住宅ローンニュースと金利動向:住宅ローン勧誘に公取委が警告(06.08.04)

本日の日本経済新聞社会面に、公正取引委員会がみずほ銀行に対し 住宅ローンの勧誘に不適切(有利誤認)があったことを理由に 警告を発するという記事が掲載されました。

この記事の見出しが飛び込んできて、あまりにも異例のことだったため、 なんだなんだと思わずビックリしてしまいました。 記事の概略は以下の通りです。

≪みずほ銀行に警告へ≫

・実際の適用金利を毎月見直すことを明示しなかったのは、景品表示法違反(有利誤認)に当たる。→「適用金利は申し込み時ではなく、借入実行日の金利が適用」と小さく表記したのみ。

・住宅ローンは市場金利に連動し変化するのにも関わらず、申し込み時の金利が適用されると誤解するように記載。

・他の大手行のパンフレットを比較し、みずほ銀行のパンフレットは不当表示であると認定した。

・保険や金融商品などを含め、金融機関に対し、厳しく臨む姿勢を改めて示し、金融機関の身勝手な問題のある営業への警笛である。

・公取委は「有利さのみを強調する営業姿勢は、消費者軽視と言わざるを得ない」と断じている。

引用元:日本経済新聞

この記事を読んで、三つのことを感じました。 それは、1.みずほ銀行だけ? 2.今回のようなことはどの業界でもある 3.住宅ローンの仕組みそのものが変わると良いのに というものです。

まず、この記事を読んで思ったのは、今回のようなケースは、 みずほ銀行のみだけではなく、どこの銀行でも似たり寄ったりで、 なぜ、みずほ銀行だけが警告されたのか分かりません。

参考に各大手銀行の住宅ローン説明ページをご確認下さい。

・みずほ銀行(問題のあった部分、いまだ直されていません)
・三菱東京UFJ銀行(みずほ銀行との違いは分かりません)
・三井住友銀行(詳細ページで確認しないと分かりません)

自分たちのような住宅ローンを業務として取り扱うものは、 住宅ローンの常識として今回のことは理解していますから、 どこにどのような書かれ方をしていても支障はないです。

しかし、一般の方は、人生の中で頻繁に利用することもないので、 住宅ローンの当たり前のこともきちんと説明しなさいという公取委の見解なのでしょうが、 みずほ銀行の表記がダメなら、他の銀行も同じだと思いましたが、 各行のページを見て、明らかにみずほ銀行の説明は分かりづらい、 誤解を与えそうだと感じましたか?

次に思ったことは、今回のような営業手法は、銀行、保険、証券などの金融機関に限らず、 我々不動産業界でもそうですし、その他の全業界、全ての業種で言える事ではないかと。

不動産業界の広告は、金融機関以上にひどく、有利なことやメリットばかり強調するもので、 不利益なことやリスクなどは、小さくても書かれていれば良い方で、 ほとんど書かれておりません。

これは広告のみならず、物件の詳細資料でも同じで、この部分に関し、 不動産業界では、営業担当者に占める役割が大きく、良い営業担当者に当たれば、 資料からは読み取れない不利益な部分などの説明も入りますが、 悪い担当者に当たると、気づかれるまで黙っています。

この部分を不動産営業を取り締まる宅地建物取引業法では、 契約前に法律で定められた重要事項を説明することによりカバーしようという 制度を定めておりますが、小難しく慣れない法律用語と契約の土壇場まで来て、 冷静かつ適切な自己判断を消費者ができるのか疑問です。

話がそれましたが、このコラムで、不動産業界のあり方をどうこうという部分を 深く掘り下げると長くなってしまいますので、別のコラムをご参照にしてみて下さい。

最後に、住宅ローンの仕組みの基本として、適用される金利は、申し込み時ではなく、 実行時(借りる日)の金利になるというものがあります。 (例外として公庫や一部の金融機関では申し込み時の金利適用)

この部分は昔から何とかならないものかと感じていました。 土地や中古住宅などで契約(=ローン申し込み)後、 取引実行までに長い時間がかからないものは、 大きな変動もないのですが、新築なら半年、新築マンションなら 1年以上も時間差があるケースもあり、この場合、申し込み時の金利で資金計画をしたら、 金利が大幅に上昇し、根本的な見直しが必要になることも考えられます。

法的に問題があるとは思いませんが、どういう条件になるかも分からずに申し込みをし、 実際の取引時に条件が変わっていたら、不利な条件を受け入れろという基本的な部分に 致命的な欠陥があるように思います。

通常の日常にある商取引で、依頼した時と条件が変わり、不利な条件になっても 文句を言わずに受け入れろというのはありえるのでしょうか。

公取委も今回の件を通じ、強大な力を有する金融機関が、その力を背景に、 逃げ道がない一般消費者に不利な条件を飲み込ませるという根本的な姿勢や 意識に警笛をならし問題を投げかけているのかもしれません。



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