不動産基礎知識:責任の押し付け合いになる土地と注文建築(15.06.22)

空いた時間に不動産取引の紛争事例に目を通していたところ、日常の取引でも頻繁に起きる事例が掲載されていたので、詳細を読んでみました。

紛争事例:規制内容に関する告知義務違反(重要事項説明の不備)、東京地裁・判例、平成21年4月13日

概略:購入した土地の建築規制により希望する建物が新築できなかった。この責任の所在をめぐる争いとなり、不動産会社に転売費用の負担を認めた判決。

買主は土地を購入するに先立ち、建築士に「その土地での新築計画に問題がないかどうか」を確認していた。

買主側の不動産会社は、重要事項説明の中で「規制があることそのものは説明していた、規制の内容まで深く説明していない」。内容を説明せず、買主の建築計画がとん挫したのだから結果責任として不備があると認められた。

売主側の不動産会社は、重要事項説明を買主側の不動産会社へ任せきりにした。建築士にも事前確認がなされ、買主の事情を知る不動産会社が重要事項説明したのだから問題と認識したが、それは甘いと断罪され、重要事項説明の不備の連帯責任を課された。

この判例を表面だけ見れば、判決通りなのかなと思いますが、現場の取引状況を知る者からすると、怖いし、なかなか現実は難しいと感じる。

ポイントは、建築士が買主側に土地購入前から助言しているということ。

土地の建築規制そのものを伝えるのは不動産会社の役割の中になるが、その規制が買主の建築計画にどのように影響を与えるかまで考慮して責任を持たされるなら、不動産会社の責任を重く大きすぎる。

なんのための建築士(ハウスメーカー等)が土地購入前から関与するのか、それは、「購入しようとする土地に希望する建築計画が成り立つのかチェックし、助言と計画実現の手伝いをするため」。それで建築士や建築会社は報酬を得ている。

もし、不動産会社に建築計画の実現の責任まで求めるなら、買主は建築計画を事前に不動産会社へ伝え、かつ、建築計画の実現に寄与する分だけの報酬を不動産会社へ支払うべきである。

営利のための経済活動を行う企業に、無料で業務を行わせ、さらに、責任まで持たせるのは、そもそも人として、社会人としての倫理に反することではないのか。※こういう買主さんは無給で労働を提供するのでしょうか?

マンションや戸建ての取引の場合、土地と建物が一体となって取引されるため、建物部分まで不動産会社が役割を担い、責任を負うのは当然のことになる。

今回のように、誰にどこまでの責任があるのか揉めるのは、土地と建物の取引を別々の会社で行う「土地購入と注文住宅の新築建築」である。

不動産会社から土地そのものの内容や法規制を調査報告を受け、建築会社や建築士へその内容を基に建築計画の実現を確認する。

土地そのものや法規制の調査伝達不備は不動産会社、そこに問題がなく建築会社の助言判断ミスなら建築会社の責任とするべきである。もしくは、すべての責任を負ってもらうために土地も建築も同じ会社へ依頼することです。



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