不動産ニュース考察:消費税増税と購入のタイミング(12.09.13)

営業の世界では、2月、8月をニッパチと呼び、売り上げが低迷する月と言われる。この根拠として、寒い、暑いという気候的なものや、2月は28日間しかなく、8月はお盆休みがあり、稼働日数が影響するというものがある。

不動産業界(住宅)でも、2月は、正月からの新年効果や年度末前の動き出しからさほど落ち込まないが、8月は、気分は行楽、外は暑くて、家さがしどころではないとなり、通説通り低迷することが多い。(同様な理由で7月も)

▼そんな状況の中、日本経済新聞の記事の見出しに「8月の首都圏マンション発売、17.3%増、契約率は80.5%に。(不動産経済研究所調査)」というものがあった。

記事に書かれている内容では、8月の首都圏の新規発売戸数は前年同月比17.3%増、需給ともに好調、月間契約率は80.5%と4月以来4カ月ぶりに80%台に乗せた、と。

足元の現場でも、8月、9月は購入者が活発な動きをしていると感じる。弊社でも、お盆休み中からお客様との打ち合わせ、見学、相談などが相次いだ。

付き合っている業者(千葉県、神奈川県)の様子を窺ってみると、週末に8件の予定(一般的には4件の打ち合わせが入ると忙しい)がある人もいれば、予定が立て込んで断っているという人も。

▼この要因は、おそらく、8月に参議院本会議で消費税増税法案が可決し、2014年からの消費税引き上げが現実的になったことの衝撃からくる駆け込み需要のはしりではないか。

不動産の購入は、数千万円単位になり、消費税引き上げによる影響は大きいと思われがちである。しかし、不動産購入に関わるすべてに消費税が課税されているわけではない。

▼まず、一戸建てもマンションも、不動産としては、土地と建物に分かれる。そのうち、土地については、消費ではないということから、非課税扱いなる。

建物に関しては、一般の方が売り主の中古住宅、中古マンションは、土地と同様に非課税扱いになる。消費税課税業者の法人が売り主の建物についてのみ、消費税の課税対象になる。

建売住宅、新築分譲マンションは、事業者が売り主となるため、消費税増税の影響が大きい。とくにマンションは、価格に占める建物の割合が大きいため、一番の影響を受ける。

例えば、価格が同じ4,000万円の場合、建売では、土地2,000万円、建物2,000万円となり、現行消費税が100万円のところ、増税されると160万円となる。

マンションの場合、4,000万円の物件であれば、土地400万円、建物3,600万円、現行消費税180万円、増税後288万円になる。※モデルなので、外税表記としました。

また、種別は問わず、不動産を購入するための諸費用(仲介手数料など)は消費税の対象となる。

▼前回、消費税増税された際、駆け込み需要とその後の激しい落ち込みがあった。不動産価格は相場であり、需給バランスで価格が変動する。

駆け込み需要で価格が上昇し、増税分以上に割高に買ってしまえば本末転倒であり、増税後、価格が増税分以上に下がれば問題ない。増税後には別の税制面でカバーするという報道もあり、駆け込む必要はまったくない。

不動産や住宅の営業マンから、消費税が上がる前に購入した方が得ですよ、という言葉を信じるかどうか、今一度、よく考えてから動いてもらいたい。

消費税増税による購入のタイミングへの影響をあえていうなら、駆け込み需要に惑わされないことと、本来考えるべき購入のタイミングと増税は関係ないということ。



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