不動産ニュース考察:無縁社会の正体(11.02.28)

「無縁社会の正体~血縁・地縁・社縁はいかに崩壊したか~(橘木俊詔著、PHP研究所)」。昨年、NHKの番組で『無縁社会』という特集がされてから注目されている社会問題を明らかにしています。

無縁社会で一番焦点があたるのが「孤独死」。誰にも看取られず、そっと息を引き取って亡くなる方が増え、さらに厳しいのが、行政や警察が調べても身元が判明しない「行旅死亡人」、この法律用語も放送で世間に知られることになりました。

孤独死の前提となるのは単身者であること。例外はあるかもしれないが、家族とともに暮していれば、孤独死ということはない。孤独死が増加した背景は、その下地となる単身者が増加したことに起因します。

では、なぜ、単身者が増加したのか。子供との同居することが減ったこと、一時期流行語にもなった熟年離婚、も加わり、老後に一人暮らしをすることが増えました。

わたしの親も諸事情があり、ともに70歳を超えた父、母、それぞれ、一人暮らしをしています。いちおう、ふたりとも私と同じ町内、徒歩5分圏内に暮らしているので、なにかのときには対処しやすいが、それでも、夜などは一人になるため、孤独死のことを頭にいれておかねばなりません。

結婚もし、仲よく暮らしている家族でも、子供を作らない世帯も増えました。これは、積極的に作らないケースと、子供は欲しいが作れないケースに分かれます。積極的に作らない場合は、ひとそれぞれの価値観もあり、他人がとやかく言うことはできないが、作れないケースは、経済的、社会的な要因が大きい。

また、未婚率も高まりました。結婚することがなければ伴侶もなく、当然、子供もいない。これも子供を作るかどうかと同じで、積極的に結婚しないケースと、結婚したいができないケースに分かれます。生涯独身を自身の意志でいく場合は、他人がとやかく言うことはできないが、したくてもできないのは、やはり経済的な要因が大きい。

本書では、ひとりで暮らすこと自体は否定しておらず、そのような社会の流れのなかで、なにができるか、どうしなければならないのか、ということが示されております。

無縁社会の拡がりは、基本的に一人暮らしをしている住居の増加であり、不動産、住宅業界でも、(私の感覚ですが)社会的、道義的な観点からが半分、ビジネスとして半分くらいの割合で、無縁社会のことを自然と考えております。

ただ、ビジネスですからドラスティックな面があるのも否めず、一般消費者側としても、甘えきらないように、自立心を強く持ち、自身での対応力を身につけるしかありません。

かくいう私自身も、いつ三行半をつきつけられるかわからず、子供には子供の人生があるから権利のように頼ることもできず、無縁社会の仲間入り、一人暮らしをするかもしれません。その覚悟と準備はしておかないと。



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