不動産ニュース考察:住まい給付金制度で中古住宅市場が変わる(13.09.09)

国土交通省より、消費税率引き上げに対応して実施される住宅関連税制についてのお知らせ広告が、先週に引き続き、新聞の一面広告に掲載されました。 (全3回の第2回)

今回の告知は「すまい給付金」の概要についてとなりました。お知らせ広告に記載された「住まい給付金」について、当コラムでも改めてお知らせいたします。

すまい給付金制度は、消費税増税による負担増加を緩和するために導入するものです。住宅ローン減税の拡充により高所得の方は現行以上の還付があるが、低所得層の方は元々の納税額が少ないため、住宅ローン減税拡充の恩恵も少なくなります。

この恩恵が少ない人は、負担軽減効果が十分に得られないため、この給付金により負担軽減効果をまんべんなく(高所得者のみとならないように)行き渡るようにするものです。

給付金の対象者は、次の条件にすべて合致する方です。不動産登記上の持分保有者、住民票にて自己居住であることが確認できる、収入が一定金額以下(適用税率などにより異なる)。また、住宅ローンを利用しない場合には追加条件があります。

給付金額は、8%時と10%時で異なり、収入(県民税の所得割額により)に応じても異なります。8%時は10~30万円、10%時は10~50万円(それぞれ10万円単位)が、収入に応じて決まります。※収入上限を超えると対象外。

対象となる住宅は、自己居住用である、床面積が50平米以上である、などは住宅ローン減税とも重なるが、さらに、住宅瑕疵担保保険に加入した住宅などの条件が加わる。

また、消費税増税による負担軽減の目的であるため、中古住宅の場合、売主が「宅地建物取引業者」であることの要件も加わる。※業者以外の法人でも消費税は課税だが、給付金の対象外?になる。※自然人(個人)が売主の場合は消費税非課税。

この給付金は、平成26年4月以降に引渡しとなる場合に適用され、平成29年末以降に引渡しとなる住宅までが対象となる。

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今後、消費税率引き上げ判断の前後を問わず、国土交通省などの公的機関より、さらに同様の告知があると思われますので、よくご確認になってください。

この給付金制度が開始されると、中古住宅の流通現場では、劇的に変化が起こりそうです。

理由は、給付金の支給対象に「既存住宅売買瑕疵保険に加入した住宅」という条件が加わったためです。※その他の条件でも可だが、新築時に行われている必要があり後追いでは対応できない。

現在の中古住宅流通市場では、一般の方(業者外の法人含む)が売主の物件と宅建業者が売主の物件が、同じ土俵で一律(区別なく)に扱われている。(よく見れば違いは分かるが)

購入側から見れば、見比べている中古住宅が、短期的な視野では「給付金の対象となるかならないか」、長期的な視野では「安心できるかどうか」の違いを明確に意識することになる。

それは当然、中古住宅の価格にも反映されてくる。

現在でも、業法の縛り(瑕疵の責任など)や販売状況(空き家か居住中か、リフォーム済みか)などから、業者が売主の方が安心だし、取引もスムーズであるが、これが明確に意識するようになり、流通市場に影響が出てくる。

極論では、一般の人が自宅を流通市場の中で売却することは厳しくなり、中古車市場のように、業者が買い取り、再生して販売する形態になる。それはつまり、自宅売却価格が安くなるということ。

もしかしたら、国土交通省は消費税増税の負担軽減策の中に、次なる一手を含んで一石二鳥を目指しているのかもしれない。

近年、中古住宅の流通市場整備は国土交通省の大きな課題となっている(※理由は別項で)。さらに、瑕疵担保責任保険業界の拡大(国土交通省の勢力拡大)という裏目標まであるのかもしれない。

ここまで考えるのは邪推でしょうか。



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