不動産基礎知識:手付解約、違約解約、危険負担による解約のリスクも考慮(15.12.24)

昨日のニュース番組では、マンションの違法建築や傾斜事件について、改めて特集されていました。

なぜ、昨日に集中したのか、なぜ、内容に変化や追加がないのに改めて報じられたのか。背景は分かりませんが、メディア側でなにか思うところがあったのでしょうね。

報じられた問題は、1.横浜のマンション傾斜事件、2.文京区の違反建築マンション解約事件、の二つです。

横浜の方は、マンションが傾いてしまったということで、消費者には分譲会社がまず責任をとらなければならない。原因はなに、どこの責任、などは、消費者への責任を果たしたのち、関係会社のなかで調整することとなる。

文京区の方は、細部は不明だが、法律上は違約解約になるまでで違約金の支払い(道義的には上乗せがあるのかもしれないが)で終わる。このような内容で契約を取り交わしているのであり、契約書の内容とは別に、さらに要求されるのでは、なんのための契約なのか、法治社会の根本から問われる問題となる。

違反建築はそもそも論外なのかもしれないが、決済(所有権の移転、引き渡し等)が終わるまでは違約解約があるかもしれないリスクは認識しておくべきで、そのリスクに対応できるようにしておかなければならない。

今回は、違約解約であったが、天災地変などで引き渡しが延びることもある。この場合、修復等の責任は分譲会社側が負担するが、修復に要する期間に関しては、買主側は承知する旨の条項となっていると思われる。

延びた期間、暮らすところがないからなんとかしろ、その期間の居住費用を支払えと言っても、法的(契約条項)には分譲会社は負担に応じる必要はない。また、天災地変等で解約となった場合、手付金の返還までで違約金などのペナルティはなく、住み替え先のことは買主側の責任と負担になる。

そもそも、完成する前の新築住宅を販売すること、建築中のリスクを配慮しないこと、など、青田売りそのものに問題があるかもしれない。横浜の事件でも、青田売りによる工期死守による弊害が原因という背景もある。

ただし、青田売りを禁止し、完成後の販売開始の場合、建築や販売コストの増加による価格への転嫁がされる。新築住宅や新築マンションは、それこそステータスとなるかもしれない。

空き家が年々増加していること、中古住宅の価値の上昇などから、決して悪いことだけではない。困るのは、新築を生業とする企業とそこの恩恵を受けている政治家?だけ。

業界内で言われている都市伝説のような話として「誰が見てもわかるような手抜きはしない。完成直後はプロでも分からない。欠陥が分かるのは2~3年後から。」というものがある。

現在は、新築の保証期間(主要構造部)が10年へと延長されましたが、この前は「2年間の保証」でした。このことから2年間だけ持てばいい、という意識が芽生えたからでしょうか。

文京区のマンションに戻りますが、今回のケースを見ていて、冷たくも客観的に見れば、一番の問題は、違反建築を設計した設計事務所とそれを見抜けなかった検査機関。そして、それを許す環境にした行政。

建築会社、設計事務所、検査機関が互いに緊張感を持ってけん制し合わなければならない。しかし、現実は、すべてが仲間でずぶずぶの関係になっている。

このような状況では、建築行為そのものは信用できない。新築後、何年、何十年と経過した結果のみで判断するしかない。

なお、マンションの販売提携会社である「三菱地所系」の営業担当者が、この問題を軽く見て、大丈夫、大丈夫と安易に売りつけたことが判明した。これは詐欺にも匹敵することで、違約がどうこうの民事ではなく刑事事件。しかし、三菱の力か、立件されることも操作されることもない。



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