不動産ニュース考察:新政権による不動産関連政策(案)(13.01.12)

平成25年(2013年)に入り、安倍新政権の動きが活発になり、さまざまな方針、政策が打ち出されております。この中から住宅・不動産に関係するものをピックアップしてみました。

1.長期金利上昇

昨年末の選挙中から、日銀に対して金融緩和の圧力をかけ、物価を強制的に引き上げようとしています。日銀は、賃金の上昇、企業収益の改善など経済全体の中で取り組むべきと抵抗していますが、現時点では安倍政権側が優勢な状況で、日銀は政府の意向を受け入れる方向です。

金融緩和のみを見れば、金利を低下させる方向ですが、これは短期金利(政策金利)のみで、市場の長期金利は国債の需給関係に影響されます。先日発表された補正予算では、国債の増発を前提としており、国債の供給増加により、長期金利は上昇傾向です。このため、住宅ローンでは、変動金利は低水準の横ばい、固定金利は上昇傾向となっております。

今後、平成25年度の予算で支出を増大させ、国債の発行額が大きくなると、さらに長期金利が上昇し、固定系の住宅ローンの金利は上昇することになります。

2.住宅ローン減税の延長

現行の住宅ローン減税は、平成25年中に入居した方までが対象となり、平成26年以降は打ち切りになります。平成26年の消費税増税も加えると、住宅購入にブレーキがかかり、経済にも影響を与えることから、住宅ローン減税の延長が検討されております。

現行では、税の還付枠は年20万円までとなっておりますが、これを延長案では、年30万円に引き上げる方向です。このため、延長された場合は、入居を平成25年から平成26年に遅らせることが有利になります。

住宅ローン減税では、あくまでも納めた税金の還付となるため、納めた金額が還付額の上限となります。年30万円までの枠を持っていても、納税額が下回っていれば活かしきれない。この点をカバーするために検討されているのが、現金給付による補填です。

まず、所得税で還付をする、それでも枠が余っていれば住民税で還付をする、それでもまだ枠が余っていれば、その分を現金給付するという仕組みです。この検討にあわせ、住民税の還付枠の拡大も検討されております。

消費税の増税は初期費用の増加させ、瞬間的な負担増となります。その金額と金利増分を、10万円×10年の増枠でカバーしようというものです。

3.孫の教育資金贈与の非課税制度

贈与税には、毎年110万円までの非課税枠があり、その中で収まっているか、瞬間的な教育資金であれば、贈与税の対象とはならないが、これを将来の教育資金贈与までに拡大しようとするもの。

祖父母から教育資金の贈与(隔離口座)が確実であれば、現役世代は教育資金負担と不安が軽減され、生活費の支出がしやすくなる。これが経済へ好影響を与えると考えられている。実質的な高齢者世代から現役世代への資産移動。

4.相続税の基礎控除減額と最高税率引き上げ

資産家の方には最高税率の引き上げの方が影響があるが、一般的な方には基礎控除額の減額の方がはるかに影響が大きい。現在、相続税の対象となるのは4~5%と言われているが、それが7~8%に広がる見込み。

現在検討されている基礎控除案は、現行「5,000万円+法定相続人×1,000万円」を「3,000万円+法定相続人×600万円」とするもの。

不動産の評価減(現金よりも低く評価される)、自宅などの特例などにより、大部分の方は基礎控除の枠内に収まっているが、減額されると、地価が高い都心部の場合、自宅を所有しているだけでも相続税の対象となる可能性が出てくる。

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以上、現在検討されている政策のうち、不動産、住宅に関わることを書き出してみました。あくまでも、今の案までになるため、今後の政治動向により、変更される場合がございます。

これらの政策は、短期的なものが多く、根本的な社会不安、将来不安の解消につながるものではありません。年金不安、雇用不安、人口減少による活力低下、国債増発による財政不安などにも有効な政策を併せて期待したいものです。



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