不動産市場と動向:販売価格に80万円が多い理由(15.08.11)

480、580、760、780、850、870、980、1,000、1,080、1,100、1,120、1,130、1,200、1,250、1,280、、、この数字(単位:万円)は、弊社最寄り駅の南柏駅利用地域で売り出されているマンションの価格です。

不動産という高額帯のため一万円単位の値付けは珍しいですが、ほとんどの物件で十万円単位の値付けとなっており、特に一番多くて目立つのは十万円の位が「80万円」となっている金額です。

不動産の評価や査定では、ここまで80万円に揃うことはありません。一万円の位は四捨五入なりして調整しますが、十の位がいくつになるかは確率的に考えて10分の1になるはずです。

しかしながら、売り出されている不動産価格は、冒頭のデータであれば、十万円の位が80万円となっているのは、15分の6と3分の1以上の割合となっています。これは今だけのことではなく通年で同じような傾向にあり、一般の方でも同様に感じていらっしゃると思います。

この80万円という金額が多くなる理由は、主に二つです。

1. 大台を切ることによる買主誘因効果

スーパーなどと同様ですが、2,000万円が1,980万円、1,500万円が1,480万円など、大台を切ることにより、買主側の心理が好意的になり、それが見学、検討、購入へと繋がる。

特にネット時代になってからは、検索の際に価格設定をすることから、検索にかかるように大台を切っておくケースが増えました。

2. 値引き交渉の含み

本来、1,400万円で売却できればいい、1,400万円で売却したい(しなればならない)、というケースで、そのまま1,400万円と正直に出してしまうと、値引き交渉があった際に値引き不可という回答をせざる負えなくなる。

それが買主側の心理に悪い印象を持たせることとなり、取引の諸条件などで売主側に負担が生じたり、さらに最悪の場合、購入自体を見送るということにもなる。

このため、値引き交渉用の含みとして80万円を上乗せしておこう、あわよくば30万円引きで収まればうれしいという売主側の戦術にて行われる。

それでは、なぜ80万円なのか。そもそも80万円の値付け自体が感情的な理由であり、当然、80万円という金額自体に理論的な根拠はありません。90万円(大台からの10万円引き)では少なく感じられ、70万円(大台からの30万円引き)では多すぎるので、ちょうどよく落ち着くのが80万円であること。

さらに、スーパーなどでも8という数字が使われていることから、売主も買主も馴染みやすいという面もある。また、値引き交渉の際に70万円よりは80万円を下げた方が買主側に良い印象を持っていただけるのではという売主側の心理もあります。

一般の方が売り出す不動産(新築以外)では、不動産業者が査定金額(売却見込み額)の提示を行い、売主の状況や意向などを踏まえながら、販売開始の金額と販売戦略の助言を行います。これを参考にしながら売主が販売条件を決定します。

買主側としては、上記のようなこともあるので、売主の想定している金額を下回らなくても、上乗せ分は外したい(値引き)と考えるのは当然のことになります。

ただし、売主によっては「駆け引きなしの直球勝負」が好きな人もいますし、元々、販売価格でなければ売却そのものができないケースもあります。

肝心なのは、その不動産の適正価格はいくらなのかであり、その価格との乖離があるのかどうかを確認することです。そして、適正な金額であるなら「値引き」そのものへの執着は減らしておくこと、下がるに越したことはないが下がらなくても適正価格ならいいや、というのが大事です。

求めている不動産の条件がピッタリ、なかなか出てこない希少性など、不動産を探すのに根本的なことがあります。価格は大事ですが、値引きは副産物であること、もし、値引きにこだわりすぎて、いい不動産を逃すことの方が、結局、損失が大きくなります。



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