが消費税の増税、さらに円安。

不動産業界でも、生活ジャンルでノミネートされそうな言葉が「空き家問題」。2013年住宅土地統計調査(総務省)が集計発表した「2013年の空き家率は13.5%」というデータが、今年はクローズアップされた。

空き家は毎年増加しており、特に今年だけ流行った、急増したというものではないが、なにかがきっかけでメディアに取り上げられ、連鎖反応が起こった。

”空き家である”こと自体の懸念材料は、景観や住環境(雰囲気)が悪くなる、ゴミの不法投棄などの衛生と住環境への悪影響、放火や不法侵入など犯罪の温床になる懸念、地震などの災害時に被害の拡大に繋がること、など。

”空き家が増える”ことの懸念材料は、個々で財産価値の低下(持ち家は供給過剰による価値低下、賃貸経営者は空室増加による収益悪化)、さらに、街としての機能低下、住民流出とつながり、イメージとして人口減少、景気後退、過疎というネガティブな発想による活力低下となる。

なぜ、空き家が社会問題になるまで増加してしまったのか。メディアでは固定資産税の特例(住宅用敷地の評価減の特例)が現況のように伝えているが、それは本質から外れており、小さい問題でしかない。

もし、固定資産税の特例がなくなって、空き家の解体が進んだとしても、その後、家を建てない(暮らさない)のなら、今度は「空き地」が増えるだけ。空き地でも、空き家と同様の問題が起こる可能性がある。

空き家(空き地)が増加してしまったのは、人口と世帯の減少(需要減少)、都心と地方の格差(過疎)、新築住宅偏重の政策と志向(供給過剰)という単純な作りすぎが原因。

需要(消費者)が、自宅を新築にするか中古にするか、持ち家にするか賃貸住宅にするかは、個人の自由であり、強制できるものでも、善悪を決めるものでもない。供給(事業者)も、商売になるなら、買う人がいるなら、求められるなら、供給することは自由である。

消費者も事業者も、社会全体を考えて経済活動する義務はない。理想と現実は別であり、高額になればなるほど自身の利益優先になるのは当然である。社会全体を考え、特に長期的な視野で物事を判断するのは政治の役割である。(行政は執行者という建前で)

新築数を制限(規制)するというのは、経済活動の自由を束縛することであり反対だが、使いづらくて不公平が残る中古住宅流通への政策は見直すべきである。

中古住宅流通の促進のために、というお題目で、形としてはやっているが、実態に反映されておらず、もっともっと根っこから変えていく必要がある。単純に、新築中古問わず自宅ならという条件でシンプルにするべきである。

ただし、いくら中古住宅流通を促進するための制度が整ったとしても、物自体に魅力がない(問題がある)のではどうしようもない。空き家になるのは価値がないからである。価値があれば売るなり貸すなりして空き家にはならない。

人口減少、新築供給の継続も、まず止まらない。政策に期待も持てない。年金問題と構造は同じである。この先、明るい展望はない。

ならば、自己防衛するしかない。価値ある不動産を選ぶべきである。価値とは1に立地である。もしくは買わないという手もある。



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