不動産市場と動向:いくら穴を埋めても水が流れ続く限り決壊は続く(17.02.05)

2010年以降、人口の減少が始まり、年々、空き家が増加しているにもかかわらず、都心部では高層マンション、郊外では建売住宅、さらに、低金利と相続税対策のタイミングが重なった貸家の建築が、いつになく活発に行われています。

住宅過剰社会と言われるなか、この状態を加速させている事態を見て、業界では中古・リフォーム(リノベーション)に注力し始め、行政では既存住宅の流通を促進するための政策を打ちつつあります。

それでもなお、戸建て、マンション、貸家を問わず、建物が新築され続けるのか。

それは、供給側と購入側の意向が合っているからに他なりません。

アフターサービスや手間が楽であることもあり、収益は仲介の数倍から十倍超にもおよび、また、供給し続けないと生きていけない収益構造になっており、供給を止めることができません。常に泳いでいないと死んでしまうマグロ、常に漕いでいないと倒れてしまう自転車と同じです。

その一方、購入側は、まずは新築、買えるなら新築、中古は下、という意識から、新築を求める方が多数派を占め、供給される新築の受け皿となっています。

供給側としてみれば、売れるなら売るのは必然の流れ。売れるにも関わらず、あえて止める必要はない、買えるにも関わらず、あえて中古にする必要はない、ということになります。

TVや雑誌、新聞、NETなどのメディアでは、中古、リフォーム、リノベーションと取り上げられることも多くなりましたが、取り上げられるということは希少だからという裏返しでもあり、まだまだ中古が主にはなれていない証とも言えます。

不動産の売却査定を行う際には、様々な手法やデータを用いながら多角的に査定し、誤差を減らすように取り組んでおりますが、新築の大量供給の余波で、中古市場が崩れてしまう事態になっています。

それでも、今はまだ、需要もあることから、価格さえ調整すれば売却まで至ることができますが、今後も新築の大量供給が続けられ、ますますの住宅ストック(いわゆる在庫)が積みあがる状態になると、二進も三進もいかない状態までに至るかもしれません。

行政は、中古住宅の取引を活発化させるために、流通制度の変革に取り組んでいますが、新築の供給量調整、宅地開発の抑制(集約化)まで踏み込まないと効果が出ないのではないかと思われます。

浸水をふさごうと一生懸命に決壊した穴を埋めようとしても、大量に流れてくる水をせき止めないと洪水を止めることはできません。天気なら、いつかは雨も止みますが、新築の供給は自然と止まることはありません。

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