不動産市場と動向:2005年基準地価(05.09.21)

国土交通省は20日、7月1日現在の都道府県地価(基準地価)を発表しました。 全国的に14年連続の下落となりましたが、2年連続で下落幅は縮小。 都市部を中心に、バブル崩壊から続いた地価下落が止まったことが伺えます。 下記に朝日新聞・日本経済新聞の記事をご紹介します。

・総括
全国平均は住宅地が3.8%、商業地が5.0%下落。 東京23区は住宅地が0.5%、商業地が0.6%上昇に転じた。 都区部周辺でも、武蔵野市(吉祥寺)、浦安市、横浜市など 利便性の高い地域を中心に住宅地が上昇。 これらは、景気の回復基調や超低金利に後押しされた都心回帰、 不動産投資ファンドなどの活発化などから。

その他の地域でも、再開発が進む繁華街や中心部の住宅地で上昇しており、 特に名古屋圏が活況。その一方、青森など16県で住宅地の下・幅が拡大。 旭川市や・浦市などでは、商業地で20%超の下落。 経済が落ち込む地域では下落が止まらず、二極化が鮮明に。

・進む選別化
都心では投資ファンドなどがオフィスビルを買いあさり、 一部にミニバブルの様相も呈する。都心回帰を当てこんだ 高層マンションの用地取得も過熱気味。 しかし、その都市部でも優勝劣敗が強まり、バブル期とは違う様相も。

地方都市の地価回復を引っ張るのは、鉄道の開通や中心部の再開発である。 しかし、条件が少し異なると事態は一変。 例)TX開通のつくば市⇔商業施設撤退の土浦市、 土浦市はつくば学園都市の玄関都市であった。

都区部でも例外ではなく、世田谷区のマンションでも駅から 徒歩20分ほどの物件は、価格の高さと相まって約半分が売れ残る。

バブル期は地価上昇での転売益を目的とし、手当たり次第に土地が買われ、 全国的に地価も上昇したが、今回の地価回復は、投資に見合う収益を 算定する収益還元法で計算され、収益性が低い物件(商業地、住宅地とも)は 投資(購入)されない。

・不動産投資ファンド
ここ数年で外資系企業による不動産市場への投資額は4兆円にも。 不動産投資ファンドの場合、利回りで比較できる金融商品として扱われ、 不動産がどのような状態であるか分からない外国人投資家でも手が出せるように。

日本の超低金利のおかげで配当利回りがより魅力的に写り、 日本の投資家が目を向くのも同じ。 特に不動産投資信託が上場され売買しやすい安心感も後押し。 また、運用先に困る地方銀行も不動産投資信託へ投資する。

しかし、高収益物件には限りがあり、利回りは低下気味。 金融商品としての魅力がなくなれば、投資家が資金を引く可能性も。

今回の地価上昇は、転売益のバブル期とは違うが、 ファンドバブルによる地価上昇が転売益を狙う投資を呼び込むことも。 金融庁や日本銀行は実態調査に乗り出し、圧力がかかり始めたと受け止める会社もある。

・地上げ復活
活気づく不動産市場に「地上げ」も活動を再開。 しかし、バブル期の社会問題になった手法から転換し、業者の対応も様変わりした。

地上げとは、地権者を回って土地を買収すること。 バブル期は、札束で顔をたたくような強引な手法で、 酷いケースでは、脅しや嫌がらせを繰り返したが、 現在の手法は、一軒一軒を回り粘り強く説得する。

この背景には、投資ファンドがトラブルのあった物件を嫌うことがある。 そのため、地道が基本で、無理な地上げが長続きしないことを学んだ結果である。 しかし、好立地は一部に限られるため、荒っぽい業者が入ってくる可能性も。 今のところ、手荒なトラブルはないが、動きが本格化するのはこれからと警戒を強める。

引用元:平成17年9月21日 朝日新聞

・上昇、点から面へ
都心部に集中していた上昇地点が近郊に拡がったほか、都心の地価も一段と上昇。 鉄道沿線や住環境の良い伝統的な住宅街が人気を集め、 上昇地点が一挙に増える面的な拡がりも見られる。 地価底打ちが見え始めたことで、資産デフレ脱却に向けた動きも鮮明になってきた。

根強いオフィス需要と投資資金の流入が原動力になり、東京の商業地の地価が上昇に転じた。 これは、政府の土地政策の転換と投資マネーが支え。この好循環は2007年ごろまでは続きそう。

ただ、投資マネーは収益性を重視するため、収益を生まない地方の地価はむしろ下降気味。 長期的にも不安要素がある。2010年までに団塊世代の引退でオフィスが余り、 経済が拡大しなければ、古いビルや地方がしわ寄せを受ける。

・千葉県
千葉県は全用途平均で4.7%下落した。前年割れは14年連続だが、下落幅は3.4P縮小。 市川市と浦安市が上昇に転じ、県北西部を中心に下げ止まり傾向が強まっている。

浦安市では全ての地点で上昇、市川市でも25地点のうち17地点で上昇した。 8月に開業したTX沿線でも南流山駅周辺で上昇。

県北西部では、マンション人気が根強いが、地価上昇と素材高騰でのコストがアップ。 今のところ価格への転嫁はないが、これからは上昇する可能性も。

商業地では、大型商業施設が増えた柏市で2地点が上昇。 住宅地と商業地が上昇する好循環が生まれている。

引用元:平成17年9月21日 日本経済新聞





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