不動産基礎知識:違反建築は事故物件と同じ扱いに(15.12.03)

今朝(12/3)の朝日新聞の記事によると、杭工事データが改ざんされた建物を取引する際には、告知事項として買主へ伝えるべきと行政指導が行われました。(業界団体経由のため弊社までは届いておりません)

記事にも書かれておりますが、事件や自殺などの事故物件と同様に扱うようになります。記事では「旭化成建材」のみを特別扱いとなっておりますが、実質的にはすべての工事業者で同様に扱わなければなりません。

また、施工会社までは容易に調べることができたとしても、どの建物の工事にどこの下請け業者が関わったのかを調べることなど、現実的には不可能であり、それを仲介業者に求めるとは、行政は一体何を考えているのか、相変わらず、現場を知らない理想論だけです。

この件で行政が指示すべきことは、マンションの管理会社に対して、杭工事を施工した会社(さらに下請け業者一覧)を調べ、それを、管理に係る重要事項の調査報告書にて、買主および仲介業者へ情報提供すること。

この指示が出ていないのに、仲介業者に説明しろと言われても、どこから情報を引っ張ってくればいいのか教えてもらいたい。管理会社へ報告を求めたとしても、「個人情報に関わることだから」と、まず確実に情報を止められる。

現に、事件、自殺などの事故物件に関して、専有部分ならいざ知らず、共用部分で起きたことも、一切情報を提供しない。この際、共用部分で、買主側に提供すべき情報をすべて提供するように、管理会社へ指示をしてもらいたいものです。

この記事の通り、旭化成建材が杭工事を手掛けた物件について、仲介業者に買主への情報提供を義務付けるなら、国土交通省に入った情報を公開してもらいたい。

情報を秘匿しながら、情報を提供しろ、などという矛盾した行政指導が行われることや、検査機関が有効に機能しない構造的な部分は放置していることなど、そもそもの元凶は、不動産・建築分野を野放しにしている行政や政治ではないか。

杭データ偽装物件、売買時の説明を義務化 旭化成建材分(朝日新聞12/3朝刊)

旭化成建材による杭工事のデータ偽装が判明したマンションを売買する際、買い手に偽装の事実を伝えることを、国土交通省が売買を仲介する不動産会社に義務づけた。買い主を保護するのがねらいで、違反した業者や担当者には、行政処分や刑事罰を科すこともできる。自殺者が出た物件などと同じ扱いとする。

国交省は、旭化成建材によるデータ偽装が判明した約70のマンションなど民間の集合住宅について、売買を仲介する場合、原則として契約前に買い手に示す「重要事項説明書」に偽装の事実を記入し、買い手に説明するよう不動産の業界団体に指示した。

データ偽装の事実が、宅地建物取引業法で購入者に必ず説明しなければならないとしている「重要な事項」に当たると判断した。ただし、杭が固い地盤に届いているなど、安全性が今後証明されれば、買い手からの問い合わせに回答すればよいことにするという。

旭化成建材以外の杭打ち業者によるデータ偽装があった物件については、買い手からの問い合わせがあれば、偽装の事実を説明する責任を負わせるのにとどめた。国交省の担当者は「不良施工が見つかっていないため」としている。今後問題が見つかれば、旭化成建材と同じように説明を義務づけることも検討する。

今回の指示は、中古マンションの売買価格にも影響を及ぼしそうだ。都市未来総合研究所の平山重雄・常務執行役員は「危険性がはっきりしなくても、買い手は偽装がある物件には不安を抱く。価格の押し下げ要因になる」と指摘する。安全性が確認されるまで、こうした物件の売買が難しくなる可能性もある。

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話は変わりますが、本日報じられた内容では、施工会社の三井住友建設は18mまでの杭工事が必要と認識しつつ旭化成建材へ16mの杭工事を指示していたらしい。

杭工事のデータ改ざんはいけないことですが、今回のマンション傾斜は別のところに問題がある可能性が高まってきました。札幌の欠陥マンションも三井住友建設の施工であり、そもそもこの建設会社が携わった物件は危険性が高いかもしれない。

旭化成建材が杭工事を行った建物であること以上に、この情報こそ提供すべき告知事項かもしれない。



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