不動産市場と動向:2012年(平成24年)路線価(12.07.03)

路線価とは、国税庁所管、相続税などの国税評価を算出する際の地価の基となる。毎年発表され、以前は8月に発表されていたが、近年、7月に変更された。路線価は、各税務署の他、インターネットで閲覧することができる。

税金を徴収するためには、不動産も含め、すべて時価で計算するのが原則だが、土地を個々に計算するのは実務的に難しく、道路を評価することにより、同じ道路に接する土地を機械的に評価できるようにした。

2012年(平成24年)の路線価が発表された。千葉県は、県平均で▲2.0%、リーマンショック以後、4年連続の下落。東日本大震災の被災地を中心に下落し、下落幅も拡大した。

特に、液状化の被害がひどかった浦安市や千葉市美浜区の下落幅が大きいが、震災直後よりは持ち直している。これからは、景気や人口動向などの長期的な波動に連動していくと思われる。

長年、千葉県の路線価で特徴的だったは、千葉駅前(千葉税務署管内)の次に評価が高いのが、柏駅前(柏税務署管内)であるという点。これが、今年、柏駅前が県内最高値をつけ、さらに、船橋駅前も千葉駅前を超えた。

千葉県の地域(地価)を区分けすると、東京のベットタウンである北西部(市川、船橋、松戸、柏など)、県の中心である中央部(千葉市)、成田・木更津などの県内衛星都市、銚子から房総にかけての漁業と農業の東南部に分かれる。

今回の路線価でわかったことは、千葉県の中心よりも、東京近郊部の中心部(柏)の方が経済的な活力が強いということ。千葉県も大東京圏に組み込まれたことが、地価にも反映された。

同じ東京のベットタウンであり、柏よりも大きな都市である船橋、松戸、市川などは、東京に近すぎてることと、周辺にも活力があるため分散する。柏との地理的な要因により、後塵を拝することになる。

柏よりも都内へ遠い地域は、距離時間がネックとなり都内よりも県内(茨城県含む)の中心地を目指す。地理的な要因に、東の渋谷と呼ばれた街の特性が、東京の代わりとなれた。

駅前の商業地路線価とは違い、住宅地の路線価は、市川、船橋、松戸の方が総じて高くなる。これは、都内への通勤アクセスが強く反映されるためである。商業地は人が集まるところ、住宅地は都心への利便性が高いこと、これが地価の決め手になる。

路線価の他に、国土交通省が所管する公示地価(基準地価)、各地方公共団体が所管する固定資産税評価額という公的な地価評価がなされている。これに時価(市場価格)を加え、同じ土地でも4つの地価が存在することになる。

複数の地価を、きちんと区別し、関連性を把握している一般の方は少ない。不動産を扱う現場にいると、路線価よりもこんなに高い、こんなに安い、などと聞くことも多いが、ひとつの土地に4つもの評価システムがあるのだから、仕方ない。

近年、地価下落も進み、市場価格と公的評価(路線価、公示地価、固定資産税評価)とのかい離率も小さくなった。場所によっては、路線価以下の時価ということもある。

今まで、路線価6掛け、固定資産税評価7掛け、公示地価8掛け、などと時価との差を言われていたが、地価下落時代では、この通説も通用しなくなってきた。聞きかじりの半端な知識ではなく、個々に分析が必要な時代となった。

それでも、公的な地価評価を話題に出されたいのなら、路線価から基づいた地価評価の仕組み、路線価は方位に影響されないことや、土地の状況により修正手法などを理解し、それを用いて使った方がいい。

安易に、路線価よりも高い、などと不動産屋に言うと、営業スマイルに隠された心の中で、この素人が、って、舐められちゃいますよ。方位や土地形状、時価とのかい離などを一言添えると、お、やるな、って思われます。



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