住宅ローン基礎知識:ノンリコースローンは普及するか(15.04.25)

アメリカではTPP交渉をさらに強く出るために大統領の権限を強化した、というような報道を耳にしました。

このTPP交渉の結果によっては、日本での住まい探しにも大きな影響がでます。その核となるのが、不動産流通制度の見直しとノンリコースローンの採用です。

流通制度の見直しとは、独特の商習慣と暗黙裡で進む日本の不動産取引を、透明性を高め、ルール作りをきちんと行い、日本の商習慣や文化がわからない外国の方にも取引しやすい制度にしましょうというもの。

特に、不動産業者による恣意的で業界本位の制度が改善される見通しで、日本人が不動産取引をするに際しても良い方向への改善となる。

もう一つのノンリコースローンの採用とは、現在の住宅ローンの考え方を根本から変えるものになります。

ノンリコースローン(非遡及型ローン)とは、もし返済が滞ってしまった場合、担保として提供している不動産さえ手放せば、売却金による完済ができなくとも遡及しない(売却後の残債は消滅)というもの。

現在の日本の住宅ローンは、収入による通常返済のほかに、不動産を売却して返済(担保)、生命保険金(死亡保険金)や火災保険金による返済、保証人による返済など、さまざまなケースでも返済がなされるように何重にも保全されている。

通常返済が滞り始めると、収入の差し押さえ、保証人への代位弁済請求などを行い、担保処分(売却、競売)にて返済資金へと充てる。そして、それでも返しきれなかった場合は、売却後も返し続けることになる。※もしくは破産。

ノンリコースローンが採用されれば、不動産を手放しさえしてしまえば、収入を差し押さえられることもないため、その後の生活も維持されやすい。

金融機関にとっては不動産担保の重要度が格段と高まることにる。そのため、不動産に対する調査は徹底され、さらに、不動産価格の考え方にも変化が及ぶことになるかもしれない。※収益還元法での価格設定

収入面での審査も重要になり、現在のようにやみくもな融資は行われなくなるだろう。自己資金ゼロ円、さらに諸経費上乗せなんてできなくなるはず。

また、融資をする金融機関は貸し倒れリスクが増えることになるが、そのリスクを金利に上乗せしたり、実質上乗せ金利となっている保証料で賄うようになるため、現在の低金利融資は見直される。

昨日の長期金利は、また、0.3%を下回る低水準となり、この金利状態から住宅ローンも歪で異常な低水準となっている。しかし、あるべき姿(金利)の融資になることだろう。

日本の自殺者数は、交通事故死亡者数の5倍前後になっている。この自殺者数の減少には役立つことになるかもしれない。

自己資金が少ない人には購入が難しくなり、金利が高くなることから購入資金力も落ち、不動産価格の下落へと繋がることになる。

さらに、不動産さえ手放せばいいのだろうと安易な返済の放棄へともなり、住宅ローン破綻者は確実に増加する。金融機関に不良債権が増加し経営を圧迫することで、経済全体への悪影響も。

破綻後に立ち直りやすくなる制度とはいえ、問題点も多い。問題があるから反対とは思わず採用すべき制度だが、どのような妥協点で折り合うのか難しいところである。



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