住宅ローンニュースと金利動向:マイナス金利の裏で住宅ローン破たん予備軍が増加している(16.02.15)

先月末のマイナス金利導入から半月経ちましたが、未だに落ち着かず、TV、新聞などのメディアでも取り上げることが続いております。

2013年に、黒田総裁が就任して以来、異次元の金融緩和が行われてきましたが、インフレ目標が達成できないということで、新たな一手が今回の「マイナス金利」です。

昨日の報道特集でも、住宅ローンの借り換えに走る方が取り上げられ、利息総額が200万円以上安くなる、さらに800万円以上安くなるケースもなどと紹介されて、住宅ローンを借りるなら今がチャンスとばかりに消費者の購入意欲が増すように後押ししていただきました。

しかし、不動産を取り扱う者として、そんなに単純な考えでもいいのかなと不安を感じます。報道されていた住宅ローンの借り換えでも「変動金利」への借り換えであり、今後の金利上昇リスクは省いて、支払い利息が少なることばかりにフォーカスされていました。

借り換えの方は、すでに借りているわけですから、借りることそのものなくす、借入金額(残高)を減らすという根本的な部分は手が付かないのは致し方なく、金利低下による借り換えでの支払い利息の軽減で家計や資産の効率を図ることは良いことです。

気をつけたいのは、これから借りる方です。金利が低下したということで、購入をしたり、購入予算を増額したりすることは慎重に考えなければなりません。

量的緩和が始まった時と同じ年の2013年、モラトリアム法(中小企業金融円滑化法)が終了しました。その時の住宅ローン条件変更件数は26万件超、2015年の秋には37万件弱と2年ちょっとで10万件も増えています。(条件変更とは返済期間や金額を変更して延命させる、破たん予備軍と言われる)

モラトリアム法が終了後も、住宅ローン破綻者を増やさないという方針で、延滞があっても破たんする方向ではなく、なんとか延命させよというお上からのお達しがあった結果です。

景気が悪く収入が減った、教育費や税金などの負担が増えた、直接的な要因はそれぞれかもしれませんが、これだけ住宅ローン破たん予備軍が増えてしまった背景には、安易に購入すること、身の丈以上の高額な住宅を購入したことがあります。

低金利や住宅ローン控除など、購入を後押しし、財布を緩める状況になっていますが、ここはぐっと我慢して、5,000万円の予算を3,000万円に、3,000万円の予算を2,000万円にとサイズダウンすること、これが、住宅ローン破たんを避ける一番の方策です。

不動産会社やハウスメーカーの営業を見ていると、年収の7倍、8倍と、ものすごい予算(ひどいときは住宅ローン借入額)の住宅を勧めてきます。確かに、良い住まい、ハイスペックな不動産だとは思います。しかし、ほんとにそこまでの住まいが人生に必須な条件なのか。

今朝、朝一番で不動産情報の精査(というか眺めただけですが)をしてみると、中古戸建て、中古マンションに「申込あり」の表示が並んでいました。(今年より販売状況が分かるステータス管理が導入されました)

このようなコラムで言われなくても、消費者の皆さまの方が慎重で賢くて、すでに舵を切っているのかもしれません。


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