不動産基礎知識:引渡し猶予の流れと注意点(16.01.13)

引渡し猶予(引き渡し猶予)とは、不動産売買契約において、代金決済日とは別に、引渡し時期を決済後の特定日(特定の期間)に特約で定めることを言います。

通常であれば、残金決済時に、所有権の移転、登記手続き、引渡しのすべてを同時に行います。

引渡し猶予の取り決めをした契約の場合、文字通り、引渡しの部分のみ時間的な猶予を与えることとなります。

これは、売主が自宅の売却と新居の購入を同時に行う買い替え(住み替え)にて起こるものです。

すべての買い替え・住み替えで起きるわけではありません、主に現自宅を購入してから数年ないし十数年しか経過しておらず、住宅ローンの残債が多く残っている場合に見受けられます。

実務的な流れとしては次の通りです。(逆順)

1. 現在の自宅を明け渡すために新居へ引っ越すためには、新しい住宅ローンを実行して決済をしなければなりません。

2. 新居の購入に伴い住宅ローンを利用する場合、融資の実行条件として、現在の自宅(売却物件)にある住宅ローンの完済が条件となります。

3. 住宅ローンを完済するためには、自己資金だけでは足りず、不動産売却資金を充てなければならない。

4. 自宅の売却決済、新居の購入決済、引越しのすべてを同日で行うことは物理的に難しい。(金融機関や法務局などの事情が加わるため)

5. このため、自宅の売却後、新居の購入決済と引越し完了まで、時間(猶予)が欲しい。

具体的な注意点としては次の通りです。

1. 売主が新居に引っ越すまでの猶予期間は、代金決済から1週間という設定が多いようです。この間の期間は無料で居住することとなり賃料等は発生しません。その分の賃料は代金に織り込むこととなります。

2. 売主としては、自宅の決済が完了し所有権が移転していても、引渡しまでの間は管理責任(善管注意義務)や危険負担があります。その間に、故意過失問わずに天災地変などの不可抗力(引渡し前の危険負担)でも、不動産に問題が生じた際には負担が必要となります。

法律的には、代金決済にて所有権の移転は生じ、所有権の移転登記手続きも行うため、売買としては完了しております。売買に伴う売主・買主の債権債務として、引渡しをどのように取り扱うのかという取り決めとなるものです。

極論では、リスクは小さくともゼロではないので、絶対大丈夫とか安心とは言い切れません。ただし、この引渡し猶予に限らず、不動産売買契約のすべてにおいて、絶対大丈夫、安心だからということはありません。

リスクをいかに小さくするか、リスクへの対策をどう取るか、得られるメリット(不動産の価値)や負担の大小(金銭)なども含めて総括的な検討と判断になります。

お客様ごと、物件ごとに、判断は変わるかと思われます。そのアドバイスとお手伝いをするのが不動産業者の仕事ですので、お気軽に相談してみてください。


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