住宅ローンニュースと金利動向:どこ見てもゼロ金利解除(06.07.15)

昨日、正式に日銀はゼロ金利解除を決定し、即日実施されました。 今日の日本経済新聞を見ていますと、どのページを開いても“ゼロ金利解除”の記事ばかりです。

これらの記事を読んでいて、気になった記事と感じたことを書いてみます。

・金融政策変更の骨子に「先行きについては、極めて低い金利水準による 緩和的な金融環境が当面維持される可能性が高い」とあります。

量的緩和政策解除でも、今回のゼロ金利解除にしても、熱しやすく冷めやすい国民性なのか、 一時は深くいろいろと過剰に反応しますが、長く大きな目で考えてみる視点を 持ってみると良いと思います。

量的緩和政策解除時も金利も上昇しましたが、しばらくすると落ち着きました。 今回も短期物を中心に金利も上昇するでしょうが、少ししたら落ち着くのではと思います。

不動産市場も加熱気味ですので、慌てて駆け込むのではなく、 少し様子を見るくらいの余裕があっても良い。

確かにこれだという物件があれば、少しでも金利が低いうちに購入していただいて結構ですが、 金利が上がるからと慌てないで下さいね。金利が上昇するかどうかは、 不動産購入の決め手にはなりえませんから。

・「法人向け融資の中心は、不動産、金融、リース業が3分の1」

不動産市場を私が肌で感じる実感は、建売(特にパワービルダー系の廉価版)が 過剰気味に供給されている、良質な売り地が少ないです。

先日行われた不動産業界の勉強会と懇親会で、建売業者が不動産市場価格か それ以上の価格で土地を仕入れているという話がありました。

これらは、銀行がだぶつかせている資金を不動産関連の会社へ 融資していることが影響しております。銀行がこれらの会社へじゃぶじゃぶお金を供給すれば、 仕入れの資金力増加につながり、仕入れ価格の上昇にも繋がります。

日銀の政策決定会合に出席した人の言葉「金融を緩め過ぎると市場規律が働かず、 副作用が生じる」そのままです。市場価格がどうこうではなく、 資金があるままに用地取得競争での勝負に出ている。 これが地価を過剰に上昇させている要因のひとつです。

金利が上昇することにより、購入者の資金力低下とあわせて、 建売業者の資金力低下も、不動産価格下落へ影響を与えます。

金利が上昇するのを一面だけで見れば、負担の増加になりますが、 その分、購入価格そのものが下がる=借り入れ金額も下がるとなり、 負担はそんなに変わらないのではないでしょうか。

すぐに購入をした方が良い人は別ですが、1年~2年超の期間を考えられるなら、 落ち着くまで見極めるのもひとつの手です。要は、今購入すべき状況なのか、 今購入しなくても良いのかの見極め。

・銀行関係者の意見が多数掲載されていました。そのほとんどが 「急激に上昇はしない、大きくは上昇しない」という内容でした。

私も、一時的には政策ショックで上がるが、ある程度の水準で安定して推移すると思います。 その水準は、現行のプラス1%~1.5%程度か。短期固定の代表的な住宅ローン金利は、 3年固定で実質適用金利2%です。これが想定した上昇をすると、3%~3.5%。

金利が上昇傾向=借り入れは長期、預け入れは短期。これは確かに正しい公式です。 新聞・TVのコメントでも、そのほとんどがこの内容です。 しかし、上昇値が1%内なら、短期と長期の金利差1.24%前後を下回り、 短期固定の方が負担は少なくなります。

どのくらいの金利上昇をするのかという前提条件をきちんと提示しなければ ただ教科書を読んでいるだけの机上の空論。2%を超える上昇と推定されるので 長期を選択すべき!とコメントするべきでしょう。

※いや2%くらいは上昇するよと推測する方は長期固定をお勧めします。

住宅ローンを借りるとき、長期固定は安心・負担増、 短期固定は負担減・リスクを考えなければなりません。 長期固定を検討する場合は負担が問題ないかを見るだけですが、 短期固定はリスクを軽減するための方策を考えて実行しなければなりません。

今まで、短期固定のリスク軽減を繰り上げ返済を活用してみてきました。 金利が上昇したら返済額軽減、金利が上昇しなければ返済期間短縮をしていくのですが、 さらに金利上昇と老後資金のダブルリスクをみて試算してみました。

まず、通常、家計の融通性などを確保するために、長期で借り、繰上げ返済を活用して、 老後の前に完済するという手法が一般的です。 しかし、金利が上昇した際、返済額の軽減で負担は大きくならず、 家計の破綻リスクは回避できても、返済期間が短くならず、老後に食い込むリスクが残ります。

そこで、当初から老後(60歳)前に完済する借入期間にして 繰り上げ返済がなくても良い状態で、さらに金利上昇に備えるために、 どの程度の繰上げ返済をしなければならないのかを見ます。

35歳で購入=25年返済(60-35)、借入金額3,000万円 (三菱東京UFJ銀行の金利にて試算)

・全期間固定3.24% 月々146,036円 返済総額4,381万円

・当初3年2.0%→4年~6年目3.0%→7年目以降3.5%

 月々127,156円→月々140,555円→月々146,693円 返済総額4,308万円

 ↓もし金利上昇が大きくなったら

・当初3年2.0%→4年~6年目3.0%→7年目以降4.0%

 月々127,156円→月々140,555円→月々152,984円 返済総額4,451万円

 ↓返済総額を全期間固定並みにするため

・繰り上げ返済
 3年終了後98万円(全期間と短期固定の返済額差額合計+30万円)
 6年終了後50万円(同上差額合計+30万円)

 ↓

・返済総額4,384万円とほぼ全期間固定と同じ

 ↓ということは

・全期間固定時の返済額との差額と当初から6年の間に年10万円を 繰り上げ返済に準備できれば、2%上昇しても負担は増えない。

 (試算終了)

もっと上がるとことも想定されますので、さらに繰り上げ返済資金を準備しなければなりませんが、 これ以上の繰上げ返済資金を準備できそうもないと考えるなら、 安全を考えて長期固定にすることをお勧めします。



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