不動産ニュース考察:政府のご都合的な住宅政策(13.12.11)

かねてより話が出ていた「フラット35の100%融資」が、1年限定で復活することに決まったらしい。

「フラット35の全額融資、金利上乗せ 国交省」(13.12.11、日本経済新聞)

 国土交通省は住宅金融支援機構が手がける長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」で、住宅の購入額の9割としている融資の上限をなくす特例措置を来年に実施することを決めた。貸し倒れのリスクを考慮し、全額融資の際は通常より高い金利を適用する。金利の上乗せ幅は0.4%前後で調整する。~中略~今回の融資は来年の通常国会で補正予算が成立した後に実施する。期間は1年間の予定だ。金利が上乗せされるのは住宅購入額の全額を借りる人で、借り入れを購入額の9割以下にとどめる人は通常の金利が適用される。

--

これは、消費税増税後の需要減少を緩和するための時限措置で、住宅ローン減税の拡充と中低所得者向けの現金給付制度に続く「第三の矢」である。

現実に、消費税の現行税率が適用となる9月末までの建築の請負契約は凄まじく、今、ちょっとしたことを頼んでも、建築会社を始め、設備、土木、解体、外構などの関連業界すべてが忙しくて、対応してさえもらえない。

ただし、その反動で10月以降の受注状況は厳しいらしい。

「戸建て住宅の受注減、止まらず 大手4社、回復時期不透明」(13.12.11、日本経済新聞)

 住宅大手の注文住宅の受注減少が止まらない。消費税の現行税率5%が適用される9月までの駆け込み需要の反動で、11月の受注額(速報値)は積水ハウスなど大手4社のうち3社が10月に続き2ケタ減となった。住宅展示場の来場者数など一部に明るさもあるが、回復時期は不透明だ。最大手の積水ハウスは11月の受注額が32%減と、10月(16%減)からマイナス幅が拡大。4社の中で唯一10月がプラス(7%増)だった大和ハウス工業も11月は4%減。「減少に転じるのは予想したが、反動減の影響がどれほど続くか読めない」という。以下略

--

今年1年、景気は回復基調であるのは間違いないとしても、公共工事と個人消費の内需で支えられているもので、以前のように外需ではない。

財政赤字による公共工事削減と消費税増税による消費の落ち込みがくると、この景気回復も腰折れし、景気回復が支えている内閣支持率も落ちることが予想されるため、内需の中心となる住宅産業に対しての下支えは躍起になっている。

その下支え内容が「新築偏重」であることは残念であり、今後の不動産、住宅が置かれる状況が懸念される。

現在、空き家が増加していることが社会問題となっている。これは地方に限らず、郊外の住宅地でも、都心でも現れている。人口減少、世帯減に向かうなかで、住宅余りにも関わらず、なぜ、さらに住宅供給を進めていこうという政策を行うのか。

今回のフラット35の100%融資にしても、自己資金がなくてもとにかく買え、建てろ、しかし、金利は上乗せだ、というのは、個人、国民、生活者よりも企業、業界、最終的には、自分たち(政治家、政府)がよければということなのだろう。

疑問が残る政策ばかりである。大局観に立った政策、運営、指導ができないものか。



住宅購入サポート

サブコンテンツ

このページの先頭へ