不動産ニュース考察:マンション難民、単純な問題ではない(14.04.02)

不動産会社を経営する方より、新年、新年度の営業初日に必ず挨拶の連絡をいただく。昨日も例年通りに連絡があったが、その際、「マンション難民って言葉を聞いたことある?」と尋ねられた。

マンション、難民、それぞれの言葉で造語された新語であり、この言葉が示す結果は「マンションに住んでいる人がにっちもさっちも行かなくなって困る」ということだろうとイメージをしやすかったが、その原因がどこから来るのかはピンと来なかった。

ピンと来なかった理由は、原因となりえそうなことがたくさんありすぎたため。どれが原因となって困ってしまうことを指して”マンション難民”と呼ぶのか、マンションを購入して困るケースのすべてをひっくるめて”マンション難民”と呼ぶのか。

ただし、一戸建てなら万能でマンションは劣る、一戸建てでは問題ないがマンションなら問題が発生する、という単純で乱暴なものではない。どちらにもそれぞれ当てはまることもあり、ただ、住宅難民だと賃貸も含めた総合的な話になるので、持ち家難民とでもなるのか。

今回、尋ねられたきっかけは、今週発売のフラッシュに記事が掲載され、その見出しだけを見て興味を持ったとのことです。なにが原因としてマンション難民と定義しているのかだけ知りたく、立ち読みでちらりと見てみた。

同誌では、最近頻繁に起きている”超一流ブランド”の分譲業者やゼネコンでも構造的な欠陥が見つかっており、このようなマンションを購入してしまうと経済的な負担から”マンション難民”になってしまうよ、と位置づけていた。

問題が発覚した事例では、さすがに超大手ということもあって経済的な補償もしており、さらに広告主であることもあって、ヒューザーのようなバッシングにはならないと思われる。バッシングで盛り上がることを目指したのか、なにを伝えたかったのか、記事から感じることはできなかった。

構造的な欠陥をかかけた建物を購入する(所有する、暮らす)ことも大きなことだが、マンション難民という言葉にも直結するかと言われれば、現場としては少し違うのではないかと思った。

恐れながら、私がマンション難民という言葉を使う定義するとしたら、次のような問題で、マンションを所有(購入)することが負担となり困ってしまう人たちを指すのではないか。

・マンション居住者のモラル、問題住民による悪影響(空室率の上昇、賃貸化が進み、さらに、老朽化も加速して、という悪循環につながることも)

・マンション老朽化の進展(経済的な理由や意思統一の難しさ、法的な規制などから建て替えもできず、といって、経過年数から先行きの悲観から修繕もままならず、速度を速めて老朽化していく)

・空室率の増加(老朽化の進展、モラルの悪さなどから、所有者も暮らさず、賃貸で募集しても埋まらず、空室が増え、マンション全体の活気も消え、最悪、スラム化することも)

・所有者や住民の高齢化(建物ではなく人の高齢化。経済的、価値観、生活スタイルなどの世代間ギャップで意思の疎通が円滑さをかき、管理組合の運営にも支障がでたり、修繕積立金などの負担も重くなる)

・資産価値の下落(社会的な要因に加え、上記のような問題も含めて、資産価値が下落し売却もままならず、維持費を支払い続けることにも)

上記のような理由が個々に、または複合的に絡み合って、マンションを所有する(暮らす)ことに苦しめられることが、現実に増えてきており、人と建物の超高齢化社会が進行することから、この問題はさらに増えてくることは確実と思われる。

では、一戸建てなのかといえば、そんな単純でもなく、建物的な部分は共通する項目も多く、マンションを地域(近隣)と考えれば一戸建てでも該当する。

どちらにしろ”住宅を所有する”ということはリスクを伴うものであり、賃貸なら完全にリスクを回避できるかといえば、そうでもなく、生きている以上はなにかしらのリスクが伴う。そのリスクをどう対処するのか。

リスク対処の王道に”分散”がある。同じ5,000万円なら、5,000万円の1物件よりも1,000万円の5物件、5,000万円の不動産よりも不動産と現金に2,500万円ずつ、というように。これなら、被害にあっても難民まではいかず、ぎりぎり逃げ切れるか。



住宅購入サポート

サブコンテンツ

このページの先頭へ