不動産基礎知識:中古住宅の取引には瑕疵保険が欠かせません(16.05.07)

GWに入る直前の4月28日、社会的にはひっそりと、しかし、不動産仲介業界では久々の革新的といえる改正案が衆議院本会議で可決されました。

その法律は不動産業界の憲法というべき「宅地建物取引業法」で、改正された内容の目玉は「インスペクション(建物診断・検査)に関する説明の義務化」です。昨年の宅建資格の名称変更などという実体のない改正とは比較になりません。

この改正案ができた背景には「空き家問題」をはじめ、日本のゆがんだ住宅事情や不動産流通(業界)を改善していこうというものです。(両手仲介問題やエージェント的な部分は先送りとなりました)

住宅のインスペクション(建物診断・検査)は、年々普及してきましたが、洞察力・先見性がある民の方が先行してしまったため、今回の法改正では「既存住宅売買の瑕疵(かし)保険」に伴う検査・点検を「インスペクション」と位置付けるようになります。

従来からのインスペクションは、瑕疵保険の加入可否を判断する検査よりも先を行っていた(より深く、幅広く)ため、瑕疵保険にも対応が可能になるケースが多く、既存のインスペクションにも支障が出ません。

瑕疵保険の可否を判断するまでのインスペクションとするか、さらに付加をつけた従来からのインスペクションとするか、この判断は、取引をされる方と説明をする担当者により変わってくると思われます。

既存住宅売買の瑕疵保険は、平成22年から始まっていました。この保険でカバーするのは「構造躯体」と「雨水の進入(雨漏り)防止」に関する部分です。さらにオプションとして給排水の設備も対象とすることもできることがあります。

この保険の役割は、売買時に発見できなかった不具合(雨漏りや傾きなど)があった場合、保険金が支払われ、購入者の被害を軽減するとともに、売主が負うべき瑕疵担保責任の負担を軽減するものです。

つまり、瑕疵保険は、検査と保証がいっぱいとなった制度で、中古住宅(既存住宅)の売買には欠かせない安心の制度です。

新築住宅の販売や建築の場合、売主が業者であるため保険の加入などが義務化されていますが、中古住宅売買の場合、一般消費者であることが多く、本来は義務までしたいところですが、業者からの説明までを義務とし、実施をするかどうかは任意としました。

しかし、任意だからと避けてしまうと、瑕疵担保責任の負担で売主が、資産価値の減少(費用負担)などで買主が損失を被るリスクが高まり、さらに、国民の資産を減少させ、住宅事情、環境問題など、さまざまな問題の要因となってしまいます。

取引される方にも、社会的にも、経済的にも、瑕疵保険制度とインスペクションの普及が大きく貢献することになると思います。これから購入する方、売却する方、ともにこの制度を利用することを強くお勧めします。


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