不動産ニュース考察:賃貸住宅の借り手保護政策(09.11.23)

国土交通省は2010年度から、賃貸住宅の入居者をトラブルから守るための対策を拡充する。家賃の支払いが滞ったとき、家賃の保証会社に強引に退去させられることを防ぐため、保証会社に許可制の導入することなどを検討する。持ち家の促進を優先してきた自民党政権の住宅政策からの転換を民主党政権は掲げており、国交省は賃貸住宅の利用を後押しする。

民主党は前回の衆院選のマニフェスト(政権公約)で「賃貸住宅の整備」を掲げ、生活者重視の一環として賃貸住宅の利用を促す方針を示した。不動産価格の下落で持ち家を資産として持つことに消極的な人が増えていることも背景にある。自民党政権は住宅ローン減税など住宅取得の促進を優先してきた。

引用元:日本経済新聞

保護政策の主な内容は、悪質な家賃保証会社の追い出し行為をなくすために許可制度の導入、賃貸住宅の補修状況や性能をまとめた履歴書の閲覧制度、退去時の原状回復の指針を明確化し敷金返還を巡るトラブル防止など。

今回の内容は、骨子は理解できるものであり、具体策も常識外れではないが、最近の賃貸住宅政策を見ると、借り手を過大に保護しすぎているのではないかと感じる部分もある。

保証会社や不動産会社に対して、消費者保護の観点から何かしらの政策を取ることは分かるが、不動産賃貸業とはいえ一般の方が多く消費者とさえ言えるようなケースでも、民事の契約に対して、一方的な有利不利を生み出すようにするのであろうか。

しかも、家賃を滞納したケースでは、約束に違反する借り手側に問題があるにも関わらず、違反した借り手が守られ、被害を被った貸し手は保護されない。社会的、道義的にも逆じゃないかと思う。

昨年からの不景気で、家賃滞納に至るケースも増加したかもしれない。同情する点もあるかもしれないが、そのツケを貸し手という消費者に追わせるのは筋が違う。景気対策ができない政治の責任転嫁と言ったら大げさか。

借り手を保護するなら、貸し手も保護する政策も打ち出さなければ不公平ではないか。不動産賃貸業という商売だから被害を被るのは仕方ないということか。保証会社が倒産し、ごく普通のサラリーマン投資家が被害を被るケースがある。この場合の保護はまったくない。

今回の保護政策が動き出し、貸し手側の負担が増えれば、家賃の上昇、借り手の選別強化、賃貸市場への良質な住宅供給の減少など、必ずしも、借り手有利になるとはいえない。

このような偏った政策でいいのであろうか。なんか、公営住宅増加への邁進(官僚勢力の拡大)へ向けた手筈じゃないかと勘ぐってしまう。なぜなら、民間賃貸市場へのダメージとなるものだから。どうして、この保護政策が住み替え促進に繋がるか分からない。



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