不動産ニュース考察:欠陥住宅補償制度(07.02.23)

日本経済新聞(07.02.23朝刊1面)に、国土交通省がまとめた 「欠陥住宅の被害を補償する新制度」に関する記事が掲載されました。

一般消費者にとっては、補償される制度の新設・義務化になることから、 安心が増えるのみで、この制度による直接の影響は少ないと思われます。 (数万円の保険料負担が価格に転嫁されること程度)

しかし、分譲業者(不動産業界)には大きな分岐点になる可能性を秘めたもので、 業界が変わること=消費者にも影響と考えれば、長期的に大きな影響があるかもしれません。

まず、どんな新制度かということを記事の概要からご紹介させて頂きます。

≪欠陥住宅補償・売主に保険加入義務≫

・耐震偽装の再発防止策の一環として、2009年度半ばをめどに、一戸建てやマンションなどすべての新築住宅の売主に、欠陥住宅保険への加入か、補償に充てる資金の供託を義務付ける。

・これにより売主が経営破綻しても、欠陥住宅の補償が確実に受けられることになる。

・欠陥住宅保険に加入するためには、保険を受ける法人が住宅の欠陥の有無を検査し、検査に合格したもののみ保険に入れるようにする。

・保険料は過去の欠陥住宅の発生率に応じて、保険料率に差をつけ、良質な売主ほど保険料が安くなる。

・現在の制度では、新築住宅の売主は10年間の補償が義務付けられており、経営破綻の場合は住宅保証機構が担保していたが、故意、重過失では対象外になることや、任意での加入のため加入率が10%程度と十分な補償が得られていなかった。

引用元:07.02.23日本経済新聞

この新制度で、何が変わるかというと、保険法人による検査で、 不良住宅、不良業者が弾かれ、良質な住宅、健全な業者に選別されていくこと。

不動産業者は商売を継続的に営んでいかないといけないため、 今まで安易に儲けのために建築を受けていた不動産業者は、 煩わしい建物からの利益を避け、土地のみの分譲などにシフトするケースも多くなる。

建物は大手化し、地場の不動産業者などは土地へシフト。

この影響が悪い方に出てくると、建物は、安全、安心の機能向上を理由に、 また、安い住宅が減りコスト競争が落ち着くことから、建物価格が上昇する。 土地も今まで建築で得ていた利益を土地に転嫁しないといけないため、 高めの土地価格設定にする。

このことから、不動産価格全体が押し上げられることになるかもしれません。 (この他の社会的要素もあるので、これだけでは決めつけられませんが)

ただ、大きな視点、長期的な展望から考えれば、良質な住宅が増え、 安心のバックアップが確かになり、本来不動産のプロであり建物のプロではなかった 不動産業者が建築から手を引くことは、業界・市場全体が良い方向へ向かうことです。

また、あまりにも新築に偏重しすぎた日本の不動産・住宅市場が、 高価格になったことで中古住宅にも目を向け、建物・住宅を資産として 考えることになるのもプラスになります。

※建物に消費税を課税しているということは、国は建物は消費財であって 資産ではないという見解なのでしょうけど。

今回の新制度が、保険料が高い安い、価格に転嫁されるというような 小さなことではなく、住宅業界全体が良い方向に向かう転機になればと切に願います。



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