住宅ローン基礎知識:自己資金を貯めるまで待つ?(13.11.23)

チラシに踊る「頭金(自己資金)ゼロで家賃並みの負担→マイホーム購入」という不動産会社のセールストーク。

かたや、「頭金ゼロでマイホームを買うのは止めましょう」というFP(ファイナンシャルプランナー)のアドバイス。

果たしてどちらが正しいのか、具体的な数字で検証してみました。

3,000万円(諸費用込)の住宅を購入する場合、住宅ローンの返済は次の通り。※金利2%、35年返済、月々均等(ボーナス時加算なし)、全期間金利固定。
自己資金ゼロ、借入金額3,000万円 → 毎月99,378円 → 住居費合計4,174万円(返済総額)

同じく3,000万円の住宅購入で、5年間で500万円の自己資金を貯めた場合。※5年間の家賃総額600万円(月10万円×60回)、金利2%、30年返済、月々均等(ボーナス時加算なし)、全期間金利固定。
自己資金500万円、借入金額2,500万円 → 毎月92,404円 → 住居費合計4,426万円(初期自己資金・返済総額・家賃含む)

この結果を見ると、自己資金を貯めている間の家賃負担が重くのしかかり、自己資金がゼロでも購入した方が有利になる。これは、返済元金と家賃の差額よりも低金利下の利息の方が少ないため。

設定条件を変えてみると、異なる結果が出た。

自己資金500万円、借入金額2,500万円 → 毎月82,815円 → 住居費合計3,978万円(初期自己資金・返済総額)
↓(前提条件は同じ)
自己資金1,000万円、借入金額2,000万円 → 毎月73,923円 → 住居費合計3,761万円(初期自己資金・返済総額・家賃含む)

自己資金1,000万円、借入金額2,000万円 → 毎月66,252円 → 住居費合計3,783万円(初期自己資金・返済総額)
↓(前提条件は同じ)
自己資金1,500万円、借入金額1,500万円 → 毎月55,442円 → 住居費合計3,096万円(初期自己資金・返済総額・家賃含む)

これも家賃と利息との関係となるが、賃貸時の利息は家賃よりも低くなるが、購入後の利息減少がその差額を逆転したためである。

なお、この試算には購入後の税金、修繕費などは考慮せず、また、賃貸時の更新費用も考慮していない。マンション購入時の管理費や修繕積立金、さらに駐車場料金も考慮していない。

冒頭の「自己資金ゼロ」での購入は一概に否定されるものではないが、そもそも自己資金ゼロである理由(浪費癖など)の本質も考えなければならず、年間100万円の貯蓄を家賃を支払いながら貯められる収入があるかどうかも考えなければならない。

自己資金を増加し借入金額を減らす、ということは家計の安全のためには鉄則であるが、自己資金増加に時間が必要であれば時間軸も考慮しなければならない。

いずれにせよ、不動産会社、FPなどの一般論で決めつけるのではなく、個々に検証し最適な方法を考える必要があるということ。



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