住宅ローンニュースと金利動向:融資上限撤廃よりもノンリコースローン普及に(13.08.11)

本日の日本経済新聞に「”フラット35”融資上限の一時撤廃検討~国交省・住宅購入を下支え~」という記事が掲載された。

概要は、現行の住宅購入額9割としている融資の上限を2014年度から一時的に撤廃するもの。これは、住宅ローン減税の拡充、現金給付に続き、消費税増税後の住宅購入需要低迷を緩和しようというもの。

今までも、融資額を価格の100%とする制度はあった。この時は、長期優良住宅などの高品質・高性能に限っており、価値の高い建物を普及させ資産価値を長期に維持する方向性は崩さず、同様の条件は付くと予想される。

現在の住宅ローンでは、フラット35の価格比90%の融資額を超える場合は、超えた部分を取扱金融機関の融資でカバーするか(SBIモーゲージなど)、フラット35を利用せずに民間金融機関を利用することにより価格比100%の融資を受けることは可能であり、今回の特例措置の効果は限定的になるかもしれない。

参考:SBIモーゲージでは価格比90%を超える部分を融資するSBIフラットアルファという商品で対応可能。民間金融機関では、三菱東京UFJ銀行、千葉銀行など価格比100%を超え諸費用部分まで対応可能。

政府としては、返済ができるかどうかという消費者よりも、景気の下支え(供給する事業者)を優先するという意識であることが、今回の措置で浮き彫りに出た。

住宅ローン破綻、もしくは、破綻まではいかずとも信用情報を傷つくことになってもいいから、どんどん家を買ってくれということ。

とりあえず買って、ダメになったら税金でカバーをするからと言っているのだが、破綻後に苦しむことは目をつむり弱者は切り捨ても仕方ないということである。

同じ税金でカバーするなら、ノンリコースローンを普及させ、もしダメになっても生活を立て直すことができますよ、という仕組み作りで行ってもらいたい。

具体的には、民間金融機関では先鞭をつけづらいノンリコースローンを住宅金融支援機構のフラット35で採用し、審査体制、意識の浸透が整うまで支えるもの。

これなら、景気の下支えという面と、もしダメになった際に消費者が立ち直りやすいという面の両方を備えることができる。

それでも破綻は家族関係や生活に影響はあり、基本的に避けるべきであり、安易になってはいけない。モラルの維持は必要になる。

田中角栄時代の高度成長期、いけいけどんどんの時代であれば、今回と同様の措置でも問題なかったが、バブルがはじけて20年超の期間が経過し、少子高齢化、デフレ下、先行き不透明な時代に、政策の根本的な転換が必要になってきている。

さて、価格比100%の融資だが、これをうまく利用するケースとしては、もともと返済は大丈夫という方は自己資金がある程度ある、または、自己資金はあるが低金利だしキャッシュフロー重視で借りておこう、というケースになる。

逆に、もう少し予算を増やせば希望が叶えられると返済面を軽視して融資額を増加させてしまうことは禁物である。

目の前に見せられたら、その欲望を抑えるのは難しいかもしれない。ここで食べるのを我慢すれば、後から苦しいダイエットをしなくても済む、と思っても、ついつい食べてしまう私にとやかく言う資格はない。



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