不動産ニュース考察:空き家対策に税制のみでは不足(14.08.04)

ここ数日「空き家」に関する報道を目にし耳にすることが増えた。これは、先月末に総務省から発表されたデータ(住宅・土地統計調査)に注目が集まっているからだ。

発表されたデータは、1.国内の住宅総数に占める空き家の割合が2013年10月時点で過去最高の13.5%、2.戸数も過去最多の820万戸に上った、というもの。

報道では、人口減少の地方では既存住宅が活用されず、さらに、空き家を取り壊すと税負担が重くなる制度も空き家が増える原因としている。

都心と地方の格差による地方の人口減少が空き家の増加に拍車をかけていることはその通りかと思うが、固定資産税等の増加を懸念して取り壊すことを躊躇うというのは、ないとは言えないが少数派と感じる。

行政側では、空き家対策として、固定資産税等の軽減措置を見直し、2015年度(来年!)から実現させる方針だが、これで空き家が活用されたり、取り壊しが加速するとは思えず(多少の効果はあるだろうが)、税収増加の方便ではないか。

そんな小手先のことではなく、新築偏重の住宅政策の見直し、既存住宅の活用政策、さらに、街づくりから、少子高齢化、人口問題という根本的な部分から手をつけなければ、大きな改善は期待できない。

近年、既存住宅の活用に動きつつあるが、手かせ足かせをつけ、複雑な制度となっており、もっとシンプルにして、新築と既存をひっくり返すくらいでなければ変わらない。

そもそも、新築好きの住宅文化という根っこから変えなければならないのだから、仕掛ける行政側は大胆に行う必要がある。

もし、短期的な効果を望むのなら、独立行政法人という甘い汁の代表である都市再生機構の賃貸住宅を減らしてしまえばいい。瞬間的に住宅戸数が減るわけではないが増殖だけは抑えられる。

※低所得層の住戸は公営住宅へ移管し、高品質の住戸を民間への売却(投資物件の需要は多い)、老朽化した住戸は建て替えずに土地として売却。

空き家が多いということは、潜在的な住宅供給ストックがあるということであり、さらに、減少傾向にあるとはいえ毎年100万戸弱の新築住宅が供給されるのだから、住宅供給力が強まる、需給関係が買い手市場(価格下落)になる。

人口減少で需要は減少傾向、住宅余りと新築住宅の大量建築で供給は増加傾向が続けば、さらに下落傾向が強まるということ。

不動産価格指数(国土交通省)を見ていても、ここ数年、下落傾向が続いている。(マンションは上昇傾向、これは都心回帰で流通価格帯が高まっているため)

アベノミクスによる日銀のインフレ政策が、住宅分野では効果が現れておらず、相変わらずの資産デフレが続いている。空き家対策と同じく、一時的な政策では効果が得られない。

人手不足も最近の話題だが、単純に、人手不足が賃金の上昇へと繋がれば、所得増加による不動産価格力の上昇となって、住宅価格にも反映されるのだが、政権運営を見ていると期待薄である。

来年、相続税の増税に、固定資産税等の軽減措置縮小が加味されると、供給がさらに増加し、価格は下落傾向に拍車がかかるかもしれない。



住宅購入サポート

サブコンテンツ

このページの先頭へ