住宅ローンニュースと金利動向:モーゲージプランナー(09.10.09)

私事ですが、「住宅ローンの殿堂」というサイトに毎月1回コラムを投稿しており、私の当番は10日になります。毎月、10日近くなると週間の予定や行動を予測し原稿を作成します。今月は10日が土曜日のため、直前の木金は週末の準備で忙しくなることが予想されたことから、7日の火曜日に原稿を提出致しました。火曜日は夜10時から「ガイアの夜明け」(TV東京)が放送されます。今週の番組では「モーゲージプランナー」について紹介されました。この放送後に、コラムの原稿を書けたなら、ネタに困らなかったのにとがっかりです。

「モーゲージプランナー」とは、NPO法人「日本モーゲージプランナーズ協会」が育成し、認定した住宅ローン分野の専門家。住宅ローンの相談やあっせんができる資格を持ったコンサルタントです。(同協会ホームページより)

さて、番組にて紹介された概要と率直な感想をお伝えしますと、まず、びっくりしたのが住宅ローン融資額の2%という「あっせん手数料」。住宅関連で有名なのは、宅建業者への報酬(仲介手数料)ですが、これは、不動産取引価格の3.15%+63,000円(簡易計算)が上限とされています。不動産と住宅ローンの優劣を比べるつもりはありませんが、この報酬額の中には、不動産取引に至るまでの様々な業務が含まれており、さらに、住宅ローンの相談や手続きのサポートなども取引に付随するサービスとして無償で行っている会社も多く存在します。

さらに、最近、活躍の場を拡げてきたFP(ファイナンシャルプランナー)の場合、相談料とサポートをフルセットでして頂いても最高で10万円くらいでしょうか。これらの業種と比べて、モーゲージプランナーによる住宅ローンのあっせん手数料が2%とは、ちょっと高いなと感じました。逆に言えば、この報酬が得られるのであれば、モーゲージプランナーの方がいいなと思ったのが率直なところです。ただし、あっせんという面が銀行の業務を一部含むという要素があるのであれば、一概に報酬の高低を論じることはできないのかもしれませんが。

この点について、モーゲージプランナーの役割や報酬という表面的なところよりも、不動産や住宅業界、FP、金融機関に住宅ローンアドバイザー、そして、今回のモーゲージプランナーなど、住宅ローンを扱う分野が未成熟で無法に近い乱立状態であることが問題なのかもしれません。基本的に規制は好まないのですが、誰が、どこまで取り扱うことができるのか、報酬なども含め、ちょっと整備した方が、消費者の方にとっても分かりやすくて安心できるのではと思いました。

そしてもうひとつ、今回登場されたモーゲージプランナーの方が、不動産投資を進めた点に、ちょっと違和感を感じました。住宅ローンはお金・家計に直接的に関係し、関連分野は住宅ローンを超えて多岐にわたります。老後のことも当然関連します。今回取り上げられたモデルケースでは、相続により得られた2,000万円の現金の一部を不動産へ投資し、家賃収入を住宅ローンの返済や老後の生活費へと回すことを提案しておりました。

詳細の内容は分からないので、提案そのものの良し悪しは判断できませんが、ご主人のご性格や不動産投資のリスクなどを考えれば、単純に住宅ローンの返済で利息の軽減を図る方を私なら提案するなと思いました。しかし、私が気になったのは提案内容ではなく、モーゲージプランナーの方が、不動産の情報を収集し、マンションの内見まで立ち会い、その後の商談まで単独で行った業務的なことです。

同じようなケースとして、ハウスメーカーの住宅営業担当者が、土地情報を収集し、現地見学まで行い、その後の商談まで、単独で行うことがあります。以前からこの問題は存在し、県庁の宅建業法の担当である部署に確認したことがありますが、回答は、契約の際、宅建業者が介在し、その業者が最終責任を取るのであれば、黒(違反)ではない。ただし、好ましくもないとは仰っていました。(こういう方々を”タネ屋“と呼ぶらしいです)

宅建業者の報酬は契約締結の成果として受領します。契約段階で適法なら問題ないというのが行政側の現状対応ですが、宅建業者の報酬は契約締結に尽力しその行為により契約締結に至ったなら受領できることや、契約に関して問題が起こった場合、契約前の営業行為の内容も問われることがあることから、契約前の営業行為も宅建業者の免許の有無を問うべきだと思います。

今回のモーゲージプランナーは、不動産投資(マンションの購入)に対し、報酬を得ず、無償奉仕・アフターサービスだったのでしょうか。宅建業者の免許を持つ会社で従業員登録をされている不動産営業なら、不動産購入に伴う営業活動で報酬を得ることに問題はありません。しかし、モーゲージプランナー専業であるならば、報酬を得るのは避けるべきですし、単独での不動産営業行為そのものを慎んだ方が良いと思います。もし、サービス、サポートの一環として行うなら、責任を取る宅建業者を常に立ち会わせておくべき。これはハウスメーカーの営業活動でも言えることです。

これも、先の住宅ローンを取り扱う業種の根本的な問題と同様に、不動産営業を行う担当者の資格制や両手取引禁止を含めたエージェント制など、根本的なところから立て直しが必要だと思います。



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