不動産市場と動向:値引き販売(08.09.01)

金融引き締めによる資金難、分譲会社倒産による信用低下、 地価下落と不景気による購入力低下など、新築分譲市場は厳しい状況になっています。 下落相場の場合、少しでも高く売ろうと頑張って販売を長期化させるよりも、 多少値引きしても早期売却した方が、売主にとって良い結果になる。

たった1区画1部屋しかなければ単純な話なのですが、マンションや建売分譲の場合、 複数の物件であることがほとんどで、販売を開始してから一つも売れないということはなく、 半分売れたけど半分残ったというような感じになることが多い。

このような場合、既に売却した物件は販売当初の価格だが、 残ってしまった物件は値下げした価格となり、先に購入した買主は、 なんだ下がるのかよ、もっと待てばよかったという思いが出ます。

以前、既に購入した買主が共同して、売れ残っている物件を値引きするなら、 資産価値が下がったという理由か、損をしたという理由かで、 こっちも改めて下げろ(下げた割合分の補填をしろ)というような訴えをしました。

上記訴訟は旧住宅公団(現都市再生機構)が行ったマンション分譲事業で、 公団の販売活動に問題があったとして、損害賠償を認めています。

しかし、他の判例も含め、不動産市況の変化による価格変動は 分譲業者には責任がないというのが判例での見解であり、 上記公団の場合も販売手法や説明責任の部分に 問題があったとの理由で損害賠償を認めているものです。

複数の物件がある現場やマンションの場合、先に買って、 その後、他の区画や部屋が安くなって販売売却されても、 文句は言えないということです。

ただし、書面で他の区画を値引き販売した場合に補償するという 主旨の覚書などが取り交わされていれば請求できます。 ※セールストーク(口頭)だけではダメ

また、値引きが決まっているのを黙っていたり、 逆に適正価格をはるかに上回る価格に吹っかけた場合などは、 公序良俗違反として認められるケースもあります。

それでは、このようなことが予想される場合、 買主側はどのように考え、対応すればいいのでしょうか。 (値引き後に買う方は問題ありません)

先ほど紹介したとおり、書面で一筆もらえればベストですが、 売主は販売活動に制約が出ることや後々損失が発生するリスクを恐れ、 このような取り決めをするなら売らないという対応になることが自然です。 (逆に一筆入れてでも売るというならよほど自信がないか物件に問題があるのか)

購入者としては、なるべく安く買いたいという心理、 他よりも損したという気分になるのは理解できます。 どうしてもこの気持ちが割り切れないのであれば、 売れ残りを待つしかないかもしれません。 遡って他区画を値引きするということはないでしょうから。

しかし、売れ残りとなると、他の人が選ばなかった理由もあるはずです。 もし、より良い区画や部屋にしたいなら、 値引き販売のリスクを割り切って考えるしかありません。

他の物件がどうこうではなく、購入しようとしている物件が 自分たちにとって良いのかどうか、購入しようとしている物件の価格が 現時点で適正かどうか、そして、選べる権利がある、 という風に考えるしかないでしょう。



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